全員丸刈り写真が与えた衝撃、名門野球部の1枚に異論・反論が続出

2023年1月30日(月)10時4分 ココカラネクスト

 ここから一体感が生まれるのか、強制力を疑う写真がネット上で物議を醸した。指揮官の体罰問題で揺れた東海大菅生高が27日、今春のセンバツ大会に出場することが発表された。

 若林弘泰監督の体罰が明らかになり、出場校決定の直前に解任された。「生徒たちに責任があるわけではない」との声が多数を占め、出場を当確としていたチームは無事センバツ出場が決定。上田崇新監督の下で、仕切り直しをはかる。

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 「昨年秋の都大会前にも、みんなの気持ちをそろえるために剃って、結果が出た。げんを担ぐというか、節目の発表を前に剃ろうとみんなでやりました」

 チームが揺れる中、全部員が五厘刈りで出場校発表に臨んだのだ。実際には五厘よりも短く、「ソリン」という部の伝統だという。

 これには様々な反応がネット上で見られた。

 「絶句した。伝統だからと強制され、抵抗できない生徒がほとんどでは」
 「こういった部分が野球人口減少の一因なのかな」
 「やりたくない部員もいたのでは?それを声にできない空気感が部内に蔓延しているのでは」

 東海大菅生の体罰については、1、2度ではなく日常的に前監督から行われていたとも報じられている。高野連への報告がなかったことは、部内や学内に蔓延していた空気を反映している、ともっぱらだ。その象徴の一つとして、時代錯誤な異様な集合写真がクローズアップされた格好だ。

 当然、生徒たちはその日常的な体罰の存在を、目の当たりにしてきた。それでも余計な声を上げれば、前監督ににらまれて出場のチャンスさえ奪われかねない。そんなことは予想に難くない。高野連への報告がこれだけ遅れたということは、学校単位で隠蔽をはかっていたと見るのが自然な流れでもあるだろう。

 再出発の大事な日。そこで決意を誓った部員たちからは、残念ながら学内やチームに蔓延しきっているであろうマイナスの空気しか伝わってこなかった。選手全員が、げん担ぎも込めてもしかしたら本当に臨んだ行為だったのかもしれない。それでも、逆に異常にしか映らない光景には、日本の高校野球界に残る負の遺産を意識させた。

 いわゆる同調圧力が示されたことに対して、ネット上ではネガティブな意見が相次いだ。もちろん生徒たちを支持する声もなくはない。

 「逆風だけど全力で応援します!」
 「げん担ぎと生徒が言っているのに批判する大人なんなん?」
 「選手の気持ちをくみ取ってあげて。だから高校野球は…みたいな見方をする論調の方が差別的に感じる」

 出場校決定前日の監督解任といい、五厘集合写真への反応といい、チームが世間に与えたインパクトは大きい。良くも悪くも注目を集めるセンバツ大会。昨秋都大会を制した実力を発揮し、様々な雑音はプレーでシャットアウトする活躍を望みたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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