クビサらがドライブする3台目のフェラーリ499Pは、ワークスとは「別の存在」。規則上の違いも

2024年2月2日(金)12時6分 AUTOSPORT web

 AFコルセのチームマネージャー、バティ・プレリアスコによれば、フェラーリが2024年のWEC世界耐久選手権に投入する3台目の499Pハイパーカーは、ファクトリーエントリーする2台とは「別の存在」として扱われるという。


 フェラーリは『AFコルセ』のエントリーを通じて、ロバート・クビサ、イーフェイ・イェ、ロバート・シュワルツマンがドライブする83号車フェラーリ499Pをハイパーカークラスに新たにエントリーさせる。


 これは、アマト・フェラーリ率いるAFコルセが、すでに昨年デビューしル・マン24時間レースの100周年記念大会でトヨタを破って総合優勝した2台のファクトリーカーに加え、3台のフルシーズンエントリーを行うことを意味する。


 プレリアスコは記者団に対し、83号車が『フェラーリAFコルセ』の名の下に参戦するワークスエントリーからどのように切り離されるのかについて説明した。


「まず第一に、別のチャンピオンシップに出場することになる」とプレリアスコは語った。


「(83号車が争うのは)世界選手権ではなくワールドカップだ。つまり、(プライベーターの)JOTAやプロトンと競合することになる」


「もちろん、クルマは同じであり、パワーユニットとハイブリッドカー、ハイブリッドシステムについては、ファクトリーからのサポートがあるだろう」


「残る部分は、フェラーリのファクトリードライバー2名、AFコルセのドライバー1名──ご存知ロバート・クビサとともに、AFコルセによって管理されることになる。イェとシュワルツマンはフェラーリによって選ばれ、AFコルセに与えられたファクトリードライバーであり、クビサはAFコルセ所属のドライバーだ」


 プレリアスコの冒頭の発言は、WECのスポーティング規則第3.2.3条に言及したものだ。そこには「同じメーカーの2台のクルマがエントリーされ次第、追加の車は『ハイパーカ・ チーム・ワールドカップ』にエントリーしなければならない」と規定されている。


 これは、トップクラスの他のすべてのワークスチームと同様に、『ハイパーカーFIAワールド・エンデュランス・チャンピオンシップ』に参戦する2台のファクトリーエントリーとは対照的だ。


 プレリアスコはさらに、ふたつのファクトリーエントリーと、カスタマーオペレーションを、ある程度分離するための措置を講じる予定であると概説し、ふたつのプロブラムは「別個の事業体」として扱われることを強調した。


「皆は『AFコルセ』と言うが、ひとつはライセンスを取得した『フェラーリAFコルセ』であり、もうひとつは『AFコルセ』なんだ」と彼は言う。


「それは、ふたつの別個の存在だ。確かに、ひとつはフェラーリの完全な支援を受けているため、ふたつの異なるものが存在することになる。そこには、まったく異なる方法で管理されるものだってある」


「エンジンやハイブリッドシステムなど、AFコルセ単独では管理できないものもある。ただ、過去にGTやLMP2、その他のクルマに対してそうしたのと同じように、それ(別の存在として扱うこと)は我々にもできることだ」

ハイパーポールでポールポジションを獲得した50号車フェラーリ499Pとアントニオ・フォコ、チームマネジャーのバティ・プレリアスコ


■ル・マンウイナー51号車のレースエンジニアも未定


 AFコルセはハイパーカーカテゴリーにおける2シーズン目に向け準備を進めているが、2023年の成功の立役者のひとりがチームを去った中で、ピットウォールにはまだいくつかの重要な空席が残っている。


 アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィがドライブしてル・マンで優勝した51号車のレースエンジニアを務めたジャスティン・テイラーは、チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)におけるキャデラックLMDhプログラムでの新たな役割を求め、フェラーリを退職した。


 このアメリカ人エンジニアは、NTTインディカー・シリーズの AJフォイト・レーシングで働いた後、跳ね馬に加わっていた。フェラーリに移籍する前は、アウディやレベリオンのLMP1プログラム、マツダDPiのプログラムなどで幅広いスポーツカーレースの経験を重ねていた人物だ。


 プレリアスコは、フェラーリにはテイラーの後任としてふたつのレースエンジニアのポジションがあり、カスタマーカーとなる83号車のレースエンジニアもまだ決まっていないことを認めた。なお、ダミアン・オージェは引き続き50号車のエンジニアを務める予定だ。


「正直に言うと、まだ検討中だ」とプレリアスコ。


「50号車は昨年と同じだが、残りのふたり(のレースエンジニア)はまだ保留中だ。近いうちに、テストが予定されている。おそらく近日中に決定することになるだろう」


 なお、CGRのチームマネジャーを務めるスティーブン・ミタスは、CGRにおけるテイラーの新たな役割にスポットを当てており、彼のWECへの関与はかなり最小限になる可能性が高いことを示唆した。


「計画では、彼はCGRのIMSAチームに加わり、レースエンジニアリングの責任を負うことになる」とミタスは語っている。


「もちろん彼はWECチームとも協力することになり、彼の意見は大きく歓迎されるが、主にIMSAのレースエンジニアリングの責任を負うことになる」

2023年のル・マン24時間レースを制したフェラーリ499P


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