大宮・今治・富山、J2昇格組の現状を解説【J2リーグ2025】

2025年2月5日(水)12時0分 FOOTBALL TRIBE

大宮アルディージャ 写真:Getty Images

J1への昇格とJ2残留を20チームで争う2025明治安田J2リーグ。例年、残留争いに巻き込まれやすいのが前年J3から昇格してきたチームだ。今季であればRB大宮アルディージャ、FC今治、カターレ富山がこれに該当する。


他のスポーツと比較して選手やスタッフの入れ替わりが激しいサッカー界。現在のチーム状況が分からない人もいることだろう。そこで2025シーズン開幕直前の現在、J3から昇格した3チームがどんな状況にあるのか解説する。


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大宮アルディージャ 写真:Getty Images

RB大宮アルディージャ


すべてが噛み合えばJ1昇格も


2024年8月に世界的飲料メーカー『Red Bull』が全株式を取得し、Jリーグで初めて外資系企業が単独でオーナーとなったRB大宮アルディージャ。大きな注目が集まるなか、2年ぶりのJ3優勝でJ2復帰を達成し豪華補強も考えられたが選択したのは継続路線だった。チームをJ3優勝へと導いた長澤徹監督が続投し、昨シーズンの主力も全員が残留している。ジュビロ磐田から加入し10得点を挙げたFW杉本健勇やヴィッセル神戸から加入し6得点のMF泉柊椰と、ともに期限付きで加入していた2選手の完全移籍移行にも成功した。


さらにJ2を戦い抜く陣容へとバージョンアップすべく9選手を獲得。目玉の1人は昨シーズンJ1の京都サンガで4得点を挙げたFW豊川雄太。2023シーズンにはJ1で10得点を挙げており、同じく京都から獲得したMF谷内田哲平を含め、J1のクオリティを肌で知る選手が加わった。さらに外国籍選手も十分に計算の立つ選手を獲得。DFガブリエウとFWカプリーニは昨季横浜FCのJ1昇格に貢献しており、J2での実績は文句なし。コンディションさえ整えば一定以上の活躍は間違いないだろう。


大宮と同じく昇格チームのカターレ富山から獲得したDF安光将作も注目の1人。昨季の富山で8得点を挙げた攻撃力が魅力で、自身初のJ2でブレイクなるか。すべてが噛み合えば、J2を1年で通過し2017年以来のJ1復帰も夢ではない。


FC今治 サポーター 写真:Getty Images

FC今治


外国籍選手に注目


クラブ史上初のJ2昇格を達成したFC今治は、大宮と異なりさらなる変革を求めた。まず服部年宏監督が退任となり、V・ファーレン長崎のヘッドコーチを務めていた倉石圭二氏が新監督に就任。倉石氏は当時JFL(日本フットボールリーグ)だったテゲバジャーロ宮崎の監督を務めJ3参入へ導き、その後は宮崎のヘッドコーチや横浜FCのコーチ、長崎のコーチ・ヘッドコーチを歴任。2023年1月にS級コーチライセンスを取得しており、今回初めてJクラブの指揮を執ることとなった。


選手補強のプランは、J3を中心として各クラブの主力だった選手やJ1からの期限付き移籍、そして外国籍選手の獲得だ。前線の目玉はFC岐阜から獲得したFW藤岡浩介。昨季はキャリアハイとなる19得点を記録し、2022年から今治に所属するFWマルクス・ヴィニシウスと並んで得点王を獲得した。J3得点王2人を擁す攻撃陣がJ2でも得点を重ねられるのか、もしくはカテゴリーの変化に伴い得点減となるのかが順位を大きく左右しそうだ。


また、GKにも確かな実力者を確保。昨シーズンいわきFCの守護神だったGK立川小太郎を完全移籍で獲得した。昨季の今治は38試合で38失点とJ3から昇格した3クラブでは最も失点が多かったが、立川は昨季のJ2で4位タイとなる13試合でクリーンシートを達成しており、GKセランテスが抜けたものの穴とはならないだろう。


J1からの獲得はともにFC東京から。DF大森理生とMF梶浦勇輝を期限付きで獲得した。梶浦は今治1年目ながら副キャプテンの1人でもあり、昨季いわきでレギュラーだった大森と合わせチームの中心となる可能性は高い。さらに、外国籍選手にも注目だ。昨季19得点のFWヴィニシウスと、夏場に加入して6得点を記録したFWウェズレイ・タンキが健在。さらにブラジル人のDFダニーロとMFヴィニシウス・ディニス、韓国人のDFイ・ヨンジュンを獲得した。新加入の外国籍3選手はいずれもJリーグでのプレー経験がないものの、これまで多くの外国籍選手を“当ててきた”今治。今回の選手たちにも期待が高まる。




カターレ富山 写真:Getty Images

カターレ富山


まずはJ2残留が目標か


昨季のJ2昇格プレーオフ決勝では松本山雅相手に土壇場で追い付き、J2の最後の切符を掴み取ったカターレ富山。左サイドバックながら8得点を記録したDF安光を大宮に引き抜かれ、1トップをFW碓井聖生と争ったFWマテウス・レイリアがヴァンフォーレ甲府に移籍したのは痛手だが、多くの主力を維持することに成功した。


そのうえで、派手さはないものの堅実に選手層の積み上げに着手している。前線には愛媛FCで3シーズン24得点を挙げたFW松田力と、宮崎で8得点とブレイクしたFW武颯を獲得。左サイドバックにはJ1の湘南ベルマーレから期限付き移籍でDF吉田新、アスルクラロ沼津(J3)の主力だったDF濱託巳を獲得した。


センターバックにもザスパ群馬からDF酒井崇一を加えており、スカッド全体の厚みは確実に増した。ただ、J2では下位グループの予算規模であり現実的にはJ2残留が当面の目標となるだろう。決死の思いで掴んだJ2への切符を再び手放すことのないよう、一戦一戦を大事に戦うことが求められる。

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