WBC優勝戦士・岩村明憲氏がヤクルト・中村悠平に語った『バックアップメンバー』の大きな役割
2023年2月7日(火)18時17分 ココカラネクスト

写真:岩村氏提供
現役時代、東京ヤクルトスワローズや東北楽天イーグルス、メジャーリーグ・タンパベイレイズなどで活躍し、現在は独立リーグの福島レッドホープスで球団社長兼監督として活動する岩村明憲氏が、春季キャンプ中のヤクルト・中村悠平捕手(32)の元を訪れ、3月に開催されるWBCに向けて、自身の経験から国際大会のキーポイントを伝えた。中村が「岩村さんに話を聞けて気持ちが楽になりました」と笑顔を見せた話の内容とは、どんなものだったのか。岩村氏に話を聞いた。
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今回のWBCはメジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手(36)や大谷翔平投手(28)の参加や、国内からも2年連続投手5冠の山本由伸投手(24)や、最年少三冠王の村上宗隆内野手(23)の出場が発表されるなど、国内外で大きな注目を集めている。そんなメンバーにヤクルトのリーグ2連覇を支えた中村も招集されている。チームでは中心として支えてきたものの、WBCの舞台は初。そんな扇の要となる選手に、2006年、2009年のWBCで優勝経験を持つ岩村氏が、世界一奪還のために必要な考え方を語った。
「ピッチャーとのコミュニケーションをとる事が大切。もちろん(配球に)困ったら、原点に返って外角低めの真っ直ぐもある。でも日本代表の選手だから、その球だけじゃないという選択肢もある。それぞれのカウント球も勝負球もあるから、そこをうまく使って引き出してあげる」
普段バッテリーを組まない他球団の投手たちとどれだけコミュニケーションをとって、信頼し合えるかが大事だと語る。WBCの舞台では一瞬の迷いや、お互いに対する不安がある状態では通用しない相手がでてくる。即席バッテリーな分、信頼関係の構築がキーになるという。
さらに続けて、「誰がレギュラーで出ても、『日本のキャッチャーはみんなで守ろうぜ』という意識。キャッチャーは同じ選手が毎試合出るわけじゃないから、必ずチャンスは来る。今日の試合頼んだぞと頼まれる日も来る。その時に自分がしっかりして行く。それが重なって、1試合ずつ勝っていったら初めて世界一が見えてくる」と、試合に出ていないバックアップメンバーがどれだけ気持ちを切らさず臨めるかが大切だとも語った。
代表チームでのキャッチャーというポジションは、投手によって出場する選手が変わってくる。だからこそ、試合に出ていない時のまとまりが重要なのだ。2009年大会を振り返った岩村氏は、「俺らの時も言ってたのは、『俺らみんなで守ろうぜ』。ヤス(片岡治大)とか、ムネ(川崎宗則)とかはチームでバリバリのレギュラーだったのに、代表ではバックアップメンバーだった。だから、そのモチベーションを保つためにも全体を持ち上げる。キャッチャーの中でもそうやって行ってほしい。チームワークが一番大事だから」という。
日本代表に選ばれる選手たちは、それぞれのチームで中心選手として活躍するスター揃いだ。日の丸を背負って、世界一に貢献したいという思いは全員が持っているからこそ、試合に出られないことがストレスになることもあるだろう。そこで力を発揮してほしいのが、中村の「リーダーシップ」と「支える力」だと岩村氏は語りかけ、チームワークという日本の大きな強みを活かしてほしいと願った。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]