完成度は早くも「85点」に達したaprのLC500h。予想どおりの“セクター2番長”も「得意を伸ばしていく」

2023年2月8日(水)11時24分 AUTOSPORT web

 静岡県の富士スピードウェイで2月7日から始まったGTエントラント協会主催のGT300専有走行。15台の車両が参加するなか、2023年デビューの新型車両として周囲からの注目を集めていたのが、aprが走らせるレクサスLC500h GTだ。


 1月の東京オートサロンで正式発表されたとおり、これまでのプリウスPHVをベースにした車両に代わり、aprは2023年GT300規則に準拠した新造マシンとしてこのLC500hを仕立てた。発表会では、ロングホイールベース、前後重量配分50対50、風洞試験により突き詰められた空力性能などが特色として提示されていたが、走行を重ねるなかで『実際のキャラクター』が見えてきたようだ。


 LC500hは12月末に富士でシェイクダウン。その後、東京オートサロンでの正式発表・展示を挟み、翌週にはブリヂストン主催のタイヤメーカーテストで富士を2日間走行した。2月7〜8日のGTE専有走行は、彼らにとって3度目の走行機会となった。


 7日の走行を終えた段階でaprの金曽裕人代表は「どのレンジのタイヤが合うのか、探している最中」と現状を説明した。プリウスに比べ車格が大きくなったことで、タイヤへの要求も異なるものになってきているのだという。


「あと、プリウスとはまったくクルマの動きが違うので、バネレートの部分も適合作業中ですね。ポストリグにもかけて『この辺が“当たり”じゃないか』などとやってはきたのですが、それを実走で確認しているところです」


 富士スピードウェイしか走っていない状況ではあるものの、事前に予想していたとおりのキャラクターを示しているという。すなわち「高速コーナーは速いけど、第3セクターはおっそい」(金曽代表)。


 ステアリングを握る嵯峨宏紀も「見た目の想像どおりで、簡単に言えば“セク2番長”。第3セクターに入ると、やっぱりホイールベースの長さもあってか、旋回性能の面はちょっとディスアドバンテージがあると思う」とコメント。「ダウンフォースが効いているコーナーはいいけど、ダウンフォースがないスピード域では、足回りも含めてまだちょっと課題があるかな、という感じ」だという。


 富士スピードウェイの第2セクターは、コカ・コーラコーナー、グリーンファイト100R、そしてヘアピン形状のアドバンコーナーを挟んで300Rと、空力が“効く”高速コーナーが連続する区間である。

つづら折りで登る富士スピードウェイの第3セクターを走るapr LC500 GT


 ただし富士の第3セクターの件については織り込み済みで、「そこはネガではなく、“そういうもの”。逆にポジ、得意なところをしっかり伸ばしていく方向で考えたい」と金曽代表。ターゲットはやはり鈴鹿サーキット、スポーツランドSUGOといった空力の効くサーキットということになる。


「もちろん高速区間で速くても、オーバーテイクは難しいですからね。『100R、速いだろ!』と胸を張ったところで抜けないのであれば、自己満足に近いものではあるかもしれませんが……」と金曽代表は苦悩も滲ませるが、それもGT300車両ならではの個性のひとつと言えるだろう。


 近年、GRスープラ、GR86とGT300車両の設計・製作に携わってきたaprということもあり、現時点でのLC500h GTの完成度を尋ねると「85点くらいは行っていると思う」と金曽代表。


 試行錯誤しているタイヤスペックやバネレートなどと合わせ、システムとしてはプリウスからキャリーオーバーしたハイブリッドの部分でも、車体が変わったことによる合わせ込みはまだまだ必要な状況だというが、ベースの“骨格”はだいぶ仕上がってきているようだ。


 なお、LC500h以外の既存のGT300規則車両も、フロアの空力など2023年規定に合わせるため順次アップデートを進めている状況のようだが、今回の富士専有走行では100%合致していない車両もあったようだ(※2023年GT300規定については、オートスポーツNo.1581で詳解)。


 GT500で空力開発等が凍結される一方で、GT300では開幕前から“静かな”開発競争が行われているとも言える。残りわずかな時間でGT300規定車両の各陣営がどんな合わせ込みを見せるのか。そしてその成否によって勢力図は変わるのか。開幕に向けた注目点となりそうだ。

31号車のドライバーを務める小高一斗と話す金曽裕人apr代表(左)

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