【J2リーグ2025】冬の移籍により戦力ダウンが心配なクラブ6選

2025年2月8日(土)18時30分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

2月15日に開幕を迎える2025明治安田J2リーグ。昨季の順位によりJ1から降格となったジュビロ磐田、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖に加え、J3からRB大宮アルディージャがJ2復帰となったことでJ1経験のあるクラブが半数以上となり、どのクラブにとっても過酷なリーグ戦となることが予想される。


そんな厳しいシーズンに向け、各クラブの補強が注目された今冬。特に昨季惜しくも昇格を逃した上位勢を中心に、積極的な戦力アップを図る動きが見られた。その一方で、昨季チームとしての飛躍や選手個人への評価、あるいはチームが降格となった影響などもあって主力選手が複数他クラブへ移籍してしまったクラブも少なくない。ここでは、そんな今冬の移籍によって戦力ダウンが心配されるクラブを6つランキング形式で紹介していく。




大森理生(FC東京所属時)写真:Getty Images

6位:いわきFC


主なOUT選手



  • GK立川小太郎(FC今治へ完全移籍)

  • DF大森理生(FC今治へ期限付き移籍)※昨季はFC東京より期限付きで加入

  • MF西川潤(サガン鳥栖へ期限付き移籍)※昨季はセレッソ大阪より期限付きで加入

  • FW有馬幸太郎(大分トリニータへ完全移籍)


主なIN選手



  • DF木吹翔太(サンフレッチェ広島より期限付き移籍)

  • MF石渡ネルソン(セレッソ大阪より期限付き移籍)

  • MF鵜木郁哉(柏レイソルより期限付き移籍)


J2初挑戦となった2023シーズンは18位に終わったいわきFC。昨冬は、J2昇格に大きく貢献したDF家泉怜依やMF宮本英治ら主力の多くを失いながらも、いざシーズンが始まると終盤までJ1昇格プレーオフ圏争いを演じる健闘ぶりを見せ、確かな手応えを得て9位でシーズンを終えた。そして、リーグ戦終了後には昨季のチームトップスコアラーでありリーグ全体でも2位タイとなる18ゴールをマークしたFW谷村海那の契約更新が発表され、昨冬のような戦力流出は起こらないと期待したファンやサポーターも多くいたことだろう。


しかし残念ながら少なからず主力の移籍は発生している。守備陣では、昨季正GKを務めたGK立川小太郎と、FC東京から期限付きで加入し35試合に出場したDF大森理生の2名がJ2昇格を果たしたFC今治へ移籍。守備の要が活躍の場を他クラブへ移した。また、中盤では高い技術で攻撃にアクセントをつけていたMF西川潤が、前線では10ゴールを挙げたFW有馬幸太郎がそれぞれ移籍している。一方の新戦力では、昨季同様他クラブから期限付きで加わる若手が多く未知数な要素も多いのが現状だ。


元々が期限付き加入であった選手もいるとはいえ、ライバルとなる同カテゴリーのクラブへ主力が移籍してしまい、かつ十分な補強が叶わなかったことから戦力ダウンが心配なクラブ6位とした。




レノファ山口 写真:Getty Images

5位:レノファ山口


主なOUT選手



  • GK関憲太郎(引退)

  • DF新保海鈴(横浜FCへ完全移籍)

  • DF前貴之(ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍)

  • DFヘナン(鹿児島ユナイテッドへ完全移籍)

  • MF相田勇樹(ジュビロ磐田へ完全移籍)

  • MF吉岡雅和(ブラウブリッツ秋田へ完全移籍)

  • FW若月大和(アルビレックス新潟へ完全移籍)


主なIN選手



  • DF岡庭愁人(FC東京より期限付き移籍)

  • DF亀川諒史(アビスパ福岡より完全移籍)

  • MF成岡輝瑠(清水エスパルスより完全移籍)

  • FW有田稜(モンテディオ山形より期限付き移籍)

  • FW古川大悟(FC大阪より完全移籍)


2023シーズンの20位から一転、昨季は志垣良新監督のもとシーズン終盤までJ1昇格プレーオフ圏争いを演じるなど躍進したレノファ山口。結果的にプレーオフ進出とはならなかったものの、大いに手ごたえを掴んだシーズンだったことは間違いない。


しかし、ダークホースとして存在感を見せつけた反動からか今冬は戦力を多く失うこととなっている。特に今季に向けて懸念されるのが守備陣の状況。守護神のGK関憲太郎が引退し、さらにセンターバックではDFヘナンが移籍。加えてサイドでも、昨冬に武者修行から帰還したDF新保海鈴と守備的ポジションを複数こなせるDF前貴之が流出と今季はほぼ1からの再構築が求められる陣容となった。また、中盤から前のポジションでもMF吉岡雅和やMF相田勇樹、FW若月大和など主軸を担った選手がチームを離れている。もちろん、彼らの抜けた穴を埋めるべく補強も積極的に行われている。


課題となるであろう守備陣の新戦力ではサイドにDF岡庭愁人やDF亀川諒史を加え、得点源になり得る選手としてはFW古川大悟やFW有田稜といった選手を獲得。また、中盤で技術を見せられるMF成岡輝瑠が戻ってきたこともプラス要素として見られるだろう。


しかし、昨季の飛躍を成し遂げたメンバーの大半を失ったことによる懸念は拭いきれない。期待の新加入選手も多いが、チームへのフィット感など不確定要素も多いチームとなったことから戦力ダウンが心配なクラブ5位とした。




大分トリニータ 写真:Getty Images

4位:大分トリニータ


主なOUT選手



  • DF安藤智哉(アビスパ福岡へ完全移籍)

  • MF弓場将輝(清水エスパルスへ完全移籍)

  • MF保田堅心(KRCゲンクへ期限付き移籍)

  • FW長沢駿(京都サンガへ完全移籍)

  • FW渡邉新太(水戸ホーリーホックへ完全移籍)


主なIN選手



  • DF戸根一誓(鹿児島ユナイテッドより完全移籍)

  • MF清武弘嗣(セレッソ大阪より完全移籍)

  • MF天笠泰輝(ザスパ群馬より完全移籍)

  • FW有馬幸太郎(いわきFCより完全移籍)


昨季は3年ぶりに片野坂知宏氏が監督に復帰し、J1昇格に向けてスタートを切った大分トリニータ。しかし、序盤戦から勝ち点が伸び悩み5月以降の9戦未勝利などで順位を落として残留争いにも巻き込まれる難しいシーズンとなった。


失意のシーズンからの巻き返しを図るべく、リーグ戦終了後はすぐさま今季に向けて補強の発表がなされた。まずは、昨季いわきFCで38試合すべてに出場し10ゴールを挙げたFW有馬幸太郎の加入が発表されると、次いでセレッソ大阪より日本代表としても経験豊富なMF清武弘嗣の16年ぶりとなる大分帰還が発表された。その後もJ3降格となったクラブからDF戸根一誓にMF天笠泰輝と、それぞれクラブの中心を担っていた選手たちを獲得している。


しかし、その間あるいは以降に流出した選手たちの顔ぶれは、彼らの加入をかき消すほどのものだと言わざるを得ない。守備陣からは昨季37試合とほぼ全試合に出場したDF安藤智哉がJ1アビスパ福岡へ移籍。また、中盤ではMF弓場将輝やMF保田堅心といったクラブ期待の若手2名がそれぞれ流出した。さらに、最前線でも昨季のチームトップスコアラーFW長沢駿と彼に次ぐ5ゴールを挙げた渡邉新太が契約満了と得点源もチームを離れた。


新たにチームに加わった選手たちは、いずれも要となれる選手ばかり。しかし失った戦力はそれ以上に大きく、特に中盤の若手流出はクラブの将来にも多大な影響を及ぼしかねないことから戦力ダウンが心配なクラブ4位とした。


ロアッソ熊本 写真:Getty Images

3位:ロアッソ熊本


主なOUT選手



  • GK田代琉我(アルビレックス新潟へ完全移籍)

  • DF江﨑巧朗(ジュビロ磐田へ完全移籍)

  • FW石川大地(ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍)

  • FW唐山翔自(期限付き移籍期間満了に伴いガンバ大阪へ復帰)


主なIN選手



  • DF袴田裕太郎(東京ヴェルディより期限付き移籍)

  • FW塩浜遼(福島ユナイテッドより完全移籍)


直近の2シーズン、主力選手の相次ぐ流出に悩まされるロアッソ熊本。一昨年のMF河原創やFW髙橋利樹らの移籍に続き、昨冬はMF平川怜やMF島村拓弥といった主軸が流出。その影響もあってか、昨季は一時残留争いにも巻き込まれる苦しいシーズンを過ごした。


再び上位争いをと期待するファンやサポーターも多いだろうが、今冬も補強においては厳しい状況に置かれている。守備陣では、守護神のGK田代琉我がJ1アルビレックス新潟へ移籍。さらに、昨季38試合すべてに出場したセンターバックのDF江﨑巧朗は今季J1昇格候補の上位と目されるジュビロ磐田へ移籍と、重要な戦力が同カテゴリーへ流出している。攻撃陣でも昨季チームトップの10ゴールを挙げたFW石川大地がジェフユナイテッド千葉へ移籍しており、昨季の頼れる存在が一転脅威となる構図になっている。


一方、新戦力では多くのルーキーを迎えたほか昨季J3で3位となる16ゴールをマークしたFW塩浜遼やセットプレー時のターゲットとしても魅力のDF袴田裕太郎といった選手たちを獲得。注目すべき選手が複数加入したことは確かだ。しかし、流出を補うには不十分と言わざるを得ないことから戦力ダウンが心配なクラブ3位とした。




北海道コンサドーレ札幌 写真:Getty Images

2位:北海道コンサドーレ札幌


主なOUT選手



  • DF岡村大八(町田ゼルビアへ完全移籍)

  • MF浅野雄也(名古屋グランパスへ完全移籍)

  • MF駒井善成(横浜FCへ完全移籍)

  • FW菅大輝(サンフレッチェ広島へ完全移籍)

  • FW鈴木武蔵(横浜FCへ完全移籍)※昨季はガンバ大阪より期限付きで加入


主なIN選手



  • MF高嶺朋樹(KVコルトレイクより完全移籍)

  • FW中島大嘉(水戸ホーリーホックへの期限付き移籍より復帰)


2016シーズンにJ2優勝を果たしJ1へと返り咲いて以降、一度も降格することなくJ1に定着していた北海道コンサドーレ札幌。2018シーズンにはミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘しリーグ戦をクラブ最高となる4位で終えるなど躍進した。しかし、その後は二桁順位が続き昨季はDF田中駿汰ら主力流出の影響もあってか序盤戦から苦戦。最終19位で9年ぶりにJ2降格となった。


1年でのJ1復帰が求められる今季だが、この冬も主力の流出が複数発生している。シーズン終了を待たずして昨季限りでの契約満了が発表されたFW菅大輝やMF駒井善成に続き、シーズン終了後には守備の要であるDF岡村大八や2023シーズンに12ゴールを挙げる活躍で攻撃を牽引したMF浅野雄也が移籍。加えて、昨季期限付きで札幌へ帰ってきていたFW鈴木武蔵もチームを離れることとなっている。大幅な戦力ダウンが危惧される中で希望と呼べるのがMF高嶺朋樹の帰還だ。2022シーズン終了後に柏レイソルへと移籍し、昨夏にはベルギーへ渡り海外経験も積んだ。J2降格で戦力的にも窮地に立たされた札幌にとって心強い選手が戻ってきたと言えよう。


昨季期限付きで他クラブへ出ていた選手も含め楽しみな選手たちがチームへ帰還したが、流出した選手たちの穴を埋めたとは言い難いことから戦力ダウンが心配なクラブ2位とした。一方で、MF近藤友喜やDF馬場晴也ら成長著しい選手たちがチームに残留したことからJ2を戦えるだけの戦力は有していると言える。手痛い選手の移籍という逆境を跳ね返し、J2で上位争いに食い込めるか注目だ。




サガン鳥栖 写真:Getty Images

1位:サガン鳥栖


主なOUT選手



  • GK朴一圭(横浜F・マリノスへ完全移籍)

  • DF山﨑浩介(横浜FCへ完全移籍)

  • DF原田亘(柏レイソルへ完全移籍)

  • DFキム・テヒョン(鹿島アントラーズへ完全移籍)

  • DF木村誠二(期限付き移籍期間満了に伴いFC東京へ復帰)

  • MF藤田直之(引退)

  • MF中原輝(清水エスパルスへ期限付き移籍)

  • MF福田晃斗(契約解除)

  • FWマルセロ・ヒアン(FC東京へ期限付き移籍)

  • FW富樫敬真(アトランタ・ユナイテッドへ完全移籍)


主なIN選手



  • GK泉森涼太(鹿児島ユナイテッドより完全移籍)

  • GKヤン・ハンビン(セレッソ大阪より完全移籍)

  • DF長澤シヴァタファリ(水戸ホーリーホックへの期限付き移籍より復帰)

  • DF小川大空(愛媛FCより完全移籍)

  • DF森下怜哉(愛媛FCより完全移籍)

  • MF新井晴樹(水戸ホーリーホックより完全移籍)

  • MF西澤健太(清水エスパルスより完全移籍)

  • MF西川潤(セレッソ大阪より期限付き移籍)


昨季のJ1リーグを最下位で終え、2012シーズンから13シーズン守り抜いたJ1の座から陥落したサガン鳥栖。昨季は序盤から勝ち点の積み上げに苦しみ、さらに夏には中心選手たちが相次いで他クラブへ移籍した。8月には監督交代に踏み切るもチームの好転にはつながらず、第34節が終了した時点でJ2降格が決定していた。


今冬、降格をしたとはいえ再びJ1へ返り咲くためにも夏に失った戦力をどこまで補填できるか注目だったが、残念ながら主力流出の流れは続いている。なかでも大きな痛手と言えるのが守備陣の移籍だ。まず、5シーズンにわたって鳥栖のゴールを守ってきた守護神のGK朴一圭が古巣でもある横浜F・マリノスへ移籍。高いセービング力と足元の技術を武器とし、昨季は開幕から2試合連続でPKストップを披露するなど圧巻のパフォーマンスを見せていたが、ここでチームを去ることとなった。次にセンターバックでは、DF山﨑浩介とDFキム・テヒョンがそれぞれJ1クラブへ移籍。加えて昨季期限付きで加入したパリ五輪代表のDF木村誠二も所属元のFC東京へ復帰と、昨季の主力が軒並みチームを去った。サイドバックの主力でもDF原田亘が移籍と後列はほぼ総入れ替えを余儀なくされている。


そのほかのポジションでも、中盤では昨夏期限付きで加入した選手たちがチームを離れMF中原輝も期限付きで移籍。前線では主軸となっていたFW富樫敬真が海外へ移籍し、得点源のFWマルセロ・ヒアンはFC東京へ期限付き移籍となった。ルーキーも含めもちろん期待の新戦力は複数いるが、抜けた戦力を考慮すると穴埋めを図れたとは言い難いことから戦力ダウンが心配なクラブ1位とした。

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