【J3リーグ2025】冬の補強により戦力アップに成功したクラブ3選
2025年2月10日(月)18時30分 FOOTBALL TRIBE

2月15日に開幕を迎える2025明治安田J3リーグ。昨季は1年でのJ2復帰を目指した大宮アルディージャが開幕から圧巻の強さを見せて早々に昇格と優勝を決めるなか、J2昇格プレーオフをめぐる争いは大混戦となった。最終的に残る自動昇格圏にはFC今治が入って初昇格を決め、プレーオフにはカターレ富山、松本山雅、福島ユナイテッド、FC大阪の4クラブが進み、結果リーグ戦3位の富山が昇格を掴んだ。
今季J2から降格となりJ3を戦う栃木SC、鹿児島ユナイテッド、ザスパ群馬の3クラブは、この冬主力選手の多くが他クラブへ移籍しており戦力維持に苦戦。したがって今季J3は昨季以上に大混戦になることも十分考えられる。そんなリーグ戦において、これまでの勢力図に変化を与える可能性を持つのが今冬補強によって戦力の充実を図ったクラブだ。ここでは、この冬戦力アップに成功し躍進が期待されるクラブを3つランキング形式で紹介していく。

3位:SC相模原
主なIN選手
- DF河野諒祐(ファジアーノ岡山より完全移籍)
- DF中塩大貴(ザスパ群馬より完全移籍)
- DF常田克人(松本山雅より完全移籍)
- MF島川俊郎(台中FUTUROより完全移籍)
- MF高井和馬(松本山雅より完全移籍)
- FW加藤拓己(清水エスパルスより期限付き移籍)
主なOUT選手
- DF山下諒時(FC大阪へ完全移籍)
- MF橋本陸(FC大阪へ完全移籍)
- FW瀬沼優司(引退)
J3へ降格となって以降2シーズン続いた下位低迷から抜け出し、昨季は9位と一桁順位で終えたSC相模原。浮上の勢いに乗り、今季はさらなる飛躍を遂げるべく今冬は各ポジションに効果的な補強の動きを見せている。
昨季プレーオフ圏以上に入った上位勢と比較して得点力で大きく劣っていたが、2020シーズンのJ2レノファ山口での42試合11ゴールなど実績のあるFW高井和馬を獲得。また、2022シーズンにも清水エスパルスより期限付きで相模原へ加入し10試合で4ゴールを挙げたFW加藤拓己も復帰し、FW瀬沼優司の引退がありながらも火力アップの見込める補強が実現した。
また、昨季上位勢に負けず劣らずの失点の少なさを誇った守備陣には、直近5シーズン松本山雅の守備を支えたDF常田克人やJ3降格となったザスパ群馬よりDF中塩大貴を迎え、サイドには2022シーズンにファジアーノ岡山で36試合10アシストをマークしたDF河野諒祐も獲得し、攻守両方を睨んだ補強がなされた。
攻撃面での課題克服と守備面でのさらなる質の向上を目指し、近年のJ2やJ3で実績のある選手を複数獲得できたことから、戦力アップに成功したクラブ3位とした。

2位:カマタマーレ讃岐
主なIN選手
- DF附木雄也(アスルクラロ沼津より完全移籍)
- DF井林章(鹿児島ユナイテッドより完全移籍)
- DF宮市剛(いわてグルージャ盛岡より完全移籍)
- FW後藤優介(モンテディオ山形より完全移籍)
主なOUT選手
- DF深港壮一郎(ブラウブリッツ秋田へ期限付き移籍)※昨季は町田ゼルビアより期限付きで加入
- MF吉田源太郎(ジェフユナイテッド千葉へ完全移籍)
昨季開幕から12戦未勝利と大きく出遅れたカマタマーレ讃岐。その後、シーズン前半戦は勝ち点が伸び悩んだものの後半戦には第22節から5連勝を含む6戦無敗などで降格圏を脱し最終16位でシーズンを終えた。そして今冬の補強からは、新しいシーズンに向けてJ3へ降格して以降抜け出せずにいる下位から脱しようとする意気込みが感じられる。
特に顕著なのが守備陣の補強。昨季町田ゼルビアから期限付きで加入し、31試合と多くの出場機会を得ていたDF深港壮一郎はチームを離れたものの、新戦力には経験豊かな顔ぶれが並ぶ。J1での経験も豊富なDF井林章に、昨季アスルクラロ沼津の上位争いに貢献したDF附木雄也。さらにいわてグルージャ盛岡より185cmとサイズのあるDF宮市剛も加え、守備陣の強化を図った。そして、攻撃においてジェフユナイテッド千葉へ移籍したMF吉田源太郎に代わりゴールに直結する働きを期待されるのがFW後藤優介だ。昨季は、モンテディオ山形で途中出場が多いながらも24試合に出場。シーズン最終盤の9連勝には与えられたわずかな時間にゴールやアシストをマークして、チームのJ1昇格プレーオフ進出にも貢献した。
また、新加入選手ではないが昨季期限付きで加入し活躍したFW丹羽詩温が完全移籍へ、MF吉田陣平は期限付き期間を延長する形でそれぞれチームに残留。今季も引き続きゴールやアシストに期待できる戦力が残ったことも極めて大きい。
主力の流出を最小限に留めた上で、攻守ともに経験豊富なベテランを加えた讃岐。期限付きから結果を出した選手たちを残すことにも成功しており、マイナス要素も少ないことから戦力アップに成功したクラブ2位とした。

1位:FC岐阜
主なIN選手
- GKセランテス(FC今治より完全移籍)
- DF外山凌(徳島ヴォルティスより完全移籍)
- MF泉澤仁(RB大宮アルディージャより完全移籍)
- MF山田直輝(湘南ベルマーレより完全移籍)
- MF中村仁郎(ガンバ大阪より期限付き移籍)
- FW佐々木快(ヴァンラーレ八戸より完全移籍)
主なOUT選手
- FW藤岡浩介(FC今治へ完全移籍)
2年連続となる8位でシーズンを終えた昨季のFC岐阜。シーズンの前半戦では9戦未勝利という長いトンネルもあったが、反面終盤戦では7戦無敗で締めくくった。特に、ラスト5節では最終順位がプレーオフ圏以上の相手4クラブに対して2勝2分と手ごたえを掴んで終えられたことは十分に評価できる。
そんな岐阜だが、残念ながら昨季19ゴールを挙げてJ3得点王にも輝いたFW藤岡浩介が移籍。今季改めて上位を目指すためにも重要な戦力を失った。とはいえ、主力の流出は概ね藤岡のみに留めたと言っていい。その上で、新加入選手に目を向けると各ポジションに頼もしい顔が並ぶ。
まず、藤岡の抜けた前線には昨季ヴァンラーレ八戸で10ゴールを挙げたFW佐々木快を獲得。次に中盤にはドリブルが武器のMF泉澤仁と高い技術を誇るMF山田直輝というベテランに加え、昨季途中から松本山雅で活躍したMF中村仁郎も獲得し佐々木も含め得点源流出を感じさせない補強が叶った。そして鹿児島から加入のDF外山凌も、2022シーズンには松本で6ゴール5アシストを挙げている攻撃面も売りの選手。昨季J2では得点を挙げられなかったが、J3での頼もしさは間違いないと言える。
全体的に攻撃面での質の向上が見込める補強となった岐阜。エース流出は痛手だが、各ポジションに実力者を迎えられたことから戦力アップに成功したクラブ1位とした。