リオ五輪アジア最終予選に臨むベトナム女子代表。強豪相手に確かな足跡を残せるか

2月11日(木)10時30分 フットボールチャンネル

日本人指導者も強化に携わった東南アジアの強豪

 女子サッカーのリオデジャネイロ五輪アジア最終予選が2月29日(月)から3月9日(木)にかけて大阪府で行われる。今大会に東南アジアから唯一出場するチームがある。国内では、愛着を込めて「ゴールデンガールズ」と呼ばれているサッカーベトナム女子代表だ。

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 ベトナムは、東南アジア版オリンピックと称される東南アジア競技大会(SEA Games)で4度の優勝を誇る東南アジアの強豪。

 昨年は、日本サッカー協会(JFA)から派遣された乗松隆史監督のもと、リオ五輪アジア2次予選を戦い、タイやミャンマー、台湾などと死闘を繰り広げ、3勝1敗の成績で最終予選進出を決めた。

 代表メンバーは全員がベトナム女子リーグに所属する各クラブの選手たち。特に、国内2強であるハノイとホーチミン・シティ(HCMC)から多くのメンバーが選出されている。

 ベトナムの女子選手は、技術的に高いものを持っているものの、フィジカルや個人・チームの戦術面に難がある。プレースタイルとしては、伝統的に粘り強い守備からのカウンターを得意としている。

 代表チームの精神的支柱となっているのは、エースストライカーのグエン・ティ・ミン・グエット(30歳)、ディフェンスリーダーのグエン・ハイ・ホア(26歳)、守護神ダン・ティ・キエウ・チン(30歳)といったベテラン勢。

 この他の中心選手としては、若手の技巧派MFグエン・ティ・トゥエット・ズン(23歳)、点取り屋フイン・ニュー(24歳)などが挙げられる。特に、グエン・ティ・トゥエット・ズンは、昨年のAFF女選手権(東南アジア女子サッカー選手権)で、左右のCKから1試合2本の直接ゴールを決め、世界各国のメディアで紹介されて話題になった。

 チームを率いるのは、昨年末に契約満了で退任した乗松監督のあとを引き継いだマイ・ドゥック・チュン監督。過去に女子代表を率いてSEA Gamesで2度優勝、2014年の仁川アジア大会では、チームを初のベスト4に導いた。

 男子チームの指導者としても高い実績があり、昨年はベトナム1部Vリーグのベカメックス・ビンズオンのテクニカルディレクター(TD)を務めて、リーグとカップの2冠達成に貢献した。

アジアの列強相手にどのような戦いを見せるか

 ベトナム女子代表は、年明け早々にリオ五輪最終予選に向けた国内キャンプを開始。1月中旬に行った中国遠征では、中国、韓国、メキシコと強化試合を行い、3戦全敗を喫した。

 気がかりなのは、強みであるはずの守備陣の粘りが殆ど見られなかったこと。強豪メキシコを相手に0-1は評価できるとはいえ、同予選でも対戦する中国と韓国にそれぞれ、0-8、0-5という結果をみると、アジアの列強との差を感じずにはいられない。

 ベトナムはこの大会で、4-5-1のシステムを採用。マイ・ドゥック・チュン監督時代のベトナム女子代表は、堅守速攻をお家芸としていたため、リオ五輪最終予選でも同様の戦術で来ると見られる。

 昨年末に発表された最新のFIFA女子ランキングによると、ベトナムは世界29位につけている。東南アジアではトップだが、同予選で対戦するホームのなでしこジャパンは4位で、前回のロンドン五輪では銀メダルに輝いた世界屈指の強豪。

 この他の対戦相手を見ても、朝鮮民主主義人民共和国6位、オーストラリア9位、中国17位、韓国18位と、いずれも格上ばかりだ。

 ベトナムは、乗松監督時代に徹底したフィジカル強化を行っており、苦手な相手や強国を前に委縮するという精神的な脆さも徐々に克服しつつある。

 昨年のリオ五輪2次予選では、初戦黒星スタートという最悪のスタートから破竹の3連勝。最終戦では、重要な試合で幾度となくベトナムの前に立ちはだかってきた因縁の相手であるタイを打ち破って最終予選進出を決めた。

 最終予選に出場する6チームのうち、最も評価が低いベトナムだが、ベテラン勢にとって、アジアでの大舞台は今回が最後となる可能性が高い。

 ライバルのタイは昨年、一足早く女子ワールドカップ初出場を果たしているだけに、ベトナムにはこの最終予選出場を単なる経験に終わらせるのではなく、世界の舞台に飛躍するための確かな足跡を残す大会としてもらいたいものだ。

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