「アストンマーティンF1はトップを目指す」レーシングポイント代表が明言、市販車部門では技術協力も
2020年2月14日(金)7時0分 AUTOSPORT web
レーシングポイントのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーは、チームの共同オーナーであるローレンス・ストロールとアストンマーティンが、チームをF1の上位グループに加われるまでに変貌させたいという志を持っていると語った。
ストロールがこのチームを上位へと引き上げる計画は、ゆっくりとだが勢いを増している。2020年後半には新しいファクトリーが着工する予定で、完成すればスタッフに最新設備が提供されることになる。
ストロールが関与したアストンマーティンの財政再建とそれに続くレーシングポイントのワークス化は、チームの野心にさらなるエネルギーを注ぎ込んだようだ。
「これはアストンマーティンとF1にとって意義深い話だ」とサフナウアーは述べた。
「世界的スポーツカーのなかでも最も象徴的なブランドのひとつであるアストンマーティンは、F1のグリッドで存在感を示す必要があった。今回の措置によって、2021年からはアストンマーティンF1という名称のワークスチームが本格始動する」
「世界中のファンを喜ばせるニュースであり、イギリス最高級のラグジュアリースポーツカーメーカーとして広く知られているブランドにスポットライトを当てるものだ」
「そしてもちろん、現在465名いるシルバーストンの誠実で勤勉なスタッフにも熱いエネルギーを与えるだろう」
「チームは、これまで30年にわたってさまざまに名称を変えながら活動してきた。今こそマニュファクチャラーチームとして出発するときだ」
「ローレンスは先週スタッフたちと会って、アストンマーティンをF1の上位集団に入るようなチームにするという明確な目標を示した。彼ら全員が、モータースポーツの頂点に復活するマニュファクチャラーの一員になることを誇りに感じている」
■市販車部門では技術面での協力も可能に
レーシングポイントは2021年より『アストンマーティンF1チーム』という名称に変更する予定だ。またF1チームと高級スポーツカーメーカーの提携により、市販車の技術面でも協力できるようになるという。
「ワークスF1チームとなることで、アストンマーティンは多くの目的を達することになる。市販車部門には注目度の高いマーケティングプラットフォームを提供することが可能であり、それによって他のあらゆる事業領域においても商業的な訴求力を強化できる」
「さらに、F1プログラムと市販車との間で技術面の協業も可能だ。アストンマーティンが今後数年にわたって発売する製品にF1テクノロジーを浸透させることができる。特に、間近に迫ったミッドシップスポーツカー市場への参入において有効だろう」
「モーターレースの激しい競争環境は、さまざまな技術革新につながるだろうし、双方の技術交流の機会ができるという意味でも非常に興奮している」
チームが大きな変革へと向かっているものの、サフナウアーは2020年シーズンや目前に迫っている各種作業に集中することが重要だと主張した。
「当面の活動には直接的な影響はない。我々としては、2021年シーズン初めにブランドが変わるまでの間はレーシングポイントとして戦い続ける」
「それ以降は、シンプルに『アストンマーティンF1チーム』という名称で活動する。したがってレーシングポイントの名前は消滅することになる」
「マニュファクチャラーチームへと変貌を遂げるのはエキサイティングなことだ。我々は1年のなかでも最適な時期を選んでさまざまな変更作業を実施する。そのほとんどは水面下で行うものだ」
「今は2020年の主要な任務から目を離さないことが重要だ。つまり、『RP20』(2020年型マシン)で競争力を発揮する、ということだ」