1990年代当時から新車状態のまま埃を被った「インプレッサ」や「アルシオーネ」が並ぶ、忘れられたスバルのショールーム

2月15日(木)11時0分 日本版Autoblog



時折、月日の経過と共にすっかり忘れ去られていた、自動車販売店の話題や写真が明るみに出ることがある。時にはその店舗が営業を終了した場合もあり、また、何らかの理由で、その地域に政治的緊張が存在したためという場合もある。1970年台に生産されたトヨタ「J-tin」が未使用のまま店内に置かれていた、キプロスにあるトヨタの販売代理店が、これを好機と捉えた部品泥棒に荒らされたのはその一例だろう。数年前には、1997年に製造された150台のクライスラー「ネオン」がシンガポールへ出荷されたまま未使用の状態で置かれている写真が公開された。これまでの経緯はどうあれ、目まぐるしく変化する世の中で凍り付いたかのように、日常用のクルマが使用されることなく取り残されている姿を目にするのは、いつでも興味深いものだ。

それが、新品同様で未登録の初代スバル「インプレッサ」だとしたら? 『CarsAddiction.com』によると、地中海に浮かぶマルタ島のどこかに、1990年代に生産された複数台のインプレッサが、新車状態のまま今もショールームに並べられている、見捨てられたスバルの販売代理店があるという。塗装されていないバンパーとスチール製ホイールから判断すると、展示されている右ハンドル車は、間違いなく同車の廉価グレードで、恐らく最高出力90hpの1.6リッター水平対向4気筒エンジンを搭載する前輪駆動モデルと思われる。ほとんどが白一色で、家電製品のような外観だ。インプレッサのセダンやワゴンの側には、小型ハッチバックの「ジャスティ」や軽トラック「サンバー」の姿も見える。だが、ショールームの目玉は1980年代後半に生産された、いま見ても魅力的な4輪駆動のクーペ「XTターボ(アルシオーネ)」だろう。当初から注目を集めるためにそこに置かれていたのだろうが、ほとんど新車のまま残っているようだ。壁にはすっかり退色したスバルのポスターが張られており、ラリー参戦の情報や2代目「レガシィ」の写真もある。

他の全ての大衆車と同じように、かつて製造された初代インプレッサのほとんどが、四半世紀以上も使用されていれば、各部がへこんだり錆びたりしていることだろう。マルタ島の販売代理店にあるインプレッサに近い状態で保存されている個体は、他にありそうもない。販売代理店のオーナーが25年間も放置されていたこれらのクルマを売ろうと思ったら、経年劣化したゴムや油脂類を工場で交換し、洗浄とオーバーホールが必要になるだろう。だが、彼らがすぐにそうするとは思えない。

一見、忘れられ去られたように見えるこの販売代理店にどんな事情があるのか分からない。これらの写真を掲載した『CarsAddiction.com』によると、マルタ島に競合する別のスバル販売代理店ができたことで、この店舗は廃業に追いやられたようだ。1990年代当時は景気が停滞し、この「フジ」という名前を掲げるスバル・ディーラーも、経営が立ち行かなくなったのかもしれない。

関係者によると、店内の車両はタイヤにフラットスポットができないように定期的に動かしており、また、販売するための虚しい努力も続けているそうだ。これらのインプレッサが再び新車当時と同じくらいの価値に上がるまで、まだしばらく時間が掛かるに違いない。このショールームで唯一、今でもそれなりの価値が認められそうなのは白いXTターボくらいだろう。だが、もし地中海の島でバカンスを過ごす機会があれば、ぜひ一度訪れてみたい場所ではある。

By ANTTI KAUTONEN

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

日本版Autoblog

「インプレッサ」をもっと詳しく

「インプレッサ」のニュース

BIGLOBE
トップへ