関心高まる再起の道程 大谷翔平の二刀流を仏メディアが異例の特集「オオタニは球界の常識に囚われない」
2025年2月15日(土)11時0分 ココカラネクスト

投手としての再起に向けて準備を重ねる大谷。(C)Getty Images
野球界で「唯一無二」とされる挑戦にふたたび挑む偉才の価値に国際的な注目が集まっている。
来る3月18日に迎えるレギュラーシーズンの開幕に向け、MLB30球団がそれぞれキャンプイン。あらゆる選手のパフォーマンスに注目が集まる中で異彩を放っているのが、ドジャースの大谷翔平だ。
【動画】「あー、あー、あー」真美子さんも爆笑 大谷翔平が放ったまさかの発言シーン
今季の大谷はドジャース移籍後初となる“二刀流”に挑む。昨季は23年オフに執行した右肘側副靭帯への手術の影響によって打者に専念。「シーズン50本塁打・50盗塁」の偉業こそ成し遂げたが、投手としてはリハビリに時間を費やした。
昨年11月のワールドシリーズ第2戦で負った左肩亜脱臼に起因する左肩関節唇(しん)の修復手術によって復帰時期に遅れは出ているものの、シーズン中の登板は決定的。すでにデーブ・ロバーツ監督も「5月よりも早まるかもしれない」と意気込んでいる。
ふたたび二刀流でのフル稼働をはじめる大谷。そんな偉才の一挙手一投足の話題は、欧州でも小さくない注目を集めている。フランス・メディア『Le Crossover』は「ショウヘイ・オオタニは世代を超えて受け継がれる才能の持ち主だ。到底不可能と考えられた結果を生み出せるのは、彼ただ一人だ」と強調した。
同メディアは二刀流について「20世紀の初頭にはベーブ・ルースという偉人がいたが、彼ですらキャリアの後半には打者だけになった。より専門性が求められる現代では、二刀流を続ける選手ほぼ存在しない」と指摘。その上で「しかし、オオタニは球界の常識に囚われない。攻守で貢献できる才能こそ彼の真価であり、特別な存在である理由だ」と論じた。
「二刀流とは日本で日本の刀を持つ侍を指す。一つは攻撃を司り、もう一つは防御のために使われる。それはまさにオオタニが目指す道だ。彼もかつては反対をされ、どちらか一方に絞る決断を迫られたが、彼は失敗のリスクを恐れなかった」
また、同メディアはエンゼルス移籍当時に米球界内で二刀流継続に対して懐疑論があったことを指摘。「オオタニは何かをする前から関係者たちから容赦のない批判を受けた。しかし、彼は覚悟を決め、決して諦めようとはしなかった」と本人の胆力こそ成功の秘訣と語り、次のように続けている。
「オオタニは多くの世代に影響を与えることで野球というスポーツを新たな次元へと引き上げ、一人で背負っている。そんな野球界のアイドルは、日本だけでなく世界の次世代にも計り知れないインスピレーションを与えている」
二刀流としての再起は、さまざまなドラマに彩られてきた大谷のキャリアの中でも、ターニングポイントになりえる。それだけに復活に向けた道程に世界中の熱視線が注がれている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]