WRC第2戦スウェーデン:トヨタが2020年初優勝。エバンスが逃げ切りキャリア2勝目

2020年2月16日(日)21時19分 AUTOSPORT web

 2020年のWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンは2月16日、大会最終日を迎え、前日17.2秒のリードを築いていたエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切って、トヨタに2020年シーズン初優勝をもたらした。また総合3位にはカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)が入り、トヨタ2台が表彰台を獲得している。


 シリーズ第2戦のラリー・スウェーデンは北欧スウェーデンと隣国ノルウェーを舞台に争われるフルスノーイベント。本来であれば一面の銀世界で争われる1戦だが、2020年大会は暖冬の影響でほとんど雪がないようなコンディションでの開催となった。


 この雪不足により、大会はスタート1週間前に大幅な走行スケジュールの変更が行われた上、開幕直前と最終日前日にもステージキャンセルがあり、最終的に当初の予定より10SS少ない全9SSで争われている。


 最終日についても当初2SSの走行が予定されていたが、気象条件や道路保護などの観点から1SSの走行がキャンセルされ、最終ステージのSS18のみが行われた。


 2020年にトヨタへ移籍したエバンスは、競技走行初日となった14日のSS2で総合首位に立つと、その後は一度もポジションを譲らずにラリーを支配。ここまで行われてきた8SS中5SSを制する圧倒ぶりで最終日を迎えた。


 大会最終日の16日は気温7度、雨が降るウエットコンディションでの争いとなるなか、エバンスは21.19kmの最終ステージで11分4秒2のタイムを記録。最終的なリードを12.7秒として2020年シーズン初優勝を飾った。


 エバンスにとっては2017年ラリーGB以来のキャリア通算2勝目、トヨタにとっては2020年シーズン初優勝で、2017年のシリーズ復帰以来通算14勝目、2019年に続く2年連続のラリー・スウェーデン制覇となった。


 総合2位はオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得。前日、セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)とロバンペラが0.5秒差だった総合3位争いは、SS18で10分55秒1を刻んだ弱冠19歳のロバンペラに軍配が上がり、WRC最上位クラス参戦2戦目で初の表彰台を獲得した。


 ロバンペラのタイムはSS18最速で自身初のWRCステージ優勝も達成。このSS18はステージ上位5名にチャンピオンシップボーナスが与えられるパワーステージで、フルボーナス5ポイントも獲得している。


 総合4位はオジエ、総合5位はエサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)、総合6位はティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)だった。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの一環で今大会に参戦している勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は総合9位でフィニッシュし、2戦連続でポイントを獲得した。


 ドライバーたちの走りをサービスパークで見守っていたTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、トミ・マキネンは「彼らは歴史を作った」とエバンスの優勝を称賛した。


「イギリス人として初めてラリー・スウェーデンを制したんだ。歴史に名を刻んでみせたんだ。カッレも素晴らしかった。彼がSS18を走ったのは今年が初めてだったのに飛ぶような速さだったよ」


 ドライバーズランキングでは優勝したエバンスが42ポイント、総合6位+パワーステージ2位だったヌービルが42ポイントで同点となったが、今季の表彰台獲得回数差でエバンスがランキングトップ、ヌービルがランキング2位となった。オジエが37ポイントでランキング3位、ロバンペラが30ポイントでランキング4位だ。


 マニュファクチャラーズランキングではトヨタが73ポイントでトップに浮上、63ポイントでヒュンダイ、40ポイントでMスポーツ・フォードとなっている。


 2020年のWRC第3戦は3月12〜15日に南米メキシコを舞台に行われるラリー・メキシコ。今シーズン初のグラベル(未舗装路)イベントであり、高い標高と気温がマシンやドライバーを襲う過酷な1戦だ。


AUTOSPORT web

「トヨタ」をもっと詳しく

「トヨタ」のニュース

「トヨタ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ