2019/20フォーミュラE第4戦:ジャガーのエバンスが完勝。ニッサンのブエミが3位表彰台を獲得
2020年2月17日(月)11時49分 AUTOSPORT web
メキシコの首都、メキシコシティで2019/20ABBフォーミュラE選手権の第4戦が行われた。レースは予選2番手からスタートしたミッチ・エバンス(パナソニック・ジャガー・レーシング)が優勝した。
ニッサン・e.ダムス勢はセバスチャン・ブエミが3位表彰台を獲得、チームメイトのオリバー・ローランドも7位入賞を果たした。
第4戦のポールポジションを決めるスーパーポールに進出したのは、ミッチ・エバンス(パナソニック・ジャガー・レーシング)、ニック・デ・フリース(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)、アンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ)、パスカル・ウェーレイン(マヒンドラ・レーシング)、セバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)、サム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)の6人。
ニッサン・e.ダムスのブエミもスーパーポールに進出し、フロントロウ獲得も期待されたが5番手タイムに終わった。予選アタックを決めたのは、日本でもおなじみロッテラー。自身2度目、参戦初年度のポルシェにとっては初のポールポジション獲得となった。
F1も開催されているエルマノス・ロドリゲス・サーキットの観客スタンドは超満員となり、そんなスタンドから大歓声がドライバーたちに送られるなか、45分+1周の決勝レースが幕を開けた。
ホールショットを決めたのは2番手スタートのエバンス。エバンスは1コーナーでロッテラーと軽く接触しながらも、オーバーテイクし首位に立つ。
ロッテラーは接触の影響でわずかにコースアウト、4番手まで後退してしまう。2番手まで浮上したのはデ・フリースだが、2周目にブエミがデ・フリースのインに飛び込みオーバーテイク、変わって2番手に上がる。
3周目、ニコ・ミューラー(ジェオックス・ドラゴン)が1コーナーで姿勢を乱し、単独クラッシュを喫してしまう。このアクシデントによりセーフティカーが導入。
ミューラーの車両が回収されレースは5周目から再開。再スタートでは各車クリーンな出だしをみせる。
しかし、優勝の期待がかかるロッテラーのペースが上がらず6番手まで後退。後方ではフェリペ・マッサ(ベンチュリ・フォーミュラEチーム)のマシンが1コーナーでウォールにヒットしてしまい、左フロントを壊しストップ、リタイアとなってしまう。
10周目、5番手争いを繰り広げるデ・フリースとロッテラーが接触。ロッテラーは右フロントフェンダーを破損してしまい、オレンジボールが提示されピットイン。これで優勝戦線からは完全に脱落となってしまった。
首位を走行するエバンスは後続を引き離しながら順調にレースを進めていく。2番手走行のブエミはペースが上がらず、アタックモードを使用するバードの先行を許してしまった。
レース残り22分、トップはエバンス、2番手バード、3番手ブエミというオーダーで変わらず。各車アタックモードを使用していくが、大きな順位変動は起こらずレースは進む。
18周目にアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチーター)が付与されたファンブーストを使用し、前を行くデ・フリースに1コーナーで追い抜きを仕掛ける。
ここではダ・コスタが一旦下がるが、ブロックしようとイン側によったデ・フリースがブレーキロック、コントロールを失ってしまう。そのまま曲がりきれずに、アウト側を走行していたロビン・フラインス(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)と接触してしまった。
デ・フリースはそのままコース外に直進、とばっちりを受けてしまったフラインスもコースアウトしてしまい順位を下げてしまった。
レース残り12分、3番手を走行するブエミにダ・コスタ、ジャン-エリック・ベルニュというDSテチーターの2台が接近してくる。ダ・コスタとベルニュはチームオーダーを出しながら互いに追い抜きを狙ってくるが、これは成功せず逆にブエミに逃げられてしまう形に。
レースは残り10分を切るが首位エバンス、2番手バード、3番手ブエミというトップ3は変わらず順調にレースを進めていく。
だがレース残り7分となる28周目、ブエミの背後にアタックモードを使用したダ・コスタが迫ってくる。ここでレース後半のエネルギーマネジメントに定評のあるDSテチーターのダ・コスタがブエミをオーバーテイクし3番手に浮上。
レース残り5分、ダ・コスタは2番手バードに急接近、バトルを繰り広げる。しかしバードが一瞬タイミングを誤りブレーキロック、そのままウォールへヒットしてしまいストップ。表彰台が見えていただけに悔しい結果となってしまった。
9番手からスタートしたダ・コスタはこのアクシデントで2番手に浮上。5秒前を走行する首位エバンスの追い上げを図る。
しかしエバンスは堅実な走りを見せてトップフィニッシュ。2位にダ・コスタ、3位にニッサンのブエミという結果になった。
ニッサン・e.ダムスは今シーズン初ポイントを3位表彰台という形で獲得。チームメイトのオリバー・ローランドも7位に入賞し、ニッサンはダブル入賞を果たした。
なおレース終了後、9位フィニッシュのジェームス・カラド(パナソニック・ジャガー・レーシング)と12位フィニッシュのフラインスに失格処分が下されている。
そしてフォーミュラEのサポートレースである『ジャガーIペース eトロフィー』に今戦より参戦している青木拓磨は、予選11番手から追い上げを見せ総合5位、クラス3位フィニッシュという結果で、eトロフィー初レースを表彰台で飾った。
フォーミュラEの次戦は、2月29日にモロッコのマラケシュで第5戦が行われる。