タイトル防衛と奪還を目指す、トヨタの戦いがいよいよ開幕「2025年もGR010をさらに強くしたい」
2025年2月17日(月)20時43分 AUTOSPORT web

2024年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタ・ガズー・レーシングは今月末、中東のカタールで行われるWEC世界耐久選手権第1戦『カタール1812km』で2025年シーズンの戦いを開始する。
引き続きWECのトップカテゴリーであるハイパーカークラスに参戦するトヨタチームは、7号車と8号車の2台体制でマニュファクチャラーズタイトルの防衛とドライバーズチャンピオンの奪還、およびル・マン24時間レースでの6度目の総合優勝を目指す。
ポルシェ、フェラーリ、アルピーヌ、BMW、プジョー、キャデラックと、今季から新たに加わるアストンマーティンのハイパーカーを相手に伝統のル・マン含む8大会を戦っていくトヨタGR010ハイブリッドは、基本的に前年の仕様が踏襲され、大幅な変更を受けずに5年目のシーズンへ臨むこととなる。
なお、見た目ではサイドポッドのLEDパネルが新しいポイントとなっている。これは新シーズンに向けて新たに装着が義務付けられたもので、順位が数字で表されるほかピットストップタイミングなどが表示され、サーキットの内外で観戦するファンがよりレースの状況を把握しやすく、楽めるようにするものだ。
マシンと同様に、トヨタチームはドライバーラインアップも2024年シーズンから引き継いでいる。7号車はマイク・コンウェイとニック・デ・フリース、チーム代表を兼務する小林可夢偉のトリオが2年目のシーズンへ。姉妹車の8号車はセバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレーに4年目の平川亮を加えた3名で継続参戦し、同トリオで3度目となるドライバーズタイトル獲得を目指す。
冒頭のとおり2025年シーズンの開幕戦は2月28日に決勝が行われるカタール1812kmだが、WECではこの1週間前に恒例の公式テスト“プロローグ”が、第1戦の舞台であるルサイル・インターナショナル・サーキットで実施される。今季のプロローグ・テストは2月21日金曜と22日土曜の2日間で、各日7時間の走行セッションが予定されている。レースウイークは26日水曜に始まり、翌27日木曜が予選日に。10時間にわたる決勝レースは28日金曜の14時(日本時間20時)にスタートが切られる予定だ。
■TGRドライバーコメント
●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「6年連続でのマニュファクチャラーズタイトルを獲得し、もちろん今年の目標は7連覇です。2024年はドライバーズタイトルを獲得できなかったので、両タイトルの獲得を狙いますが、簡単にはいかないでしょう。新たなマニュファクチャラーとしてアストンマーティンが加わるとともに、他のマニュファクチャラーもさらに強くなって、さらなる経験を積んで戻ってくるでしょうし、これまでにないほど競争の厳しいシーズンになると思われます」
「ディフェンディングチャンピオンとは言え、我々にアドバンテージはありませんし、トップの座を維持するために、あらゆる面を改善すべく自分自身にも挑戦しなくてはならないでしょう。レース毎にクルマのセットアップをさらに向上させ、つねに戦い続けるためによりチームスピリットを示す必要があります」
「トヨタファミリーやパートナーの皆さまから多くのサポートを頂いており、毎年、我々は緊密さを増し、より強くなっていると感じています。今シーズンもGR010ハイブリッドをさらに強くしたいと思っていますし、それこそが『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』に貢献することになるでしょう」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「新たなシーズンを迎えるのはいつもワクワクするし、また新しいシーズンが始まると気合いが入る。今年もチームとともに何が達成できるか楽しみにしているよ。今季の目標は明確で、その目標達成のために、あらゆる面で懸命な努力を続けている」
「昨年も良いシーズンだったが、まだ改良すべき点はあるので今季に向けて重点的に進めてきたことが、カタールでいよいよスタートするこの1年、我々はハイパーカーで何度も素晴らしいレースを戦ってきたし、今年はとくに新たなマニュファクチャラーが加わったことで、さらにエキサイティングなシーズンになりそうだ。新たなシーズンが始まるのが待ちきれないね」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「新シーズンのスタートはワクワクしているし、新たな機会がたくさんあるシーズンが楽しみだ。僕のTGRでのレーシングドライバー1年目は、とても楽しめたし、成功を収めることもできた。昨シーズン中は浮き沈みもあり、いろいろな感情を経験し、目標のいくつかはあと一歩のところで届かなかった」
「我々はすべてを勝ち取りたいと思っているが、残念ながら昨年、ル・マンでの勝利やドライバーズチャンピオンの獲得は叶わなかった。それだけにチームとして士気はとても高まっており、新たなチャンスに燃えている。同時に、競争はさらに激化しているので、つねにベストパフォーマンスを発揮して戦う必要があるんだ」
●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)
「新たなシーズンのスタートはとても興味深くエキサイティングだ。我々は昨年マニュファクチャラーズタイトルを獲得したが、もちろんさらなる成功を目指していく。チーム一丸となって、うまくいかなかったことなどを分析し、多くの領域で改良を進めて、これまで以上に強くなって戻ってくるために努力を続けてきた」
「昨年、カタールは我々にとってうまくいかなかったレースのひとつだったため、当然今年は昨年よりも良い結果を目指すよ。シーズンのスタートから、我々が上位で戦えるということを示したいと思う」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「このエキサイティングなシーズンの開幕をずっと楽しみにしてきた。ライバルたちも我々同様に、この冬の間も努力してきているだろうし、新たなマニュファクチャラーも参入してくるので、カタールでどうなるかわからないことはある」
「我々は開幕戦からその競争力を発揮したいと思ってるし、それは昨年、思いどおりに戦えなかったカタールで、昨年よりも良いパフォーマンスを発揮したいということでもある。尊敬すべきライバルたちとの、これから待ち受ける戦いへの準備はできているし、来るシーズンでは全力を尽くしてトップを目指すつもりだ」
●平川亮(8号車ドライバー)
「ライバルたちも多くの努力でさらに強くなってくるでしょうから、とてもチャレンジングなシーズンになるでしょう。しかし、我々もチーム一丸となって努力を重ねてきました。我々はWECで経験豊富なとても良いチームだと信じていますし、強さを発揮できると確信しています」
「カタールは10時間という長いレースになります。通常の6時間レースよりも多くのポイントが得られるため、タイトル争いにおいても非常に重要で、とても激しいバトルになるでしょう。カタールは他とはかなり異なるサーキットです。路面は非常にフラットかつスムーズで、高速コーナーでもタイヤ摩耗は小さいです。それは10時間激しくプッシュを続けられるということを意味し、ドライバーにとってチャレンジングであると同時に、とても楽しいコースでもあります」
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