虎の育成右腕が衝撃デビュー、実戦初登板でいきなり158kmの火の玉ストレートを披露
2025年2月17日(月)16時50分 ココカラネクスト

工藤の剛腕に球場もどよめいた(C)産経新聞社
プロ野球のキャンプは実戦段階へ移り、各地で練習試合が盛んに行われている。5球団が1位指名で競合した楽天の宗山塁や、ロッテのドラフト1位・西川史礁ら、大卒の即戦力ルーキーが話題を呼んでいるが、異色の経歴を持つ新人が2月16日、阪神のキャンプ地である沖縄・宜野座を沸かせた。
【関連記事】「持っているまっすぐは岩瀬よりすごい」藤川阪神に現れた支配下間近、左のロマン腕の"ごぼう抜き"を球界OBが予想 「出てくると大きい」
広島との練習試合の8回、この日6番手として登板したのは育成1位指名の工藤泰成。初球にいきなり度肝を抜いた。末包昇大から内角高めで空振りを奪った一球は、球場のスピードガンで156kmの表示。どよめきの中、右飛に打ち取った2球目はこの日最速158kmだった。
続く仲田侑仁には中前打されたが、二俣翔一は初球の155kmで遊飛。渡辺悠斗は154kmで中飛に仕留めた。わずか6球で1イニングを無失点で切り抜け、投げた直球は全て154km以上だった。
かつて火の玉ストレートと呼ばれた剛速球を武器に名クローザーとして君臨した藤川球児氏が新監督に就任した。その初年度に後継者候補が、育成選手から名乗りを上げた。昨年12月の新入団会見では「息の長い剛腕投手になって、チームに貢献したい」と掲げていた23歳。自己最速は159kmと明かしていたが、早くもそこにあと1kmと迫った。
掲げた看板に偽りがないことも証明した。秋田出身で地元の明桜高では甲子園出場はならず。東京国際大を経て、昨年は四国アイランドリーグplusの徳島でプレーし、中央球界では無名とも言える存在だった。
飛躍のきっかけは、見事な逆三角形の肉体を育て上げたウエートトレーニングにあったという。大学時代に筋トレに目覚め、体重とともに球速が劇的に速くなった。新入団会見で自慢の肉体美が強調されたユニホーム姿はファンの間で瞬く間に話題となり、新人合同自主トレ中もムキムキの上半身と、はちきれんばかりのタンクトップ姿が注目された。ベンチプレスの重量は140kgを誇る。
ドラフト1位の伊原陵人、同3位の木下里都らを押さえ、チームの新人投手一番乗りで実戦出場を果たし、いきなり衝撃を残した。常人離れしたシルエット、そして投げる球筋は、まさに投げる「ロマン枠」。虎の背番号127は、実戦を重ねるたびに注目を集めていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]