堂々初陣の佐々木麟太郎は「先駆者」 米アマでの挑戦に経済誌が異例の関心「日本のプロ野球界は対応しなければならない」
2025年2月17日(月)6時0分 ココカラネクスト
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米大学で順風満帆な生活を送っている佐々木。(C)Getty Images
日本のトッププロスペクトの打棒に熱視線が注がれた。現地時間2月15日、米スタンフォード大学の佐々木麟太郎が敵地でのカリフォルニア州立大フラートン校との今季開幕戦に「3番・一塁」で先発出場。5打数2安打、4打点の活躍で、チームの13-1の7回コールド勝利に貢献した。
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花巻東高(岩手)時代に、高校歴代最多とされる通算140本塁打を放った佐々木は、昨年2月にスタンフォード大に進学。今年1月には米老舗専門誌『Baseball America』が「2025年大学最優秀新人賞」に予想していた。
期待が高まる中で文字通りインパクト十分のデビューを飾った。初打席で二ゴロながら初打点をマークした19歳は、2回無死満塁の第2打席では右前適時打を記録。2打席凡退の後に迎えた7回無死二、三塁の好機で立った第5打席には中前へ2点適時打を放った。
米スポーツ専門局『ESPN』でも中継された一戦で、「打点マシーン」と実況された佐々木。そのポテンシャルの高さは、米メディアでも改めてクローズアップされている。米経済誌『Forbes』は、球界をにぎわせた若武者を「日本球界の先駆者」と表現。「上位指名間違いなし」とされたNPBドラフトを経ずに、将来的なメジャーリーグ入りを志す挑戦を称えた。
「いま、日本のアマチュア球界にいる野球選手たちは、海外FA権の資格を得る何年も前から、リスクを負い、何千万ドルもの大金を犠牲にしてでもメジャーリーグでプレーするという夢を追っている。アメリカの大学での挑戦を決めた驚異的な19歳は、残念がる母国のNPBファンやオーナーをよそに、名門であるスタンフォード大学でその名を轟かせている」
佐々木のポテンシャルを「NPBでも全体1位指名も有力だった一世一代の有望株」と表現した同紙は「メジャーリーグでのキャリアを志す、これからの日本人選手のために、新たな道を切り開くことを決意している」とも強調。ティーンエージャーの大胆な決断を称えた。
一方で同紙は「ササキはNPBのフランチャイズの顔になるはずだった」と指摘。今オフに高卒からアスレチックスと契約した森井翔太郎(桐朋高)も引き合いに出し、「日本プロ野球界は、読売ジャイアンツではなくロサンゼルス・ドジャースのユニフォームを着ることを夢見る選手たちからの挑戦を受け続けることになる。だからこそ早急に適応しなければならない」と日本球界の逸材流出を案じた。
いずれにしても、志高く米アマチュア球界でのスタートを切った19歳の挑戦は続く。MLBでは26年ドラフトから対象となる佐々木がどこまで飛躍するのか。その成長に日米両球界の注目が集まっている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]