BIGLOBEトップBIGLOBEニュース

【コラム】HSVで絶対的存在、日本代表では“結果不足”…酒井高徳が直面する正念場

サッカーキング2月17日(金)6時45分
画像:HSVと日本代表で活躍を誓う酒井高徳 [写真]=元川悦子
写真を拡大
HSVと日本代表で活躍を誓う酒井高徳 [写真]=元川悦子
 今シーズンのブンデスリーガで残留争いを強いられているハンブルガーSV(HSV)。昨年12月末のウインターブレイク突入時(16節終了)は16位で、マルクス・ギズドル監督も1月以降に再起を賭けていた。だが、再開直後の1月21日のヴォルフスブルク戦、同28日のインゴルシュタット戦で連敗。キャプテンマークを巻く日本代表DF酒井高徳はインゴルシュタット戦で目の覚めるような豪快なミドルシュートを決めて一矢報いたが、直後の2月3日のレヴァークーゼン戦で出場停止を強いられることになった。

 キャプテン不在の戦いが不安視される中、チーム全体が奮起する。レヴァークーゼン戦は手堅い守備からギリシャ代表DFキリアコス・パパドプーロスの一発で勝利。これで勢いに乗ったHSVは、7日に行われたDFBポカールのケルン戦を2−0でモノにし、さらに11日にはリーグ戦2位・ライプツィヒを3−0で撃破。順位も残留圏の15位に上がり、16位ブレーメンとの差も3ポイントに広がるなど、降格危機脱出も見えてきた印象だ。

 しかし、酒井高徳は楽観ムードに警鐘を鳴らしていた。

「みんな残留争い脱出に近づいたと言いますけど、抜けたというのにはまだ早いのかなと。個人的にも、チームとしても、その状態が一番危ないんで。今までも残留争いをしてきたけど、こういう時が一番危ない。ドイツの場合、ホントにもうビックリするくらいすぐ(2部に)落ちる。降格圏から15ポイントとか、10ポイントとかもし離れていれば、話は別ですけど、ドイツの9ポイント差以内はホントにすぐ入れ替わっちゃう。だから、『もう安心』っていう気持ちになるのはちょっと早いかなとは思ってますけど」と改めて気を引き締めた。

 今シーズンの酒井はここまでリーグ戦1試合の出場停止を除き、全19試合に出場している。シュトゥットガルトから移籍した昨シーズンはドイツ人DFデニス・ディークマイアーとの定位置争いに苦しみ、ベンチの日々を強いられたが、シーズン中盤からレギュラーを奪取。尻上がりで調子を上げる形で今シーズンを迎えた。ところが、HSVは開幕11戦未勝利。信頼を寄せてくれたブルーノ・ラッパディア前監督が9月に更迭され、今のギズドル監督が立て直し役を担うことになり、現在に至っている。この新指揮官にキャプテンを託された酒井は、本職の右サイドバックでなくボランチでも起用されるケースが少なくなかった。2017年に入ってからは右サイドバックに戻っているものの、多彩な役割を託されることで彼自身、選手としての幅を確実に広げることができたようだ。

「ボランチをやったことで、視野の確保もできるようになったし、首を振る回数も増え、落ち着きも出てきたのかな。違うポジションやると気づくことは多いですね。自分が改めてサイドバックに入った時には『ボランチにはこう動いてほしい』とか『今はボランチがボールを受けたいタイミングじゃない』といったことが、直感的に分かるようになった。それは大きいですね。自分自身はボランチをやってても全然問題ないし、またやろうとも思える。試合に出るならポジションはあまり関係ないって思ってるんで、出られるところで一生懸命やろうとは思いますけどね」と本人も努めて前向きに言う。そのポジティブな考え方がギズドル督やチームメートから信頼されるゆえんなのだろう。

 この先のHSVは18日のフライブルク戦の後、25日に王者バイエルンに挑むことになる。3月に入ると、1日に行われるDFBポカール準々決勝のボルシアMG戦を挟んで、5日にヘルタ・ベルリン、12日にボルシアMG、18日にフランクフルトと上位陣との対戦が続く。ここからが1カ月間が一番の勝負どころと見られるだけに、酒井の言う通り、決して楽観は許されないのは確かだ。

 その先には日本代表も待っている。2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選の後半戦スタートとなるUAE(3月23日=アルアイン)・タイ(27日=埼玉)の2連戦があり、昨年11月のサウジアラビア戦(埼玉)で出番なしに終わった彼自身にとっても正念場。右サイドを争う酒井宏樹(マルセイユ)はクラブでコンスタントに試合に出ているし、左サイドを争う長友佑都(インテル)は卓越した実績を誇る。その2人を上回るパフォーマンスを見せないと、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からの信頼は勝ち取れないだろう。

「欲を言えば、代表全試合に出て活躍したいし、『日本を勝たせたい』って気持ちはつねにあります。だけど、肝心なところで出られないのにはそれなりの理由がある。もちろん悔しい気持ちはつねにあります。今までの最終予選を振り返ると、自分が出ている時には必ず毎試合に1回は大きいチャンスに絡んでいるんですよね。結構、大きいチャンスだと自分は思うんです。でも、その大きいチャンスが得点や勝利につながっていない。キヨ(清武弘嗣=セレッソ大阪)君だったり、蛍(山口=C大阪)だったり、大迫(勇也=ケルン)だったり、宏樹はチャンスを結果につなげているから、試合に出続けている。僕にはホントに『代表での結果』が足りないと思います」

「実際、(昨年9月の)UAE戦(埼玉)で負けているし、(同10月の)イラク戦(埼玉)も自分がマークしていた相手に失点しているから。だからこそ、僕には明確な結果が必要。それが今の自分に一番足りていない。それがしっかり出るまで長くかかるかもしれないけど、我慢強くやり続けるしかない。結果がついてくれば自分はスタメンで出続けられるって自信は心の中では持ってます」と彼は改めて語気を強めた。

 HSVで絶対的存在になった今、日本代表でも看板と言える選手になりたいと思うのは自然なこと。それだけの卓越したキャリアを酒井高徳はドイツで積み重ねている。降格争いのプレッシャーを感じながら戦い続けていることは、必ずや日本代表での最終予選にもプラスに働くはず。インゴルシュタット戦で決めた豪快なミドル弾を含め、ドイツで培った経験値を還元してくれれば、日本はもっと強くなる。若きリーダー候補にはこれまで以上の大きな影響力を示してほしいものだ。

文=元川悦子
(C) SOCCERKING All rights reserved.

はてなブックマークに保存

最新トピックス

スポーツトピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

イチオシ情報

話題の投稿画像

恋愛&結婚

「日本代表」「酒井高徳」「ブンデスリーガ」「残留争い」の関連トピックス

「【コラム】HSVで絶対的存在、日本代表では“結果不足”…酒井高徳が直面する正念場」の関連ニュース

注目ニュース
王貞治を激怒させた「開幕投手・園川事件」 本人が振り返る NEWSポストセブン3月28日(火)16時0分
プロ野球の長いシーズンで特別な意味を持つのが「開幕投手」。しかし、1996年の開幕戦で、開幕投手を巡って“世界の王”が激怒するという事件が…[ 記事全文 ]
久保、1ゴール2アシストで勝利の立役者に。「とにかく仕掛けようと思った」 フットボールチャンネル3月28日(火)22時28分
【日本4-0タイ2018年ロシアW杯アジア最終予選】日本代表は28日、ロシアW杯アジア最終予選でタイ代表と対戦し、4-0の勝利を収めた。[ 記事全文 ]
稀勢の里の父語る嫁取りの壁 お見合い殺到も「結婚10年ダメ」 女性自身3月28日(火)0時0分
「国技をやっている者の親としては、日本の子供の数がどんどん少なくなっているというのは大いに困りますよ。だからね、寛(稀勢の里の本名)の結婚…[ 記事全文 ]
ハリル大勝にも「まだ3試合残っている」 スポーツ報知3月28日(火)21時42分
◆18年ロシアW杯アジア最終予選B組第7戦日本4—0タイ(28日・埼玉スタジアム2002)タイに4—0で圧勝して、勝ち点3を挙げた日本代表…[ 記事全文 ]
カブスが川崎を解雇…米国で6年目シーズンを前に スポーツ報知3月29日(水)1時39分
カブスは28日、マイナー契約で招待選手として米アリゾナ州メサでのメジャーキャンプに参加していた川崎宗則内野手(35)の解雇を発表した。[ 記事全文 ]
アクセスランキング

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア