青森山田からJの舞台へ 町田・黒田監督が改めて感じた「これがプロの世界」

2023年2月19日(日)18時40分 サッカーキング

 2023明治安田生命J2リーグ第1節が19日に行われ、FC町田ゼルビアとベガルタ仙台が対戦。0−0の引き分けに終わった。

 町田は今季からの新監督として長年、青森山田高校を率いていた黒田剛監督を迎えた。プロ公式戦初采配となったが、黒田監督は試合後、「(プロの試合は)自分自身初めてだったので、実際どんなものかという部分もありました。高校サッカーをずっとやってきて、埼スタや国立とどのくらい雰囲気が違うのか、自分の中でも比較しようと思いましたが、選手権とは相当雰囲気が違うなと。選手権も4、5万人と入りますが、サポーターの熱、思いがひしひしと伝わってくる、これがプロの世界だということが改めて感じた部分です。そういう舞台が慣れていないわけではないので、緊張することなく、自然体で迎えられたかなと思います」と、自身の“初陣”の心境を振り返った。

 試合は前半は町田ペースでミッチェル・デュークを起点にシンプルな攻撃を見せたが、後半は仙台ペースとなり、ボールを握られることに。それでも最後まで体を張った守備で失点0に抑えた。ゲームプランとしてまず失点しないことを想定していたとして、「カウンターないし、クロスから点数を取る形をどれだけ出せるかなと選手に促しながらいきました。サイドからはチャンスを作れましたが、決定機が4、5本ある中、枠をとらえられなかったので、これから1週間で取り組む課題は見えたと思っています。流れの中で失点せずに勝ち点1を獲得できたことをポジティブに次の試合へ臨みたいと思います」と話し、「引き分けなので、50点」としつつ、守備面を特に称えた。

 プロの舞台での初采配だったが、スタッフには金明輝、山中真といったJリーグの監督・コーチ経験がある人材もそろう。「(コーチは)一歩下がって全体のバランスや守備ブロックの形成状況、ズレの状況を把握しながらポイントをくれていました。どちらかというと私は個人にフォーカスしながら見ていたので、互いにやれる仕事を分担しながら、リレーションシップという意味では、すべてのコーチが良い責任のもとに仕事ができていると思います」と、関係構築も問題ないようだ。

 初陣はスコアレスドローとなったが、今後に向けては「勝つ=守れることだと思っています。守備ではゲームプランは大きくブレることなくやれたかなと。その中でチャンスがありながら点数が取れなかったところを、日頃のトレーニングの中で少しずつ詰めていく。1点、2点と取れるチームになっていくことは個人のスキルアップ、グループでのどういう崩しが必要なのか。今日はサイド攻撃のところやデュークを起点とした前後の動きでボールを拾うところはできていたので、その精度を上げていくことです。いい守備からいい攻撃につながるので、次の1週間でどれだけ改善できるかと思っています。まずは失点しなかったところからの攻撃を詰めていきたい」と、しっかりとした守備をベースに戦っていくとしている。

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