ウォード・プラウズがベッカム氏に迫る…プレミアリーグの直接FKランキング

2023年2月20日(月)16時5分 サッカーキング

プレミアリーグの直接FKランキングで上位に入る選手たち [写真]=Getty Images

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 サウサンプトンのイングランド代表MFジェームズ・ウォード・プラウズ(28歳)が偉大な記録に並ぼうとしている。

 サウサンプトンの主将は、今月18日に行われたプレミアリーグ第24節のチェルシー戦で前半終了間際に完璧な直接フリーキックを叩き込み、チームを1−0の勝利に導いた。最下位に低迷し、先日には今季2度目となる監督解任に踏み切った悩めるチームに4試合ぶりの勝ち点3をもたらしたのだ。

 そんなMFウォード・プラウズがプレミアリーグで直接FKを決めるのは17回目。これで直接FKによるプレミアリーグ歴代得点ランクで1位のデイヴィッド・ベッカム(18ゴール)に1本まで迫っている。偉大な記録に並ぶ日は近いが、その前にプレミアリーグの「直接FKの歴代ゴールランキング」を見てみよう。

[写真]=Getty Images

■10位タイ
MFフランク・ランパード(元チェルシーなど) 9ゴール
MFノルベルト・ソラーノ(元ニューカッスルなど) 9ゴール
MFジェイミー・レドナップ(元リヴァプールなど) 9ゴール

 10位は「9ゴール」で3選手が並んだ。まずはプレミアリーグ歴代3位の出場数(609試合)を誇るランパードだ。チェルシーなどで活躍した元イングランド代表のレジェンドは、ミッドフィルダーながら通算ゴール数も「177ゴール」で同リーグ歴代6位。そのうち9点が直接FKだった。



 往年のプレミアリーグファンにとっては懐かしい名前もランクイン。それがノルベルト・ソラーノだ。1998年にアルゼンチンのボカ・ジュニアーズからニューカッスルに加入し、プレミアリーグ史上初のペルー人プレーヤーとなったソラーノは、南米人らしい細かい技術と高精度の右足で活躍。FK以外も含めて通算49ゴールは、プレミアリーグの南米人として歴代8位の記録だ。

 現在解説者として活躍する元イングランド代表MFジェイミー・レドナップもキック技術に定評があった。名将ハリー・レドナップという偉大な指揮官を父に持つジェイミーは、リヴァプールやトッテナムなどで中盤のパサーとして活躍した。

■8位タイ
MFモアテン・ガムスト・ペデルセン(元ブラックバーン) 10ゴール
DFイアン・ハート(元リーズなど) 10ゴール

 8位には「10ゴール」で2名がランクイン。まずは左サイドバックながら一撃必殺の左足でFKを沈めた元アイルランド代表DFイアン・ハートだ。同選手は1999年代後半から大躍進したリーズで不動の左SBとして攻守に貢献。2000−01シーズンにはチャンピオンズリーグでベスト4に入る快進撃を見せ、ハートも準々決勝のデポルティーボ戦で先制の直接FKを沈めた。プレミアリーグの舞台では、通算28ゴールのうち実に10本を直接FKで決めている!



 ブラックバーンで9シーズンも活躍した元ノルウェー代表MFモアテン・ガムスト・ペデルセンも、得意の左足で直接FKを10本も沈めた。



■6位タイ
MFローラン・ロベール(元ニューカッスル) 11ゴール
MFセバスティアン・ラーション(元アーセナルなど) 11ゴール

 ニューカッスルで左サイドを疾走したレフティは6位にランクイン。元フランス代表MFローラン・ロベールは得意の左足から豪快なシュートを放ち、プレミアリーグでは通算23ゴールのうち約半分の11点を直接FKで稼いで見せた。2001−02シーズンには1年で直接FKを5本も沈める離れ業を披露。ちなみに、これはベッカムと並びプレミアリーグの1シーズン最多記録となっている。



 昨夏に現役を退いた元スウェーデン代表MFセバスティアン・ラーションもFKのスペシャリストだった。プロキャリアの原点であるアーセナルではプレミアリーグ3試合の出場に留まったが、その後はバーミンガムやサンダーランドで中盤の主軸を担った。プレミアリーグ通算26ゴールのうち実に11本が直接FK。2011年には古巣アーセナルを相手に直接FKを叩き込み、アーセン・ヴェンゲル監督に「恐らくプレミアNo.1のFKキッカー」と言わしめた。スウェーデン代表としても活躍し、同国歴代3位の133試合に出場した。



■3位タイ
FWクリスティアーノ・ロナウド(元マンチェスター・U) 12ゴール
FWティエリ・アンリ(元アーセナル) 12ゴール
FWジャンフランコ・ゾラ(元チェルシー) 12ゴール

 歴代3位には、そのクラブの“レジェンド”と呼ばれる世界的なプレーヤーがランクインした。まずは、昨年11月までマンチェスター・Uに所属していたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(38歳)。サッカー史において歴代最高プレーヤーの呼び声も高いC・ロナウドは、マンチェスター・Uでベッカムの「7番」を引き継ぐとプレミアリーグ通算236試合で103ゴール。そのうち12ゴールが直接FKによるもの。ボールをセットして仁王立ちすると、そこからロケット弾やコースを狙ったシュートなどで幾度もゴールを陥れた。



 同じく3位に入ったのは元フランス代表FWティエリ・アンリ。アーセナルの歴代最高プレーヤーにしてクラブ歴代最多ゴール記録を持つフランス人は直接FKもお手の物だった。プレミアリーグ歴代7位となる「175ゴール」のうち12本は直接FKによるもの。様々な形でゴールを決めて4度もプレミアリーグ得点王に輝き、イングランドフットボール界で最大の栄誉とされる記者協会の年間最優秀選手を歴代最多3度も受賞した。



 チェルシーファンに誰よりも愛された元イタリア代表FWジャンフランコ・ゾラも3位にランクイン。ヒールキックやドリブルシュートなど数々のファインゴールを生んだ“小さな巨人”は、チェルシー時代にプレミアリーグ通算59ゴールをマーク。記念すべき初ゴールは入団1年目の1996年12月のエヴァートン戦。右足で完璧な直接FKを決めてサポーターの心を鷲掴みにした。



■2位
MFジェームズ・ウォード・プラウズ(サウサンプトン) 17ゴール



 冒頭で説明した通り、ベッカムの記録まで1点差に迫ったイングランド代表MFジェームズ・ウォード・プラウズ(28歳)が2位にランクイン。セインツ一筋の生え抜きプレーヤーは、同クラブでプレミアリーグ通算328試合に出場し、46得点のうち17ゴールを直接FKで決めている。今シーズンは、通算17本目となった今月18日のチェルシー戦を含め、12月のフルアム戦や1月のエヴァートン戦など既に直接FKから3ゴール。過去2シーズンも4点ずつ決めているため、今シーズン中にベッカムの偉大な記録に並ぶ可能性が高い。

 昨年のワールドカップはメンバー外となり残念ながら出場できなかったが、その失意を払しょくするかのようにワールドカップ後のプレミアリーグで大活躍。8試合で5ゴールを決めており、そのうち3点が直接FKによるもの。「人生において、どんなスキルでも努力すれば極めることができる。それを知ることができて嬉しい」と語るFKスペシャリストは、今季の残りの試合で最下位に沈むチームの残留と、ベッカムの記録更新を目指す。



■1位
MFデイヴィッド・ベッカム(元マンチェスター・U) 18ゴール



 FKと言えば、この選手以外には考えられない。プレミアリーグの直接FKによる歴代最多ゴール記録を持つのは、元イングランド代表MFデイヴィッド・ベッカムだ。ユナイテッドでプレミアリーグ通算265試合に出場したベッカムは、通算62ゴールうち「18点」を直接FKから決めて見せた。

 無尽蔵のスタミナや正確無比のクロスなど、ベッカムはFKだけの選手ではなかったが、それでも大きく曲がる彼のFKはサッカー史に残る1つの芸術作品で、それを題材にした『Bend It Like Beckham(邦題:ベッカムに恋して)』(2002年)という映画まで誕生するほど。ちなみに、この映画もベッカム本人と同じで単なる“スポーツ映画”ではない。「人種」「文化」「宗教」「性別」「恋愛」といった様々な問題を、フットボールを通じて笑いや感動と共に伝える名作となっている。







(記事/Footmedia)

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