速さを見せたフェラーリは“予想通り”。ハミルトンは「万が一スタートダッシュに失敗しても勝てる」と自信を見せる

　F1の2019年シーズンがスタートしてまだ日は浅いが、メルセデスのルイス・ハミルトンはF1合同テストにおけるフェラーリ勢の走りについて、「とてつもなく強いチームに見える」と評した。

　バルセロナで行われている合同テストでは、昨年同様にフェラーリが好調ぶりを見せていた。フェラーリのマシンに強い印象を受けたハミルトンだが、そのパフォーマンスに関して最終的な結論を出すにはまだ早すぎるとも考えている。

「正確な数値は出せないと思うけれど、やはりフェラーリ勢は今のところ非常に強いね。皆もその走りを見た通りだよ」とハミルトンは語った。

「彼らはかなりの走行距離も積み上げているし、2018年より良いパッケージができているように見える。つまり僕たちにしてみれば、2019年はさらに厳しいチャレンジを強いられることになるだろう」

　メルセデス陣営は、これまでのところバルセロナであまり目立つような走りをしていない。ハミルトン、チームメイトのバルテリ・ボッタスともにチームが設定した複数の走行プログラムをこつこつとこなしている印象だ。

　したがって現時点でメルセデスとフェラーリを何らかの角度から比較することに、あまり意味はないだろう。

「彼らはとても順調のようだ。一方で僕たちは、概ね例年のこの時期と同じで、まずはマシンの理解を深めようとしているところだ」

「フェラーリ勢はいつでも非常に強く見える。特にここ数年は、シーズンの最初から強いという印象だった」

「だから今彼らが強く見えることも、予想されたことだ。僕たちとしては、ひたすら自分たちの作業を進めるだけだ。スタッフの皆は大変な激務を続けている。つまり僕たちのチームも例年通りということだ」

「他のチームはそれぞれの作業を進めるのだろうし、僕たちは自分たちの仕事に徹底的に集中する。今までで一番良い作業プロセスになっているのかを確かめながらね」

「過去最高のデータ解析ができるように努力している。ドライバーの視点でもたらす情報も分析されるから、僕もより正確なフィードバックが出せるように努力している」

「僕やチームはそうした点を意識しながら仕事をしている。そしてチームの走行プランを確実にこなすことにも注力している。来週の今ごろには、自分たちが今どのあたりにいるのかについて、より正確な状況把握ができているはずだ」

■メルセデスのスタッフを信頼し、優勝を確信するハミルトン

　最大のライバルであるフェラーリが今の勢いをそのまま2019年シーズン序盤に持ち越したなら、メルセデスは当然彼らの強さを分析することになるとハミルトンは確信している。しかし彼は、チームのスタッフを信頼し、優勝を挙げられると自信を持っている。

「過去数年間にわたり成功が続いてきたけれど、僕が感じるチームの雰囲気は今も非常に素晴らしいものだ。勝利に対する渇望や活力をいまだに強く感じている」

「スタッフは誰も歩みを止めていないし、誰も逃げ腰になっていない。皆がエネルギー全開で前進している。ファクトリーのスタッフたちにとっては厳しいオフシーズンだったはずだ」

「それは見れば分かるし、彼らの話も聞いた。レギュレーション変更に伴う作業が何より大変だっただろうと思う。だけど、そうしたことを誰よりもきちんとやり切ることができるのは、間違いなくメルセデスのスタッフたちだ」

「僕たちはこれまで、レギュレーションの改定前後にチャンピオンシップを連覇したことのある唯一のチームだ。仮にシーズンの序盤、例えば開幕戦で良いスタートが切れなかったとしても、僕たちは勝てると確信している」