スーパーGT王者ジェンソン・バトン、伝統の『バハ1000』でオフロードデビューへ

2019年2月22日(金)15時42分 AUTOSPORT web

 2009年のF1ワールドチャンピオンであり、現スーパーGT王者でもあるジェンソン・バトンが伝統のオフロードイベント『バハ1000』への参戦を表明。亡き父ジョンが創設し、幼少期から慣れ親しんだレーシングカート・チーム名に由来する新チーム“ロケット・モータースポーツ”のエントリー名で2019年11月19〜24日に開催されるイベントに挑む。


 F1引退後のバトンはGT500参戦を筆頭に、ロシアのSMPレーシングからWEC世界耐久選手権のLMP1クラスにチャレンジし、北米ではGRXグローバル・ラリークロス向けのワークス車両、ホンダ・レッドブル・オルスバーグMSEのシビック・クーペ・タイプR RXスーパーカーのテストドライブを経験するなど、その活動の幅を大きく広げてきた。


 現在39歳のバトンは今月に入って自らの新プロジェクトとして立ち上げたチームの活動計画第2弾として、伝統のデザートレースをセレクト。メキシコのバハ・カリフォルニア半島を縦断する過酷なオフロードで改造無制限クラスのトロフィートラック・クラスにエントリーし、この分野で豊富な経験を有するブレンテル・インダストリー製の6100/TT車両をドライブする。


 このマシンをシェアするチームメイトには、バトンの古くからの友人でありロケット・モータースポーツのコマーシャル・ディレクターも務めるクリス・バンコムと、同じく旧友のメイザン・ファワズのトリオを予定し、LMP2優勝経験を持つバンコムもブランパンGTシリーズでのGT3に続き初のデザートレース挑戦になる。


■3月7日には前哨戦のミント400に出場予定


『バハ1000』にはブレンテル・インダストリー製の6100/TT(トロフィートラック)で参戦する
2018年はGT500初参戦で王座を獲得。WECデビューやラリークロスのテストなど幅広い活動を見せたバトン
1月には同車のUTVでオフロードテストも実施し、デザートレース特有のドライビングを経験した


「これは確かに特別なチャレンジになるだろうし、僕が長い間試してみたかったことなんだ」と、古くから温めていたアイデアを具現化させたバトン。


「ノンストップで20時間以上に及ぶオフロードレース挑戦のアイデアは、僕がこれまでやってきたこととは大きく異なる。すでに何時間かテストを兼ねたドライブをしてきたけど、何時間にもわたってさまざまな地形に遭遇するのは信じられないような経験だったよ」


「それに、こういうタイプのトラックをドライブする経験もこれまでにないことだ。テストでの走行距離は非常に限られたものになるし、最初から最後まですべてを学ぶ必要がありそうだ」


 バトンと彼のチームメイトたちは来月3月7日にラスベガスで開催されるバハ前哨戦“ミント400”にエントリー済みで、総勢520台越えのエントラントのうち49台が参戦する激戦区、6100クラスでの腕試しを予定している。


「ミント400はアメリカ最大のオフロードレースで、ベガスの砂漠に出て何が起きるのか、今から本当に楽しみにしているよ」とバトン。


 この『バハ1000』挑戦のプロジェクトは前述のとおりロケット・モータースポーツにとって2番目のプロジェクトとなり、第1弾として発表された先のブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップには、ジェンソン・チーム・ロケット・RJNのエントリー名で、イギリスのRJNモータースポーツとのジョイントでシリーズにホンダNSX GT3 EVOを投入。7月のスパ24時間を含む全5戦のシルバーカップに、シングルカー体制で挑むことが決まっている。

ブランパン耐久シリーズには”Jenson Team Rocket RJN”のエントリー名で参戦を発表
日程的には、2019年のスーパーGT最終戦終了後の『バハ1000』デビューとなる
2019年も精力的な活動を予定するバトン。GTタイトルを防衛してのデザートレース・デビューとなるか


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