「話にならない状況」「練習時間が足りない」「優勝も見えてくる」【SF Mix Voices 鈴鹿合同テスト2日目前編】

2024年2月22日(木)21時39分 AUTOSPORT web

 2月22日、三重県の鈴鹿サーキットで2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権公式合同テストの2日目の走行が行われた。午前のセッション3で路面はセミウエットからドライへ変化し、午後のセッション4は終始ドライでの走行となった。


 ここでは全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、2日目の走行を終えたドライバーたちの声を2回に分けてお届けする。


■福住仁嶺(Kids com Team KCMG) 午前4番手/午後2番手


 午前4番手、午後2番手とタイムシート上では好調ぶりを見せた福住。今回、午後のセッションでは最初の1時間に限り、最長40秒OTSが試用できたが、福住のベストラップはOTS使用中に記録されたものだったこともあり、フィーリングを語った表情は決して明るいものではなかった。


「午前中の感触としては走り始めから悪くはなくて、午後はセット変更の作業に時間がかかってすぐにはコースに出られなかったのですけど、ニュータイヤ(ドライ)が余っていたので、なるべく使い切れるようにプランを立てて走りました」


「ニュータイヤは、最初からそこまでよくない感触はありました。(2番手の)タイムは(OTS使用のため)あまり参考にならず、(OTSを使用しなかった)終盤のアタックはそんなに速いタイムではないし、(実質)トップ6くらいには入れているとはいえ、まだまだ足りていないなという感じはしています。開幕のコンディションも、今日くらいであればいいんですけど、暑くなるとどうなるか。そこを含めて、改善点はたくさんあるなと思っています」


「開幕まで残り2週間くらいしかないですし、スーパーGTのテストもあって忙しいのですけど……僕も久しぶりに前の方でレースがしたいので、全力で今回のテストのデータも分析していきたいと思います」


 福住は、ロングランを主な課題としてあげている。


「12月のテストから同じで、ロングランもほとんどできていない状況なのですけど、このままだったらリヤタイヤが結構キツくなるという状況なので、そこを解決していかなければと、そこをメインに考えていますね」

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)


■佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING) 午前12番手/午後3番手


 午後のセッション4で3番手タイムを記録した佐藤。「午前中のセッション3は路面が濡れていて、最後にドライで少し走っただけでした。課題としては見えたのですけど、セッション4で本格的な走行となり、ニュータイヤで最初のアタックを行ったところ、その感触が思ったよりも良く、3番手と悪くない結果でした」と振り返る。


「そこからロングランのテストも長時間することができたので、テストとしてはウエットもドライも走れましたし、すごく充実したテストでした。この調子で開幕に臨めれば、優勝も見えてくると思うので、このまま行きたいですね」と語る佐藤の表情はいつになく自信に溢れていた。


 なお、佐藤が午後に記録した3番手タイムはOTSを試用した際に記録されたものだ。それゆえに、「あそこから0.4〜0.5秒は変わってくると思いますし、上位2台も同じ(OTS使用時の記録)だと思うので、そこも踏まえると、現状は4番手くらいなのかなと思います」と佐藤も口にするが、それでもその表情には自信が見え隠れする。


「今までの(SFキャリアの)中では、すごく期待できる状況かなと思うので。持っているものをすべて出せれば、ですね」

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)


■Juju(TGM Grand Prix) 午前21番手/午後21番手


 午前、午後ともに最下位となる21番手で開幕前最後のテスト日を終えたJuju。午後のセッション4ではクラッシュを喫するなど、厳しい1日を過ごしたが、「ドライを走れたことはすごく良かったと思います。最初はダンプコンディションも経験できたので、その点も良かったですね。難しい面もありましたが、すべては開幕戦に向けてなので、ポジティブに受け止めています」と振り返った。


 午後のセッション4序盤、アウトラップのJujuはデグナーカーブを立ち上がり、立体交差下を抜けたところでバランスを崩し、ガードレールにクラッシュを喫した。


「気温も低く(※編註:11度)、タイヤが冷えている状況でした。それもタイヤウォーマーが使えないSFの難しさですね」と、jujuはその時の状況を振り返る。


「この間のテストの際もそうでしたが、『タイヤが冷えている時はベテランドライバーでもクラッシュをするから気をつけて』とは聞いていました。ですので、気をつけてはいましたが、それでも少しアクセルを開けただけで、後ろが来る(滑る)ような感じだったので……本当に気をつけるしかないんだなと思いましたね。開幕すると毎戦ピットストップでのタイヤ交換があるので、引き続き気をつけていきたいと思います」


 昨年12月の合同/ルーキーテストの際はクラッシュもなく周回を重ねていたJuju。対照的にコースオフやクラッシュもあった今回の2日間に関しては「前回よりも攻めて走ることができている」と総評した。


「クルマに対しても自信が持てているので、前回は不安で攻めきれていなかった部分も今回はぜんぜん行けました。コーナリング中にリヤが滑ったりしても踏んでいけるような感じにはなり、ビッグパワーのマシンにも慣れてきたかなと思います」


 そんななか、記者から「開幕まで約2週間ですが、準備万端ですか?」と尋ねられたJujuは、熟考しながら「準備万端と言えるかといえば、そうは言えないですね」と答えた。


「経験値が浅いので、走れば走るほどタイムは伸びてきます。だから、練習時間が足りないなというのは感じています。今回のテストが終わったら、シーズン中は1回しかテストがないので、ルーキーにとってはつらいですね。テストも鈴鹿と富士だけで、他のコースではテストもできないので、本当にぶっつけ本番になるのは難しいなと思います」

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト Juju(TGM Grand Prix)


■三宅淳詞(ThreeBond Racing) 午前20番手/午後20番手


 1年ぶりにSFのレギュラーシートを掴んだ三宅。ウエットコンディションとなった初日を午前12番手、午後13番手で終えるも、ダンプ〜ドライコンディションとなった2日目は午前、午後ともに20番手と沈む結果となった。タイムでも、トップからは大きく引き離されている。


「ドライコンディションでの調子が思ったよりも良くなくて……開幕戦に向けて時間は多くないのですけど、改善しなければ話にならない状況ですので、しっかりと直していきたいと思います」と三宅。


 なお、午前中のセッション3はメカニカル面でのトラブルによりアタックできなかったという。メカニックが修復を行い午後のセッション4に臨んだ。しかし、メカニカルトラブルは出なかったものの、「12月の合同/ルーキーテストの際のパフォーマンスもぜんぜんなく、原因もまだ分からない状況です……なんとかするしかないとう感じですね」と、想定外の低迷に三宅は言葉数も少なかった。


 具体的には、前後ともグリップ不足を感じているとのこと。パフォーマンス改善には、早期の原因究明が急務だろう。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 三宅淳詞(ThreeBond Racing)


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