【レッドブル密着】「RB16はどのコーナーでも速い」ポテンシャルを裏付けた3日間に/第1回F1バルセロナテスト総括

2020年2月24日(月)17時1分 AUTOSPORT web

 バルセロナテスト1最終日の金曜夜。レッドブルとアルファタウリの共同モーターホーム『エナジーステーション』に続々と戻ってきたスタッフたちは、3日間の作業を終えてさすがに少しくたびれているように見えた。


 レッドブルのレース現場責任者であるギヨーム・ロケランに話しかけても、「ああ、すごく順調だったよ」とひとこと答えただけで、さっさと夕食へと去って行った。


 それでもあとから送られてきたチームリリースには、「チーム全員が満足しているし、個人的にも今までで最もうまく行ったシーズン第1週のひとつだった」と彼のコメントが記されていた。チームリリースではしばしば都合の悪い事実が隠されたり、うまくいってなくても「絶好調」と書かれたりするが、今回の場合はそのまま信じていい気がする。


 実際、最終日に囲み取材に応じたふたりのドライバーも、それぞれに手応えを感じているようだった。まずアレクサンダー・アルボンだが、新車『RB16』の特徴を訊かれた際、「usable(使いやすい)」という単語を使っていたのが印象的だった。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


「クルマがどんな状態かを感じ取りやすい。だから運転していて最初から楽しさを感じることができた」とアルボンは言う。2019年の『RB15』も、コーナリングの際にはこれまでアルボンが経験したことがないほどの安定性があった。けれども、「路面の情報が的確にフィードバックされてない時もあった」そうだ。その欠点が新車では見事に解消されていると、アルボンは感じたようだ。


 一方のマックス・フェルスタッペンも、「RB16の素性の良さは、十分に感じられた」と言う。初日に興奮気味に語っていた「どのコーナーでも速い」という印象は、二度目の走行を終えても変わらなかったようだ。RB15は特にシーズン前半、リヤのダウンフォースが不足気味で、突然リアが破綻する挙動にピエール・ガスリーなどは大いに手こずっていた。


 さらに2020年は、細身のノーズに合わせてフロントサスペンションに大胆な空力処理を行っている。その結果、メカニカルグリップが犠牲になっている恐れも指摘されている。


 そんな推測を元に、「2020年のクルマも運転しにくいのではないのか」という質問も出たが、フェルスタッペンは「全然そんなことないよ。そもそも2019年のクルマ自体、運転しにくいことなんてなかったし」と煙に巻いていた。


 初日の2回のスピンにしても、「グラベルにはみ出したり、限界を探ろうとプッシュしていただけのことだ」と改めて説明した。


 2019年のレッドブルは、ハイパワーサーキットではフェラーリにかなわず、超低速区間ではメルセデスに後れを取った。「あらゆるタイプのサーキットで2019年以上の速さを発揮するのが、このクルマに託された目標だ。それができれば、タイトル争いに絡んでいけると信じてる」というフェルスタッペンの言葉は、彼の心からの願いであろう。


 本格的なパフォーマンスランは今週のテスト2を待たなければならないが、RB16のポテンシャルの高さは十分に感じ取れた3日間だったのではないだろうか。

2020年第1回F1プレシーズンテスト3日目:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


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