【ホンダ密着】レースシミュレーションを1日2回。万全の備えで次のテストへ/第1回F1バルセロナテスト3日目

2020年2月24日(月)13時38分 AUTOSPORT web

 テスト3日目が終了した直後、Honda Racing F1がこんなツイートを誇らしげに上げていた。


「テスト第1週の締め括りに、243周を周回。素晴らしい仕事ぶりだ!」


 マックス・フェルスタッペンを始めとするホンダドライバー4人の周回数を合計すると実際には290周だと思うのだが、まあそれは大したことではない。重要なのはホンダ勢が、この日もトラブルフリーでテストをこなしたということだ。


 というのも最終日は他のマシンが次々にトラブルに見舞われ、セッションが何度も赤旗中断された。フェラーリとウイリアムズは、いずれもパワーユニット(PU)の不具合によるものだった。ルノーのダニエル・リカルドが止まってしまったのも、チームからはいっさい言及がないが、PUがらみだった可能性が高い。もしそうだとすれば、4メーカーのうち無傷だったのはホンダだけということになる。


 3日間を通しても、ホンダ勢は合計855周、3980kmを走破した。『テスト第2週に向けて1周でも多く走って、有益なデータを収集する』という当初の目的は十分に達成したといえる。特に3日目のレッドブルは、午前中にマックス・フェルスタッペン、午後はアレックス・アルボンがレースシミュレーションを敢行し、合計で169周を周回した。


 ホンダにとって1日に2回のレースシミュレーションをこなしたことは、2015年の復帰以来初めてだったはず。この事実だけ見ても、ホンダ製PUの信頼性のレベルは確実に向上していることはまちがいない。


 この結果は田辺豊治テクニカルディレクターにとっても満足できるものだったようで、いつにも増して口調は滑らかだった。テスト第1週で唯一出た問題といえば、2日目のパワーユニット全交換だった。しかしチェックした結果異常はなく、3日目には再びこのPUを積み直している。


 不具合の可能性をHRD Sakuraから指摘された際、PUを交換せずに走り続けたとしても壊れなかった可能性は確かにあった。それでもあの時の田辺TDに迷いはなかった。「万一コース上で止まってしまったら、取り返しの付かないロスが生じる」からである。


 その結果、本格的な周回が行われる次週のテスト2に、レッドブルとアルファタウリは万全の備えで臨むことができる。一方ホンダとしては、「パワーユニットの劣化度合いの確認や、レースシミュレーションでの各モードの最適化」などが主要メニューになるという。すでにテスト1でもフルパワーモードに近い走りをしたとのことだが、次回はより本格的に「さらにもっと行けるのか、下げるべきか、データを見ながら確認する」という。


 HRD SakuraでPU開発の指揮を執る浅木泰昭センター長は、「今年こそ平地でも、メルセデス製PUと互角の勝負をしたい」と語っていた。それが可能かどうかは、テスト2終了後にある程度見えてくるはずである。

レッドブルのガレージ内で話し合う田辺TDとフェルスタッペン
ホンダF1山本雅史マネージングディレクター
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年第1回F1プレシーズンテスト2日目:ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第1回バルセロナテスト1日目:ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)


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