【J1リーグ】柏レイソルの2024シーズンを考察

2024年2月24日(土)14時0分 FOOTBALL TRIBE

マテウス・サヴィオ(左)白井永地(右)写真:Getty Images

2024シーズンのJリーグにおける前哨戦とも呼べる恒例のプレシーズン千葉ダービーマッチ「ちばぎんカップ」が、2月18日に三協フロンテア柏スタジアムで行われ、J1柏レイソルとJ2ジェフユナイテッド市原・千葉が対戦。2-1で千葉が勝利し連覇を達成した。


同試合の結果と内容はくっきりと明暗を分けるものになり、千葉と柏のJリーグ開幕戦はどちらも25日に行われるが、両者の2024シーズンを展望していく上での良い材料となった。


ここでは、ホームで京都サンガとのJ1リーグ開幕戦を控える柏の2024シーズンを、ちばぎんカップの試合内容から考えていく。




柏レイソル GK松本健太 写真:Getty Images

ちばぎんカップの柏レイソル


ちばぎんカップで井原正巳監督率いる柏レイソルは[4-4-2]の布陣でホームゲームに臨んだ。GK松本健太。4バックに左からDFジエゴ、DF古賀太陽、DF犬飼智也、DF関根大輝。 2列目は左からFWマテウス・サヴィオ、MF白井永地、MF熊坂光希、右にMF山田雄士。2トップにはFW小屋松知哉とFW木下康介。4名の新加入選手をスタメンに抜擢し、アジアカップ帰りのエースFW細谷真大を休ませて迎えた。


降格圏を争った昨シーズンの悪い流れを払拭し、天皇杯(決勝で川崎フロンターレに0-0/PK7-8で惜敗)で見せたような勝負強さを発揮したいところだったが、チームの完成度は未だ不十分なように見受けられた。2024シーズンよりガンバ大阪に移籍したMF山田康太と、名古屋グランパスに移籍したMF椎橋慧也が抜けた中盤の最適解を未だ見つけることができずにいる。


先発した白井と熊坂はどちらもこの試合が柏でのデビュー戦。FWながらややトップ下の位置にまで降りてきてゲームメイクに参加していた木下も新加入選手であり、チーム全体としてまだ中央の連携が完成していない。白井と熊坂は両者ともに序盤の守備面では柏のプレスに連動した動きができていたが、攻撃面ではミスもあり、今ひとつインパクトを残すことができなかった。


柏レイソル FWマテウス・サヴィオ 写真:Getty Images

攻撃パターンと守備戦術に期待


中央からの攻撃がほぼ機能しないなかで、柏は左サイドからの攻撃を積極的に試みる。後半アディショナルタイムに見事なミドルシュートを突き刺したサヴィオは、左サイドで終始千葉にとっての脅威になり続けていた。


左サイドでボールを受けると、そこからチャンスメイク、そしてシュートまで持っていくシーンを何度も披露したサヴィオ。この左で相手ディフェンダーを引き付けて、右サイドへサイドチェンジをするという攻撃パターンはシーズン開幕後も期待できるものがあり、同試合で先発したルーキー関根との関係性も光った。


また、昨シーズンの中盤から浸透しはじめた守備戦術も、引き続き2024シーズンに期待できるものがある。浦和レッズから完全移籍で加入した犬飼は守備を支えるキーマンの1人でもあり、古賀とのセンターバックコンビはこの試合でも相手ディフェンダーとの1対1の局面で負けるようなことはほとんどなかった。ただしカウンター対応の点においてはまだまだ改善の余地があり、2失点目時のように先制点を取られて前がかりになってしまった際には、裏に広大なスペースを空けてしまう場面が多々見られた。


柏レイソル FW細谷真大 写真:Getty Images

現実的な目標は残留争い?


2024シーズンにおけるレイソルの現実的な目標はJ1残留かもしれない。攻撃面ではサヴィオと細谷というJ1屈指のタレントを誇ってはいるものの、その依存度はむしろ懸念材料となりつつある。


特に、細谷は今後パリ五輪(2024年7月26日から8月11日)と2026FIFAワールドカップ・アジア予選の関係で離脱が多くなることが予想されており、FWドウグラスも引退してしまった今チームの得点数減少が憂慮される。細谷は夏に欧州へ移籍する可能性も高く、チームの大エースに代わる存在を見つけ、攻撃のバリエーションを増やしていくことは急務であろう。


ジェイ=ロイ・フロート 写真:Getty Images

注目のジェイ=ロイ・フロート


そんななか、サポーターからの期待を集めるのは加入2年目のFWジェイ=ロイ・フロートだ。昨シーズンはリーグ戦で17試合に出場し、わずか1得点のみの活躍だったが、細谷の離脱が増えればより多くの出場機会が与えられると予想する。193センチ99キロというJリーグでは規格外の存在がチームにフィットすれば、柏の攻撃はより驚異的なものになることは間違いないだろう。


補強がうまくいったと呼ぶことは難しい柏ではあるが、攻撃面での主力選手たちが残っていることはプラスの材料である。犬飼をはじめ、個々の能力は十分にあるディフェンダー陣がより守備の練度を高めていくことで、チームの総失点数を減らしていくことが求められる。


まずはパリ五輪開催の7月下旬までにチームとしての完成度を高め、少しでも多くの勝ち点を積み上げていくことが必要だ。

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