東京五輪の女王が涙した死闘 張本美和との大一番に名手・陳夢は何を思っていたのか?「本当に緊張していた」【世界卓球】

2024年2月25日(日)16時0分 ココカラネクスト

日本勢との激闘を制した中国。この攻防戦に陳夢は何を思っていたのか?(C)Getty Images

 マッチポイントをもぎ取った直後に大きく拳を突き上げた東京五輪の女王が、試合の激しさを物語った。

 現地時間2月24日に韓国・釜山で世界卓球選手権の女子団体戦の決勝が行なわれ、世界団体ランク1位の中国が、同2位の日本を3-2で下し、前人未到の6連覇を成し遂げた。

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 結果だけを見れば、地力に勝る中国が“妥当に勝った”と見えるかもしれない。ただ、絶対女王は日本に土俵際にまで追い込まれ、苦闘を強いられていた。

 第1試合で世界ランク1位の孫穎莎が15歳の張本美和にストレート勝ちを収めたものの、第2試合で早田ひなに東京五輪金メダリストの世界ランク3位・陳夢が1-3で敗戦。続く王芸迪が平野美宇にストレートで敗れ、王手をかけられたのだ。

 ただ、窮地に追い込まれた局面で中国は意地を見せる。第4試合で孫穎莎が早田とのエース対決をストレートで制すと、すべてを懸けた第5試合は陳夢が張本との大接戦を制し、なんとかタイトルを防衛した。

 文字通りの歴史的な死闘。この珠玉の攻防で中国の面々がいかに追い込まれていたかは想像に難くない。実際、最後のフラッシュインタビューで選手たちは涙ながらに言葉を漏らした。

「試合に出場するときはいつでも、チームのために1点ごとに全力を尽くせたと思う」

 そう目を潤ませながら語ったのは、張本との攻防を制してタイトルをもたらした陳夢だ。21年の東京五輪で金メダルを手にしていた卓球界屈指の名手は、飛躍を遂げた日本を正直に称えている。

「日本は近年で最も組織化されていたと思う。最後の試合は本当に緊張していました。あの15歳の選手が放つ影響力を前に居心地は良くなかったです。でも、勝つことが何よりも重要であり、私たちはお互いを励まし合いながら勝てました」

 逆境をはねのけ、精鋭揃いだった日本を打ち破った中国。その胆力に改めて卓球大国としての矜持を見た。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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