ダウン知らずの難敵が呆然の戦意喪失 中谷潤人の衝撃KO劇に米メディアも戦慄「今のナカタニに勝てる者はいるだろうか」
2025年2月25日(火)6時39分 ココカラネクスト

中谷の強打を受け、ロープを背に力なく座り込むクエジャル。(C)産経新聞社
王座統一を目指す男に隙はなかった。
2月24日、ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が、東京・有明アリーナで3度目の防衛戦に臨み、同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ)を3回KOで撃破。キャリアでダウン経験がない挑戦者との全勝対決を文字通り圧勝した。
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衝撃的な決着に会場がどよめいたのは3回だった。防戦一方となったクエジャルを仕留めんと攻勢に転じた中谷は左、右、左のコンビネーションで1度目のダウンを奪取。ほぼグロッキー状態となった挑戦者に対して猛攻。ぐっと間合いを詰めて強烈な左フックを食らわせた。
渾身の一撃に力なく崩れ、キャンバスに座り込んだクエジャルは、初ダウンによるショックと連打を受けた痛みからか、呆然とした表情のまま。10カウントの間に立ち上がれず。あっけなく勝負が決まった。
試合後のフラッシュインタビューで「クエジャル選手は背が高くて不安要素があった」と語った中谷。それでも3度目の防衛と30連勝。最後は相手の戦意を喪失させた内容を含め、圧倒的な強さが際立つ一戦となった。
貫禄すら漂わせる防衛劇は“ボクシングの本場”でも小さくない話題となった。米専門メディア『Boxing 24/7』は「クエジャルは何とか隙を見つけようと全力を尽くし、パンチで反撃した。しかし、ナカタニはまさに『一流』だった。相手を見定め終えると3回に頭部とボディにそれぞれ致命的なショットを打ち込んだ」とリポート。その異能ぶりを次のように評している。
「パウンド・フォー・パウンドのリストに絶対に載るべき素晴らしいファイターであるナカタニにとって、なんとも楽な夜だった。今、バンタム級の統一を望んでいるナカタニに勝てる者はいるだろうか? おそらくいない。少なくともバンタム級には存在しない」
タフなメキシカンを危なげなく退けた試合後には、リングに上がったIBF世界同級王者の西田凌佑(六島)に「やりましょう」とニッコリと笑った中谷。その不敵な笑みに、「ネクストモンスター」と称される男の底知れぬポテンシャルを垣間見た。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]