スバル/STI、スーパーGT王者奪還を担う2025年仕様のBRZ GT300をお披露目。新造車で多くの部分を改良

2025年2月26日(水)12時30分 AUTOSPORT web

 スバルとスバルテクニカインターナショナル(STI)は2月26日、静岡県の富士スピードウェイでスーパーGT GT300クラスに参戦するSUBARU BRZ R&D SPORTの2025年仕様を正式にお披露目し、シェイクダウンを行った。今季は車体およびカラーリングを一新し、2021年以来のチャンピオン奪還を狙う。


 2021年に井口卓人と山内英輝の手により悲願のGT300チャンピオンに輝いたスバル/STIだが、2024年はトラブルに悩まされ、ランキング16位と苦汁をなめた。迎える2025年に向けては11年目となる井口/山内コンビ、名門R&D SPORTのチーム運営、小澤正弘総監督、澤田稔監督、ダンロップタイヤ装着という不変の体制でタイトル奪還を目指す。


 すでにスバル/STIは、1月の東京オートサロン2025で参戦体制が明らかにしており、2月に入ってからは富士スピードウェイや岡山国際サーキットでのGTエントラント協会主催合同テストに参加している2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORT。


 2月26日に正式お披露目された2025年モデルは、東京オートサロンでの展示車両どおり、スバルおなじみのWRブルーを基調にホワイトのグラデーションライン、そしてマシン後部にSTIのチェリーレッドが入れられるカラーリングに一新されている。


 あわせて車体も新型に刷新し、規則変更に伴う車両重量増に対応した新型シャーシを投入。チームを率いる一方で車体開発も行う小澤正弘総監督によると、スーパーGTの参加条件(性能調整/BoP)の影響で、現在のZD8型を投入した2021年当時と比べ、車両重量が150kgほど重たくなったことに対応するために車体の剛性を上げ、フレームで修正できる部分をすべて盛り込んだのが今季からの新型車両だと説明した。


 外観では、空力性能を向上させるためにエアロコンセプトが一新された。大きな変化点はフロントボンネットということで、従来の“センターフロー”と呼ばれる空気を中央から抜く方式から、ウインドウの横を空気が抜ける“サイドフロー”に変更。これまでの走行を見るに「ダウンフォースが全体で増加しつつ、しっかりとCd値(空気抵抗)も抑えられている(小澤総監督)」とのことだ。


 また、今季のGT300ではレギュレーション変更によりフロントタイヤ幅が縮小されることになっており、タイヤ全体の接地面積が減少する。これに伴いホイールの横幅も小さくなるが、BBSおよびダンロップタイヤと開発を行い、従来と同じような剛性を得ているという。


 そのほかにも車体の電装系がこれまでのモーテックからコスワースに変わったことで、ステアリングがコスワース製の新型に変わっている。また、正式採用されるかはまだわからないとのことだが、シフトが従来のエア式から電気式になっている。

シェイクダウンに向かう2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORT
2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORTのコックピット。ステアリングを含む電装系が変更された


 井口は新型車で迎える2025年シーズンに向けて「昨シーズンは本当に辛く、苦しいシーズンになってしまいました。ですが、チームのみんなでいろいろと考え、高い壁を乗り越えるという部分においては絆が生まれたと思っています」と抱負を述べた。


「やはり、改めてこのメンバーで2021年のようなシリーズチャンピオンを獲得して、みんなで喜びたいと思いました。その目標に向かって今年は全力で取り組んでいきたいと思います。本当にスポンサーの皆さま、ファンの皆さまと喜びを分かち合える一年にしたいと思いますので、感謝の気持ちを持って全力で駆け抜けたいです」


 パートナーの山内英輝は「本当に昨年の非常に苦しい一年があったからこそ、今年は結果を“言葉ではなく実績”でしっかりと出していけるように、しっかりと記録と記憶に残るパフォーマンスができるように頑張っていきたいです」と語った。


「また、個人的には最多ポールポジションの回数を伸ばし、決勝優勝回数などの記録もしっかりと残していきたいです。一年間全力で戦い、たくさんテレビに映るように精一杯頑張っていきたいと思います」


 そして小澤総監督は「本当にみんなが一丸となって作ったクルマです。昨年の悔しい思い、本当に想定外のトラブルなどが多く、チームがバラバラになってしまうのではないかと思うほど難しいレースが続きました。」と、昨シーズンを振り返りつつ、今季への思いを続ける。


「そんななかでも、一丸となってシーズンを戦い抜くことができたのは我々のチームの良さだと思っています。今年はなんとしても、この新型車両で次ステップに進みたいと思いますので、応援をよろしくお願いいたします」


 2021年に新型車を投入すると、その年にいきなりチャンピオンに輝いたスバル/STI。今回の新車も構想は2023年にできあがっており、2024年はレースと同時進行で作り上げられた“みんなの思いが詰まっている”マシンだという。新車チャンピオン獲得の再現なるだろうか。

富士スピードウェイでお披露目&シェイクダウンが行われた2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORT
富士スピードウェイでお披露目&シェイクダウンが行われた2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORT
富士スピードウェイでお披露目&シェイクダウンが行われた2025年仕様のSUBARU BRZ R&D SPORT。ルーフの“61”ロゴは変わらず入れられる




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