ドジャース・佐々木朗希 メジャー適応へ見えた3つの課題 ほろ苦対外登板デビュー

2025年2月27日(木)1時30分 スポーツニッポン

 ドジャースの佐々木朗希投手(23)が25日(日本時間26日)、ホワイトソックスのマイナー打者相手のライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板した。先頭にいきなり被弾するなど、2回0/3で10人に38球を投げて2安打、2四球のほろ苦い対外登板デビューとなった。ただ同じ岩手出身の大谷翔平投手(30)も、米1年目の初対外試合では1被弾しているなど共通点は多い。今後の適応へ、3つの課題が見えてきた。

 いきなりの洗礼だった。佐々木は先頭の左打者ティールと相まみえた。23年ドラフト1巡目の有望株。2球目の直球を捉えられ、打球は右翼フェンスのはるか上空を通過した。

 その後は後続を断ち、続く2回は15球で3者凡退。だが、3回に制球を乱し、この回2つ目の四球を与えたところで降板となった。デーブ・ロバーツ監督は「朗希は良かった。メジャーの野球に順応しつつある」と評価したが、今後の適応へ3つの課題が見えた。

 (1)球速 指揮官によれば、最速は「90マイル半ば」。19日の初ライブBPで計測した最速95マイル(約153キロ)前後とみられる。最速165キロの佐々木からすれば、まだ2月下旬という時期を差し引いても、もっと球速を上げたいところだ。

 昨年は直球の平均球速が前年の159・1キロから156・0キロに低下した。昨年12月の各球団との交渉では「自分の球速がなぜ落ちたのか」と宿題を与え、分析を求めた。12日には「球速(低下)にどうアプローチしていくのか」と説明していた。生命線である直球の立て直しは急務だ。

 (2)制球力向上 本来は高い制球力を誇るが、38球中、18球がボール球だった。アリゾナ特有の乾燥した空気や滑りやすい大リーグ公式球、硬いマウンドなど、環境の変化に苦心している様子だ。ただ、投球を見守った大谷も米1年目に通った道で、対外デビューのオープン戦初登板は初被弾を含む1回1/3を2安打2失点と似た結果だった。山本を含め頼れる先輩から助言を受けられる環境は大きく、2人より早期適応できる可能性もある。

 (3)スライダーの本格解禁 直球とスプリット以外はスライダーが4球のみ。3回に傘下3Aの右打者エルコに左中間二塁打を浴びた。登板予定の3月19日の開幕シリーズ2戦目のカブス戦まで3週間。直球を仕上げ、スライダーの整備にも取りかかりたい。

 指揮官は、開幕までに求めることとして「5イニングを投げられるまでビルドアップすること」と語った。今後は3月4日(日本時間5日)のレッズ戦、11日(同12日)のガーディアンズ戦の登板が有力。実戦形式で課題が出たことを収穫とし、修正を繰り返していく。(柳原 直之)

 ≪昨年平均球速低下 最速も162キロ止まり≫ロッテ時代の佐々木はプロ4年目の23年に自己最速の165キロを計測。全登板15試合で160キロを超え、平均球速も159.1キロをマークした。ところが、昨年は最速が162キロにとどまり、平均球速も156.0キロに低下。被打率も.302と打ち込まれた。

 ▽大谷の対外登板デビュー エンゼルス1年目の18年2月24日、ブルワーズとのオープン戦に初登板初先発。初回に最速97マイル(約156キロ)を計測したが、直球はほぼ150キロ前後で、明らかに球威は出力不足だった。2回先頭のブロクストンには144キロ直球を捉えられ、左翼席にライナーで運ばれた。1回1/3を2安打2失点に「カウント球がちょっと苦労した。凄く勉強になった」と振り返っていた。

 ▼ホワイトソックス傘下3A・ティール(左腕クロシェットとのトレードで今オフにレッドソックスから移籍)対戦前に映像を見ていた。打ったのは内角の速球。才能がある彼と対戦するのはとてもクールだった。

スポーツニッポン

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