長島哲太、ヤマハと「同じタイムが出せる余力はある」ダンロップタイヤ開発の主旨は/全日本ロード 鈴鹿2&4 事前テスト

2024年2月28日(水)12時0分 AUTOSPORT web

 長島哲太が2020年のMoto2参戦以来、4年振りに二輪レースにフル参戦する。全日本ロードレース選手権 JSB1000クラスでホンダCBR1000RR-Rを駆り、ダンロップタイヤの開発を行いながらDUNLOP Racing Team with YAHAGIから参戦する。2月26〜27日に鈴鹿サーキットで行われた第1戦鈴鹿2&4レースの鈴鹿主催事前テストでは、2分07秒431をマークして総合5番手まで上げた。


 海外の選手権を経験してきた長島は、2020年にMoto2で優勝を果たす。2021年からはホンダ/HRCの開発ライダーを担当したが、MotoGPやWorldSBKの代役参戦、鈴鹿8耐では2連覇中。昨年は全日本ロード第7戦岡山でST1000に代役参戦して、転倒リタイアとなったがトップを走る実力を見せた。


■ダンロップタイヤ開発に携わる理由


 今年からJSB1000に参戦することになったが、タイヤはブリヂストン勢が多いなかでダンロップを使用。それもレースタイヤの実戦開発が目的だという。


「最後にライダー人生をかけて何かできるか考えていたタイミングで、ダンロップタイヤの開発のお話を頂いて、面白そうだったから引き受けました。ずっとスプリントレースに出たいと思っていたけどななかなかチャンスがなかったですし、ブリヂストンタイヤとホンダのマシンで走れば勝てる位置は走れると思います。でも3年計画のなかでどこまで持ってけるかがライダーとして楽しみだったので、このプロジェクトがスタートしました」と長島は語る。


 ダンロップタイヤユーザーで開発目的のライダーは他にもいるが、長島が開発タイヤはJSB1000で勝利ができるものとなる。「自分が使用するのは将来的にダンロップタイヤがJSB1000でも選ばれるようなタイヤになるものです。他のチームとは開発コンセプトが違う内容になります」と続けた。

長島哲太のマシン/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 鈴鹿主催事前テスト


 また、彼が乗る新型CBR1000RR-Rに目を向けると、オーリンズのサスペンション、ブレンボのブレーキキャリパーにはフィンがついている仕様。他チームとは異なり、鈴鹿8耐やWorldSBKのファクトリーマシンを駆る彼にスペシャルパーツが供給されたのかと思われたがそうではないという。


「全て購入できるものです。ブレンボもオーリンズも購入できるもので、スペシャルなパーツはついていません。タイヤ開発をしていく上のコンセプトでもあり、パーツかタイヤのどちらが良くなったのかわからなくなります。パーツは誰でも購入でき、タイヤが良くなったらこのパッケージをみんなが使えるという方が説得力があると思います」

長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 鈴鹿主催事前テスト


■初プロジェクト、初走行だった鈴鹿テストでの感触


 2月26〜27日の事前テストでは、2024年モデルの新型CBR1000RR-Rを駆った長島。また、チームの母体が7Cで、チームとしても初のJSB1000でデータがない状態からスタート。さらに、寒かったこともあり転倒者が多く、転倒がなかった長島は攻めた走りをしていないが2分07秒431で総合5番手だった。


 長島は「手探りの状態から始まって、制御から何からデータもゼロの状態からスタートしました。そんななかで、タイムもそこそこ出ていますし、やりたいことはある程度試せて、問題点の洗い出しもできました。最後にロングランもできたので、レースに向けて順調に準備ができてるかなと思います」といい、寒いコンディションのなかでも好調の滑り出し。


 ホンダのファクトリーマシンを知る長島に、キット車との違いを聞くと「ファクトリーバイクとキット車で大きな壁があるのは少なからず感じています。特に新型になり、シェイクダウンで何も煮詰まってない状態というのが一番大きくて、ここからがスタートでどんどん煮詰まっていけば、自分が去年に乗っていた鈴鹿8耐マシンやスーパーバイクのファクトリー車には、同じにはならないにしろ近づくことはできるのかなとは思います」と話す。


「この2日間テストして、もちろんまだヤマハファクトリーとは差があります。しかし、長年全日本を走ってるヤマハから、新規参戦チームに新規プロジェクト、シェイクダウンっていうなかで、1秒くらいしか差がないというのはある意味ポジティブです」


 2日間の総合タイムは、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が2分06秒130、長島が2分07秒431だった。しかし、まだ長島にはタイムの更新が期待できそうだ。


「まだ一発のタイムアタックはしていませんが、多分同じくらいのタイムが出せるだけの余力はあります。レースアベレージは改善しないといけない部分がありますが、そういう意味では予選でみんなをびっくりさせられるんじゃないかなと思います」


 最後に「多分、今のところアウトラップのS字カーブ最速です(笑)。そういったアドバンテージをうまく活かしながら、もちろんリスクはあるのでどこまでリスクを取って、どういうレース展開を持っていくのかは、タイヤの違いがあるからこそできる面白い部分だと思います。うまく使えるアドバンテージは使っていきたいなと思います」と意気込んだ。

長島哲太(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)/2024全日本ロード第1戦鈴鹿2&4 JSB1000 鈴鹿主催事前テスト


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