史上最多の22戦が行われる2025年のMotoGP!その舞台となるサーキットを一挙紹介

2025年2月28日(金)7時0分 AUTOSPORT web

 2月28日から3月2日にタイで開幕戦を迎える2025年シーズンのMotoGP世界選手権は、史上最多となる全22戦が開催される。ここではそのグランプリの舞台となるサーキットを紹介する。


* * * * *


■第1戦タイGP:チャン・インターナショナル・サーキット


チャン・インターナショナル・サーキット:コース図(2025MotoGP第1戦タイGP)

 2月28日から3月2日に開催される第1戦タイGP。その舞台となるのはタイ・ブリーラムにある『チャン・インターナショナル・サーキット』だ。


 多くのF1サーキットを手がけたヘルマン・ティルケがデザインし、2014年にオープン。こけら落としとして同年10月にスーパーGT第7戦が開催された。命名権を取得しているタイ・ビバレッジのビール“ビア・チャン”がサーキット名になっている。MotoGPは2018年の初開催以降、コロナ禍による中止を除き、カレンダーに並び続けている。2025年は、東南アジアとして25年ぶり、タイでは初となる開幕戦の地に選ばれた。


■チャン・インターナショナル・サーキット 概要


●サーキット情報
・全長:4.554km
・最長のストレート:1000m
・コーナー数:12
・右コーナー:7
・左コーナー:5
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:5〜6コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:26周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:19周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’28.700:フランセスコ・バニャイア(2024年)


■第2戦アルゼンチンGP:アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド


アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド:コース図(2025MotoGP第2戦アルゼンチンGP)

 3月14日から3月16日に開催される第2戦アルゼンチンGPのサーキットは、アルゼンチン内陸部のサンティアゴ・デル・エステロ郊外にある『アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド』だ。


 このサーキットは、2008年にオープン。2012年の大規模な改修ののち、2013年にMotoGPとMoto2の公式テストが行われ、翌2014年には同国で15年ぶりとなる第3戦アルゼンチンGPが開催された。


 2024年はアルゼンチン国内の情勢により、中止となったアルゼンチンGPは、2年ぶりに第2戦としてカレンダーに復活。2月20日には、MotoGPを運営するドルナスポーツは、観戦チケットが前回大会の2023年と比較して2倍以上の売れ行きを見せていると明かしている。


■アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド 概要


●サーキット情報
・全長:4.806km
・最長のストレート:1076m
・コーナー数:14
・右コーナー:9
・左コーナー:5
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:7〜8コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:25周
・Moto2クラス:21周
・Moto3クラス:18周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2023年)
スプリント:ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
決勝レース:マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’37.683:マルク・マルケス(2014年)


■第3戦アメリカズGP:サーキット・オブ・ジ・アメリカズ


サーキット・オブ・ジ・アメリカズ:コース図(2025MotoGP第3戦アメリカズGP)

 3月28日から3月30日に開催される第3戦アメリカズGPは、アメリカ・テキサス州のオースティンにある『サーキット・オブ・ジ・アメリカズ』が舞台となる。


 F1やWECでもお馴染みとなったサーキット・オブ・ジ・アメリカズ、通称“COTA”は、ヘルマン・ティルケが設計を手がけたサーキットのひとつで2012年にオープンした。MotoGPは2013年から開催されている。バンピーな路面が特徴のひとつであるものの、安全面での懸念があるなどにより何度か凹凸を減らす路面改修がされている。


■サーキット・オブ・ジ・アメリカズ


●サーキット情報
・全長:5.513km
・最長のストレート:1200m
・コーナー数:20
・右コーナー:9
・左コーナー:11
・回り:左回り(反時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:13〜14コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:20周
・Moto2クラス:16周
・Moto3クラス:14周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)
決勝レース:マルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
2’00.864:マーベリック・ビニャーレス(2024年)


■第4戦カタールGP:ロサイル・インターナショナル・サーキット


ロサイル・インターナショナル・サーキット:コース図(2025MotoGP第4戦カタールGP)

 第4戦カタールGPは4月11日から4月13日に開催される。その舞台となるのは、『ロサイル・インターナショナル・サーキット』だ。


 ドーハの北にあるロサイル・インターナショナル・サーキットは2004年にオープンし、その年からMotoGPが開催されている。2007年に屋外常設照明が設置され、2008年にはMotoGP史上初のナイトレースが開催された。2007年から2022年まで2023年を除く17シーズンで開幕戦の地となっていたが、2025年は第4戦に組み込まれた。


 2021年および2023年からF1が、2024年からはWECが開催され、近年は4輪の世界選手権の舞台にもなっている。


■ロサイル・インターナショナル・サーキット


●サーキット情報
・全長:5.380km
・最長のストレート:1068m
・コーナー数:16
・右コーナー:10
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:6コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:21周
・Moto2クラス:18周
・Moto3クラス:16周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’50.789:ホルヘ・マルティン(2024年)


■第5戦スペインGP:ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト


ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト:コース図(2025MotoGP第5戦スペインGP)

 4月25日から4月27日に開催される第5戦スペインGPは、『ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト』が舞台だ。


 スペイン南部・アンダルシア州にあるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトは、1985年にオープンし、今年で開業40年を迎える歴史のあるサーキットだ。
ロードレース世界選手権において軽量級クラスで多くのタイトルを獲得し2017年に亡くなった故アンヘル・ニエトの栄誉を讃え、2018年より現在の『ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト』に改称された。


 2025年シーズンは、この第6戦スペインGPからヨーロッパラウンドが始まる。


■ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト


●サーキット情報
・全長:4.423km
・最長のストレート:607m
・コーナー数:13
・右コーナー:8
・左コーナー:5
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:13コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:25周
・Moto2クラス:21周
・Moto3クラス:19周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’36.025:フランセスコ・バニャイア(2024年)


■第6戦フランスGP:ル・マン-ブガッティ・サーキット


ル・マン-ブガッティ・サーキット:コース図(2025MotoGP第6戦フランスGP)

 第6戦フランスGPは、5月9日から5月11日に『ル・マン-ブガッティ・サーキット』で開催される。


 名前からもお分かりの通り、ル・マン-ブガッティ・サーキットは、ル・マン24時間レースの舞台でもある。このサーキットと公道を繋げた全長13.626kmがル・マン24時間サーキット(通称:サルト・サーキット)となる。ピットレーンやパドックも共用されている。


 ル・マン-ブガッティ・サーキットは、非常設の公道コースであるサルト・サーキットに増設される形で1966年にオープン。名前は、自動車メーカー“ブガッティ”の創業者エットーレ・ブガッティが由来となっている。ロードレース世界選手権は、1969年に初開催を迎え、ポール=リカール・サーキットやマニクール・サーキットと交互にフランスGPの舞台となった。2000年以降は、ル・マン-ブガッティ・サーキットでのみグランプリが開催されている。


■ル・マン-ブガッティ・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.185km
・最長のストレート:674m
・コーナー数:14
・右コーナー:9
・左コーナー:5
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:8コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’29.919:ホルヘ・マルティン(2024年)


■第7戦イギリスGP:シルバーストン・サーキット


シルバーストン・サーキット:コース図(2025MotoGP第7戦イギリスGP)

 5月23日から5月25日に開催される第7戦イギリスGP。その舞台は『シルバーストン・サーキット』だ。


 こちらもF1でお馴染みのサーキットだろう。1948年にオープンし、1950年からF1が開催されている歴史あるサーキットのひとつだ。ロードレース世界選手権の初開催は1977年で、1986年まで10年間イギリスGPが行われた。大規模改修が行われ、現在のコースレイアウトとなった2010年にMotoGPのカレンダーへ復帰。2022年までは、現8〜9コーナーの旧ホームストレートをスタート/フィニッシュに使用していた。2023年からは、F1などと同じ様に現在のホームストレート(ハミルトン・ストレート)にスタート/フィニッシュラインを移し、新しいピット施設が使用されている。


■シルバーストン・サーキット


●サーキット情報
・全長:5.900km
・最長のストレート:770m
・コーナー数:18
・右コーナー:10
・左コーナー:8
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:7コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:20周
・Moto2クラス:17周
・Moto3クラス:15周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’57.309:アレイシ・エスパルガロ(2024年)


■第8戦アラゴンGP:モーターランド・アラゴン


モーターランド・アラゴン:コース図(2025MotoGP第8戦アラゴンGP)

 6月6日から6月8日の第8戦アラゴンGPは、『モーターランド・アラゴン』で開催される。


 スペイン東部内陸のアラゴン州にあるモーターランド・アラゴンは、ヘルマン・ティルケが設計し、2009年に開業したサーキットだ。MotoGPは、ハンガリーGPの代替地として2010年に初開催され、以降、2023年を除き、アラゴンGPとしてスペインで4つ目のグランプリが行われている。


 4輪レース用のコースレイアウトでは、最終セクションがヘアピンコーナーと切り返しで構成されているが、2輪レースでは、大きく回り込むの左コーナーとなっているレイアウトが採用されている。


■モーターランド・アラゴン


●サーキット情報
・全長:5.077km
・最長のストレート:986m
・コーナー数:17
・右コーナー:7
・左コーナー:10
・回り:左回り(反時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:9〜10コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:23周
・Moto2クラス:19周
・Moto3クラス:17周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)
決勝レース:マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’45.801:マルク・マルケス(2024年)


■第9戦イタリアGP:ムジェロ・サーキット


ムジェロ・サーキット:コース図(2025MotoGP第9戦イタリアGP)

 6月20日から6月22日に開催される第9戦イタリアGP。その舞台となるのは『ムジェロ・サーキット』だ。


 2024年に開業50周年を迎えたムジェロ・サーキットは、イタリア・トスカーナ州にあり、フェラーリのテストサーキットとしても有名だ。コロナ禍に見舞われた2020年は『トスカーナGP』として、F1レースが開催された。ロードレース世界選手権の初開催は1976年。1994年以降は、イタリアGPの舞台としてカレンダーに載り続けている。


■ムジェロ・サーキット


●サーキット情報
・全長:5.245km
・最長のストレート:1141m
・コーナー数:15
・右コーナー:9
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:12コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:23周
・Moto2クラス:19周
・Moto3クラス:17周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’45.801:ホルヘ・マルティン(2024年)


■第10戦オランダGP:TT・サーキット・アッセン


TT・サーキット・アッセン:コース図(2025MotoGP第10戦オランダGP)

 第10戦オランダGPは、6月27日から6月29日に『TT・サーキット・アッセン』で開催される。


 オランダ・ドレンテ州アッセンにあるTT・サーキット・アッセンは、シリーズ初年度である1949年からロードレース世界選手権が開催されており、以来、オランダGPとしても、その開催地としても一度もカレンダーから外れたことのない歴史のあるサーキットだ。サーキット名の“TT”は、マン島TTレースと同じく“ツーリスト・トロフィー(Tourist Trophy)”の略であり、元々『ダッチTT』という名称で開催されたオランダGPの舞台であることを示している。


■TT・サーキット・アッセン


●サーキット情報
・全長:4.542km
・最長のストレート:487m
・コーナー数:18
・右コーナー:12
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:3〜4コーナー


●MotoGPクラス 決勝レース周回数
・MotoGPクラス:26周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’30.540:フランセスコ・バニャイア(2024年)


■第11戦ドイツGP:ザクセンリンク


ザクセンリンク:コース図(2025MotoGP第11戦ドイツGP)

 7月11日から7月13日の第11戦ドイツGPは、『ザクセンリンク』で開催される。


 ドイツ東部、チェコとポーランドに国境を接するザクセン州のケムニッツ郊外。この地では1927年から公道を用いたレースがあり、そのコースが『ザクセンリンク』と呼ばれていた。この公道コースでは、東ドイツGPとしてロードレース世界選手権も開催されていた歴史がある。そして、東西ドイツ統合後の1996年に短くテクニカルな現在のザクセンリンクが新設され、1998年以降はドイツGPの舞台として親しまれている。


 ザクセンリンクは、カレンダーの中で唯一の4km未満の最も短く、6つしかない左回りのサーキットのひとつ。そして、マルク・マルケスの得意とするサーキットとしても有名だ。マルク・マルケスは、2010年の軽量級から数えて11レース連続優勝(125cc:1回、Moto2:2回、MotoGP:8回)を果たしており、2010〜2019年は10年連続ポール・トゥ・ウインと圧倒的な成績を残している。


■ザクセンリンク


●サーキット情報
・全長:3.671km
・最長のストレート:700m
・コーナー数:13
・右コーナー:3
・左コーナー:10
・回り:左回り(反時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:未発表


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:30周
・Moto2クラス:25周
・Moto3クラス:23周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’19.423:ホルヘ・マルティン(2024年)


■第12戦チェコGP:ブルノ・サーキット


ブルノ・サーキット:コース図(2025MotoGP第12戦チェコGP)

 第12戦チェコGPは、『ブルノ・サーキット』で7月18日から7月20日に開催される。


 このサーキットのあるチェコ・ブルノは、1930年から公道でレースが行われていたバイクレースに歴史のある地域だ。1965年には、ロードレース世界選手権 チェコスロバキアGPとして組み込まれ、レイアウトを変えながら、1983年まで公道コースで開催されていた。


 そして、1987年に『ブルノ・サーキット』がオープンすると、この年から同サーキットに舞台を移し、チェコスロバキアGPが復活。チェコとスロバキアが分離した1993年以降は、チェコGPとして2020年まで開催され続けていた。このコースは、チェコスロバキア共和国の初代大統領トマーシュ・マサリクにちなんで“マサリク・サーキット”とも呼ばれている。


 2021年からアスファルトの再舗装などでカレンダーから外れていたが、2025年に5年ぶりにチェコGPが復活した。


■ブルノ・サーキット


●サーキット情報
・全長:5.403km
・最長のストレート:636m
・コーナー数:14
・右コーナー:8
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2020年)
決勝レース:ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’19.423:マルク・マルケス(2016年)


■第13戦オーストリアGP:レッドブル・リンク


レッドブル・リンク:コース図(2025MotoGP第13戦オーストリアGP)

 夏休み明けの8月15日から8月17日に開催される第13戦オーストリアGPは、『レッドブル・リンク』がレースの舞台だ。


 オーストリア・シュピールベルグにあるレッドブルリンクも、F1で親しまれているサーキットのひとつだ。かつて“エステルライヒリンク”と呼ばれていた時は、約5.9kmの高速コースだったが、1996年にヘルマン・ティルケによる大改修で現在のコースレイアウトになり、“A1リンク”へと名前を変えて再オープンした。


 環境問題などにより2003年を最後にF1などの世界選手権が行われていなかったが、レッドブルのオーナーであるディートリヒ・マテシッツの手により、2008年から3年がかりの再開発を経て、2011年に2度目のオープンを果たした。


 オーストリアでのロードレース世界選手権は、1971年からザルツブルクリンクで開催されていた。レッドブルリンクでは、A1リンク時代に1996年から2年間開催されたものの、1997年を最後にカレンダーから外れていた。そして、レッドブルリンクとして再々オープンの5年後、2016年に19年ぶりにオーストリアGPが復活した。


 2020年のMotoGPクラスにおいて、1〜3コーナーで危険なクラッシュが発生したことをきっかけに、2022年に2コーナーにシケインが設けられ、MotoGPではシケインありのコースレイアウトが使用されている。


■レッドブル・リンク


●サーキット情報
・全長:4.348km
・最長のストレート:810m
・コーナー数:11
・右コーナー:8
・左コーナー:3
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:28周
・Moto2クラス:23周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’27.748:ホルヘ・ロレンソ(2024年)


■第14戦ハンガリーGP:バラトンパーク・サーキット


 8月22日から8月24日に開催され、第14戦ハンガリーGPの舞台となるのは、『バラトンパーク・サーキット』だ。


 バラトンパーク・サーキットは、2023年に完成・オープンしたばかり新しいサーキットとなる。名前にもあるバラトン湖は、中央ヨーロッパでも人気の観光地のひとつで、このサーキットは、東西に77kmと細長い湖の東端に位置している。


 ロードレース世界選手権においては、ハンガロリンクで1990年と1992年に開催されており、実に33年ぶりにロードレース世界選手権のカレンダーに名を連ねることとなった。なお、かつて2010年にハンガリーGPが計画され、建設が間に合わずキャンセルとなった“バラトンリンク”は湖の西端にあり、このサーキットとはまったくの別ものである。


■バラトンパーク・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.115km
・最長のストレート:-
・コーナー数:18
・右コーナー:8
・左コーナー:10
・回り:左回り(反時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス前大会優勝者(1992年:ハンガロリンク:WGP 500cc)
決勝レース:エディ・ローソン(カジバ)


■第15戦カタルーニャGP:カタロニア・サーキット


カタロニア・サーキット:コース図(2025MotoGP第15戦カタルーニャGP)

 第15戦カタルーニャGPは、『カタロニア・サーキット』で9月5日から9月7日に開催される。


 スペイン北東部、地中海に面するカタルーニャ州にあるカタロニア・サーキットは、1991年にオープンし、1992年バルセロナオリンピックでは自転車競技の会場として使用されたことでも知られている。


 F1スペインGPの舞台としても有名で、さまざまなレースカテゴリーで使用されている。低速から高速までバランスのとれたコースレイアウトが特徴だ。ロードレース世界選手権では、1996年の初開催以降、カタルーニャGPとして現在までカレンダーに載り続けている。


 2024年は、洪水で中止となったバレンシアGPの代替地に選ばれ、第20戦ソリダリティGPとしてシーズン最終戦の舞台となった。


■カタロニア・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.657km
・最長のストレート:1047m
・コーナー数:14
・右コーナー:8
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:24周
・Moto2クラス:21周
・Moto3クラス:18周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
・第6戦カタルーニャGP
スプリント:アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
・第20戦ソリダリティGP
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’38.190:アレイシ・エスパルガロ(2024年)


■第16戦サンマリノGP:ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ


ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ:コース図(2025MotoGP第16戦サンマリノGP)

 9月12日から9月14日に開催される第16戦サンマリノGP。その舞台は、『ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ』だ。


 1972年開業のミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、イタリア・エミリア=ロマーニャ州にあり、海岸から近いため海風の影響が大きいサーキットだ。
 1980年にこのサーキットでロードレース世界選手権 ネイションズGPが開催されると、1993年までネイションズGP(イタリアGP)もしくはサンマリノGPの舞台となった。


 2006年の大改修を経て、2007年にMotoGPカレンダーに復活し、サンマリノGPが開催されている。なお、1カ国1グランプリの原則によって開催地近くのサンマリノ共和国から『サンマリノGP』というグランプリ名となっている。


 また、2004年にサーキットへつながる道が新設された際には、2003年に事故死した加藤大治郎を称えて『Viale Daijiro Kato(加藤大治郎通り)』と命名された。


■ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ


●サーキット情報
・全長:4.226km
・最長のストレート:530m
・コーナー数:16
・右コーナー:10
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
・第13戦サンマリノGP
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)
・第14戦エミリア・ロマーニャGP
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’30.031:フランセスコ・バニャイア(2024年)


■第17戦日本GP:モビリティリゾートもてぎ


モビリティリゾートもてぎ:コース図(2025MotoGP第17戦日本GP)

 第17戦日本GPは、9月26日から9月28日に『モビリティリゾートもてぎ』で開催される。


 栃木県茂木町にあるこのサーキットは、『ツインリンクもてぎ』として1997年にオープン。ロードコースとオーバルコースが立体的に重なっており、両コースを同時に運用可能という珍しいサーキットでもある。


 ロードレース世界選手権においては、1962年から主に鈴鹿サーキットで日本GPが開催されていた。1999年にツインリンクもてぎで日本GPは初開催されると、鈴鹿での日本GPとは別にパシフィックGPとして2003年まで開催された。鈴鹿がカレンダーから外れた2004年以降は、もてぎが日本GPの開催サーキットとなった。コロナ禍で2度の中止があったものの、2022年に現在の『モビリティリゾートもてぎ』へ改称して以降もカレンダーに並び続けている。


■モビリティリゾートもてぎ


●サーキット情報
・全長:4.801km
・最長のストレート:762m
・コーナー数:14
・右コーナー:8
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:24周
・Moto2クラス:19周
・Moto3クラス:17周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’43.018:ペドロ・アコスタ(2024年)


■第18戦インドネシアGP:マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット


マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット:コース図(2025MotoGP第18戦インドネシアGP)

 10月3日から10月5日に開催される第18戦インドネシアGP。その舞台となるのが『マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット』だ。


 マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットは、リゾート地でも有名なバリ島の東隣にあるロンボク島の南端に位置し、海に面している。2021年に完成した新しいサーキットで、2022年には25年ぶりに復活したインドネシアGPの舞台となった。なお、サーキット名に“ストリート・サーキット”とあるものの、公道コースではなく常設のクローズドサーキットである。


■マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.301km
・最長のストレート:723m
・コーナー数:17
・右コーナー:11
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
決勝レース:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’29.088:ホルヘ・マルティン(2024年)


■第19戦オーストラリアGP:フィリップ・アイランド・サーキット


フィリップ・アイランド・サーキット:コース図(2025MotoGP第19戦オーストラリアGP)

 第19戦オーストラリアGPは、『フィリップ・アイランド・サーキット』で10月17日から10月19日に開催される。


 フィリップ・アイランド・サーキットは、オーストラリア・メルボルンの南東に位置し、その名の通りフィリップ島にあるサーキットだ。マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットと同様に海に面しており、風が非常に強く、高低差も激しい。


 ロードレース世界選手権は、1989年にこのサーキットでオーストラリアGPが初開催された。1992年にグランプリの舞台から外れるも、1997年から現在に至るまでフィリップ・アイランド・サーキットでオーストラリアGPが開催されている。


■フィリップ・アイランド・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.448km
・最長のストレート:900m
・コーナー数:12
・右コーナー:5
・左コーナー:7
・回り:左回り(反時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:23周
・Moto3クラス:21周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’27.246:ホルヘ・マルティン(2023年)


■第20戦マレーシアGP:セパン・インターナショナル・サーキット


セパン・インターナショナル・サーキット:コース図(2025MotoGP第20戦マレーシアGP)

 第20戦マレーシアGPは、10月24日から10月26日に『セパン・インターナショナル・サーキット』で開催される。


 マレーシアの首都クアラルンプール郊外にあるセパン・インターナショナル・サーキットは、ヘルマン・ティルケが設計を担当し、1999年にオープン。開業した年からロードレース世界選手権が開催されている。F1も2017年まで開催されており、国内カテゴリーでは、スーパーGTの海外レースの舞台でも知られているサーキットでもある。


 ヘアピンコーナーでつながるバックストレートとホームストレートが特徴的だが、回り込む1・2コーナーや鈴鹿サーキットのデグナーのような7・8コーナーなど、テクニカルな要素の多いコースレイアウトとなっている。2025年も、昨年に引き続きアジアラウンド最後の舞台となる。


 また、今シーズンは、同サーキットで12年ぶりにスーパーGTが開催されることが決まっている。


■セパン・インターナショナル・サーキット


●サーキット情報
・全長:5.543km
・最長のストレート:920m
・コーナー数:15
・右コーナー:10
・左コーナー:5
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:20周
・Moto2クラス:17周
・Moto3クラス:15周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’56.337:フランセスコ・バニャイア(2024年)


■第21戦ポルトガルGP:アルガルベ・インターナショナル・サーキット


アルガルベ・インターナショナル・サーキット:コース図(2025MotoGP第21戦ポルトガルGP)

 11月7日から11月9日の第21戦ポルトガルGPは、『アルガルベ・インターナショナル・サーキット』で開催される。


 ポルトガル・アルガルベ州のポルティマオ近郊にあるアルガルベ・インターナショナル・サーキットは、ホームストレートエンドの急な下り坂をはじめ高低差が大きいだけでなく、コーナーごとにアップダウンの激しいコースとなっている。F1では、2020年にコロナ禍の影響でキャンセルされたグランプリの代替地に選ばれ、同サーキットでF1レースが開催された。


 ロードレース世界選手権では、1987年に一度ポルトガルGPが開催された後、2000年から2012年までエストリル・サーキットで開催されていた。そして、2020年にアルガルベ・インターナショナル・サーキットに舞台を移し、8年ぶりにポルトガルGPが復活。2023年にはカタールGPに代わり開幕戦が行われた。


■アルガルベ・インターナショナル・サーキット


●サーキット情報
・全長:4.592km
・最長のストレート:970m
・コーナー数:15
・右コーナー:9
・左コーナー:6
・回り:右回り(時計回り)


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:25周
・Moto2クラス:21周
・Moto3クラス:19周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2024年)
スプリント:マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)
決勝レース:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’37.226:マルク・マルケス(2023年)


■第22戦バレンシアGP:サーキット・リカルド・トルモ


サーキット・リカルド・トルモ:コース図 (2025MotoGP第22戦バレンシアGP)

 11月14日から11月16日に開催される第22戦バレンシアGP。2025年シーズン最終戦の舞台となるのが、『サーキット・リカルド・トルモ』だ。


 スペイン・バレンシア州にあるサーキット・リカルド・トルモは、1999年にオープン。世界選手権で2度のチャンピオンを獲得した地元出身ライダーの故リカルド・トルモの栄誉を称え、その名前を冠している。この左回りサーキットのコースレイアウトは、高速で飛び込む1コーナーや大きく左に曲がる長い13コーナーなどが特徴的だ。開業初年度からバレンシアGPとしてロードレース世界選手権が開催されており、2002年からは最終戦の舞台として定着している。


 2024年シーズンは、バレンシア州内で大規模な洪水が発生。サーキット自体の被害は大きくなかったものの、周辺地域への影響や輸送の問題により中止となった。前述した通り、カタロニア・サーキットが代替地に選ばれ、“団結”を意味する『ソリダリティGP』が開催された。


■サーキット・リカルド・トルモ


●サーキット情報
・全長:4.005km
・最長のストレート:876m
・コーナー数:14
・右コーナー:5
・左コーナー:9
・回り:左回り(反時計回り)
・ロングラップペナルティ設置箇所:11コーナー


●決勝レース周回数
・MotoGPクラス:27周
・Moto2クラス:22周
・Moto3クラス:20周


●MotoGPクラス 前大会優勝者(2023年)
スプリント:ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)
決勝レース:フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)


●MotoGPクラス ラップレコード
1’28.931:マーベリック・ビニャーレス(2023年)


投稿 史上最多の22戦が行われる2025年のMotoGP!その舞台となるサーキットを一挙紹介autosport webに最初に表示されました。

AUTOSPORT web

「サーキット」をもっと詳しく

「サーキット」のニュース

「サーキット」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ