菅野智之、MLB成功のカギは“日本人を熟知する女房役” 田中将大やダルビッシュ有とも関係深めた「稀有な経験値」
2025年2月28日(金)11時0分 ココカラネクスト

メジャーでの成功のため、充実した春季キャンプを過ごしている菅野。(C)Getty Images
35歳にして海を渡った男は、充実した春を謳歌している。今オフに巨人からオリオールズに移籍し、年俸1300万ドル(約19億4000万円)の1年契約を結んだ菅野智之だ。
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現地時間2月26日には、敵地で行われたパイレーツとのオープン戦に登板。2イニング(22球)を投げ、被安打2、無失点と好投。奪三振こそなかったが、四球は1のみと、まずまずの内容でまとめた。
地元紙『Baltimore Sun』が「オリオールズが願った通りのデビュー登板だった」と褒めちぎった菅野。国際FAを公表して以来、MLB平均を下回る4シームの平均球速(91.9マイル=約147.8キロ)によるパワー不足に対する懸念が付きまとう35歳だが、この日は抜群の制球力と多彩な変化球を利した投球で、確かな印象を残した。
その投球を「見ていて本当に楽しい。期待したい」と語るブランドン・ハイド監督の言葉からくみ取っても、今の菅野は“新人”というよりも「日本からやってきた助っ人」という立場の方が近いのかもしれない。
そんな日本人右腕が締結したのは単年契約であり、やはり1年目から「結果」が求められる。そうした中で成功を掴むためのキーマンとなりえるのが、32歳の“女房役”ゲイリー・サンチェスだ。
今オフにオリオールズと契約を締結したサンチェスは、2015年にヤンキースでデビューを飾った強打が売りの捕手。メジャーで10年キャリアを積んできた中で、田中将大とダルビッシュ有という日本人エースとバッテリーを組んできた稀有な経験を有している。
十人十色と言われる投手だけに一概に括ることはできない。しかしながら、日本人投手のメンタリティや考え方を熟知するサンチェスの存在は、菅野にとっても頼もしい限りだろう。オリオールズも今春のキャンプではコンビを組ませる機会を増やしている。
もっとも、オリオールズの正捕手には、生え抜きの大型捕手アドリー・ラッチマンが君臨。レギュラーシーズン中にサンチェスが継続起用されるかは不透明ではある。ただ、26日のパイレーツ戦でもマスクをかぶった32歳に対しては菅野も「今日も試合前と試合中にたくさん話をした。全体的に良いコミュニケーションがとれていたと思う」と好感触を口にしている。
一方のサンチェスも菅野とバッテリーを組むことに意欲的だ。
「今日はとにかくいろいろな球種を投げること、そしてこっちは受けることに集中した。彼は僕に『一番いいと思うボールをなんでも要求してくれ』と言った。だから僕も『もし何か特別なものを投げたい、あるいは特別なことをしたいと思ったら、遠慮なくそうしていい』と言った。今年はお互いを知り、一緒に練習を続ける時間がたっぷりある。でも、今日は様々な球種を使うことが僕たちの目標だった」
関係性が深まることで、投球の幅も増えてくるのも想像に難くない。菅野がサンチェスとどのようなケミストリーを築くかは、シーズン開幕まで興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]