「言わなくていいかな」――異例の“結婚会見”で際立った大谷翔平の稀有な対応力 家族を守った姿に見た寵児たる所以

2024年3月1日(金)16時0分 ココカラネクスト

自身のパーソナルな情報を口外した大谷。その珍しいメディア対応の場でも偉才ぶりは際立った。(C)Getty Images

 雄弁は銀、沈黙は金——。球史に残るスーパースターの毅然とした対応は、まさにそれを体現していた。

 現地2月29日に報道陣の取材に応じたドジャースの大谷翔平には日本のメディアを中心にありとあらゆる質問が飛んだ。無論、話題の中心は前日に自身のインスタグラムで発表した結婚に関するものだった。

【画像】ファンも興奮の微笑ましい光景 大谷翔平&フリーマン愛息子の2ショット

 記者陣からはあらゆる角度から質問が飛び交った。これ自体は自然な行為ではある。日ごろからプライベートな情報を一切口外しない大谷が自ら設けた異例の場で、世界中の関心を集める情報を訊ける機会はそうそうない。

 ゆえに結婚発表時に「日本人」としていた相手に関する詳細や馴れ初めなどプライベートな情報を掘り出そうと、記者からは際どい質問も飛んだ。これに「皆さんがうるさいので(笑)」と冗談を口にする余裕を見せた大谷を見るに、ある程度の際どい問いかけを受けるのは、おそらく覚悟の上だった。

 だからこそ際立ったのは、質問への切り替えしである。

 芸能ニュースなどで当たり前に見られるプロポーズの言葉を聞き出された際には、「普通に言いました。あえて言う必要はないと思います(笑)」とキッパリ。さらに馴れ初めも「言えないです。言えなくはないですけど。言える範囲で? 短いスパンで何回かたまたま会ったので、それからというのが一番ですかね。日本で、です」と多くは語らなかった。

 おそらく最大の注目を詰めたパートナーに関しても「言わなくていいかなと思ってるので。いたって普通の人というか、普通の日本人の人です」と回答。ここでも重要な情報は明かさなかった。

 ネズ・バレロ代理人ら関係者たちと話し合い、パーソナルな一面を公にするための対応は整えていたのだろう。世界的な知名度を誇る自身の影響力を考え、非公表としたパートナーに関する情報を詮索しようとするメディアに毅然と対応し、最終的に「今日まずここで(発表を)して、あとは野球に集中したいなというのが一番です」と野球に目を向けさせた。その一連の振る舞いは、まさに圧巻の一語だった。

 SNS隆盛の時代となり、アスリートも自ら情報を発信していく“自己プロデュース力”が求められるようになった久しい。そうしたなかで多くを語らない大谷の対応は稀有とも言える。

 ただ、言わぬは言うにまさるとはよく言ったもので、大谷はメディアを巧みに交わすアプローチによって、「日本の国宝」(ドジャースのロン・ローゼンCMO談)と評されもする自らの価値を確実に高めている。

 日本ではニュース番組が特集コーナーを設けるなど結婚報道は大きな注目を集めた。そのなかでもブレずに“家族”を守り抜いた姿勢に、大谷が時代の寵児として敬愛される所以を見た。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「大谷翔平」をもっと詳しく

「大谷翔平」のニュース

「大谷翔平」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ