悲願のFIA TCRワールドランキング・ファイナル初開催へ。マカオ終了1週間後にイタリア・バレルンガで実施

2025年3月2日(日)12時50分 AUTOSPORT web

 瞬く間に世界を席巻するツーリングカー・シリーズに成長を遂げたTCRだが、その統括団体たるWSCは、FIA世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル/WMSC)が「開催日程を承認した」ことを確認し、ここまで幾度も開催がキャンセルされてきた“世界統一戦”こと『FIA TCR World Ranking Final(ワールドランキング・ファイナル)』の実施を発表。現在のFIA格式ワールドシリーズ『FIA TCRワールドツアー』の最終戦、伝統のマカオGPが終了して1週間後となる11月21〜23日に、イタリア・ヴァレルンガでの開催をプロットした。


 最高峰ワールドツアーを頂点に、各大陸ごとのリージョン選手権となるヨーロッパやサウスアメリカ、さらにアジアや東欧、中東などの耐久シリーズに加え、UK、ドイツ、イタリア、スペイン、デンマークなどの各国の国内選手権や、IMSAが内包するミシュラン・パイロット・チャレンジ、さらに日本のスーパー耐久ST-TCRクラスなど、世界中に数多くの登録シリーズが存在している。


 それらに参戦するドライバーは、自動的にTCRワールドランキングのシステムに組み込まれ、戦績や獲得ポイントによって毎週更新のランキング形式で格付けが行われており、この上位ドライバーから優先的にFIA TCRワールドランキング・ファイナルへの出場資格が付与される。


「WMSCがFIA TCRワールドランキング・ファイナルの導入を承認したことを、心よりうれしく思う。このファイナルは、同じく『FIAモータスポーツ・ゲームズ』と隔年開催で交互に実施されるものだ」と語るのは、おなじみTCRの生みの親でもあるWSC会長のマルチェロ・ロッティ。


「初開催のファイナルが、ツーリングカー競技の象徴的なトラックであるヴァレルンガで開催されることは非常にふさわしいこと。このファイナルへの参加は、世界中でTCRシリーズに参戦する多くの競技者にとって究極の目標となるだろう」


 初開催イベントの競技フォーマットやその詳細は「近日中に発表される予定」となっているが、その前週開催となる伝統の“ギアレース”にも大きな動きが出ている。


 今季2025年に向け、新しいカテゴリー管理の権利者を任命したTCRオーストラリア・シリーズは、国際モータースポーツプロモーターのデビッド・ソネンシャー率いる新団体が即時シリーズの管理を引き継ぐとアナウンスした。


 同時に、4月11〜13日にニュージーランドのタウポ・モータースポーツパークで開催される予定だったシーズン開幕戦のキャンセルを発表したソネンシャーは、その代替とばかりに全5戦で構成される改訂版カレンダーの最終戦に、サプライズの開催地としてFIA TCRワールドツアー併催によるマカオGPを指定した。

「WMSCが『FIA TCRワールド・ランキング・ファイナル』の導入を承認したことを、心よりうれしく思う」とWSC会長のマルチェロ・ロッティ
今季2025年に向け、新しいカテゴリー管理の権利者を任命したTCRオーストラリア・シリーズ


 創設初年度の2019年から、昨季2024年まで運営を担ったオーストラリアン・レーシング・グループ(ARG)が手を引き、新たにTCRアジア・シリーズのプロモーターであり、さらにTCR UKのフルタイムアドバイザーを務めるソネンシャーが、自身の組織であるモータースポーツ・アジアを通じ、この地域のツーリングカー・カテゴリーの推進に尽力することとなった。


「私は長い間、TCRオーストラリアが世界中のすべてのTCR競技のなかでもっとも競争力があり、プロフェッショナルなシリーズのひとつであると考えてきた。そのシリーズを管理する機会を得たことを誇りに思う」と述べたソネンシャー。


「シリーズは多くの面で新しい方向に向かっており、私は既存の経営陣、パートナーやサプライヤー、そしてもちろんTCRオーストラリアのチームと協力して、このカテゴリーをさらに前進させることに全力を尽くしたい」


 その就任直後、最初の仕事として改訂版のスケジュールを公開したソネンシャーは、タウポの開催中止に伴い6月上旬のパース(旧ワネルー・レースウェイ)を開幕戦として指名。9月の第4戦ザ・ベンドで世界戦の一行を迎え入れた後、TCRオーストラリアに出場するチームはWSCグループとの契約の一環として、マカオへの輸送費を負担される。


「世界でもっとも象徴的なサーキットのひとつ、そしてドライバーにとって間違いなく最大のチャレンジの1戦に、こうしてTCRオーストラリア・シリーズを持ち込むことができて本当にうれしい」と続けたソネンシャー。


「ワールドツアーとの協力を拡大し、マカオという最高の国際舞台にて、才能あるオーストラリア人ドライバーを紹介する機会は、グローバルなTCRプラットフォームがすべての参加者に提供するユニークな機会を証明したものだ」


 同じく前出のロッティも「TCRオーストラリアは、同国におけるツーリングカーレースの長年の伝統に根ざした、TCRのなかでもつねに重要かつエキサイティングなシリーズのひとつだ」と歓迎の意を示した。


「昨年、物流上の問題でFIA TCRワールドツアーのオーストラリア戦を中止せざるを得なくなったとき、我々はすぐに2025年に再開することを目指して作業を開始した。まずはザ・ベンドでのイベントを確定させることが重要だったんだ」とロッティ。


「協力関係を2戦目のイベントにまで拡大し、オーストラリアの競技者にマカオでシーズンを終えるというユニークな機会を提供できたことは素晴らしいことだね」

改訂版カレンダーの最終戦に、サプライズの開催地として『FIA TCRワールドツアー』併催によるマカオGPを指定した
モータースポーツ・アジアを率いるデビッド・ソネンシャー


■TCRオーストラリア・シリーズ2025年改訂版カレンダー


ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 6月6〜8日 『Perth Super 440』(ワネルー・レースウェイ)
Rd.2 6月27〜29日 『ONE RACEWAY』(ワン・レースウェイ)
Rd.3 8月22〜24日 『RACE WINTON』(ウィントン・モーターレースウェイ)
Rd.4 9月12〜14日 『THE BEND 500』(ベンド・モータースポーツパーク)※
Rd.5 11月13〜16日 『マカオGP』(ギア・サーキット)※
※FIA TCRワールドツアー併催


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