エ軍契約ならマイナー拒否権もあった…打率.071ともがくド軍キム・ヘソンが早くも迎える正念場「危機の兆候は確かだ」

2025年3月2日(日)6時30分 ココカラネクスト

打席内でバットを睨むキム・ヘソン。その顔つきが物語るように今の彼は本領を発揮できずにいる。(C)Getty Images

 一躍ブレイクを期待される韓国球界の俊英だが、レギュラーシーズンの開幕を前に立場が揺らいでいる。今オフにドジャースに入団したキム・ヘソンだ。

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 韓国キウム・ヒーローズからポスティングシステムを利用したキム・ヘソン。カブス、エンゼルス、マリナーズが高額オファーを提示した中で、「とにかく最高のチームの一員になりたかった」と本人がこだわりぬいたのが、ドジャース入団だった。

 28、29年に球団オプションが付帯する3年総額1250万ドル(約19億6250万円)でドジャースとサイン。オフに正二塁手だったギャビン・ラックスをレッズに放出したチーム事情もあり、二塁手としてのレギュラー争いが期待されたが、今春はさっそく壁にぶつかっている。

 いまだオープン戦での14打席というスモールサンプルに過ぎないが、打撃成績は打率.071(14打数1安打)、出塁率.181、5三振と散々な内容に終始。KBOリーグ通算打率.304、出塁率.364の巧打者ぶりは鳴りを潜めている。

 無論、「打撃に疑問点はある」と指摘するデーブ・ロバーツ監督をはじめ、ドジャース首脳陣も改善を図ろうとはしている。春季キャンプでは平均球速がKBOリーグよりも5キロも早いMLBの投手たちに対応するために打撃フォームの修正に着手。テクニカルな面での抜本的な見直しは行っている。

 それでも1割も下回る低空飛行。この鳴かず飛ばずの逸材が置かれた状況に母国メディアからもシビアな声が飛び始めている。韓国のスポーツメディア『OSEN』は「このままでは本当にマイナーリーグに行かなければならなくなるかもしれない。簡単ではない現実の壁に直面し、危機の兆候であることは確かだ」とキム・ヘソンの差し迫った立場を伝えた。

 興味深いのは、仮にエンゼルスと契約していれば、メジャーでの調整が続けられていたという点だ。キム・ヘソンに提示された「条件はドジャースよりも良かった」というオファーにはマイナー拒否権が付帯。いかなる場合においても26人のロースターから外れずにいられたはずだった。

 ただ、本人はドジャースの幹部たちも思案するマイナーリーグでの調整も覚悟の上ではある。現地時間2月20日に韓国のYouTubeチャンネル『Off The TV』に出演した際に、次のように明かしている。

「契約のタイミングで僕はマイナーリーグに行かないという選択もできたと思います。でも、メジャーでダメならマイナーリーグに下がるのも正しいと思ったんです」

 早くも正念場を迎えているキム・ヘソン。韓国球界の未来を担う若き名手は、ここからいかに巻き返すか。マイナー降格も覚悟する若武者の挑戦は続く。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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