久保建英をバルサへ推薦した元新潟コーチのレポートが公開「礼儀正しく、丁寧で、献身的」
2025年3月2日(日)18時7分 サッカーキング
レアル・ソシエダ所属MF久保建英[写真]=Getty Images
久保は2011年に10歳でラ・マシアに加入。それを大きく後押ししたのは、2020年にアルベル・プッチ・オルトネダ監督のもとアルビレックス新潟でヘッドコーチを務めたオスカル・エルナンデス氏(現ヘタフェBコーチ)だった。
2014年にバルセロナ所属のスペイン代表FWラミン・ヤマルをラ・マシアにスカウトしたことでも知られるエルナンデス氏は、2009年に横浜で行われたバルセロナのキャンプで、当時川崎フロンターレの下部組織に所属していた当時8歳だった久保を見て驚嘆。同選手をラ・マシアに加入させることを熱望し、あらゆる手を尽くしたという。
そんなエルナンデス氏はバルセロナに久保を推薦するためのレポートを作成。同選手の技術的能力について「頭を上げて素早くボールを扱う素晴らしい能力を持っており、これによりチームメイトがどこにいるかを常に把握することができるまた、実際の試合であらゆる種類のドリブルやフェイントをとても効果的に実行できる。また、シュートの能力も優れており、パスは非常に正確で常にベストなラインを探している」とレベルの高さを説明した。
また、久保の戦術的能力について「対戦相手の動きを予想し、様々なアクションやパスを成功させる優れた周辺視野を持っている。また、効果的にマークを外し、パスコースを容易に確保し、自分のポジションをしっかりと保ちながら、守備のタスクにも熱心。非常に多才で、両足を使える」と説明。「年齢に不相応なほど成熟している。また、礼儀正しく、丁寧で、献身的」と優れた人間性も備えていることも説明し、久保を強く推薦した。
バルセロナの首脳陣は、久保をラ・マシアに加入させるという案を「狂気の沙汰」と捉えたが、エルナンデス氏は何度もクラブに対し「チャンスを与えて欲しい」と働きかけた。その結果、当時ラ・マシアの責任者だったアルベル・プッチ・オルトネダ氏が承認。久保はトライアルで能力を示し、バルセロナと契約するに至ったという。
トライアルで久保のプレーを見たクラブ関係者は、『RELEVO』の取材で「オスカル(エルナンデス氏)は『この子は素晴らしい』と言い続けていた。そして、私たちはトレーニングでそれを確認した」と当時を振り返り、続けて「久保は、同じ年齢の時のラミン(ヤマル)より凄かった」と久保が与えたインパクトの大きさを説明した。
その後、ラ・マシアの中心として活躍した久保だったが、バルセロナは2014年4月に、過去の18歳未満の選手の獲得ならびに登録に関する規定違反があったとして、FIFAから移籍市場における活動禁止処分など複数の制裁を受ける。その影響で久保は公式戦出場ができなくなり、2015年にクラブを退団することになった。