F1第1戦木曜会見:「競争へのモチベーションを今も保ち続けている」現役最年長のアロンソ、20年目のシーズンへ

2023年3月3日(金)17時47分 AUTOSPORT web

 2023年最初のドライバー定例会見には、現役最年長のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とルーキー3人、そして4年ぶりのフル参戦復帰となるニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)という顔ぶれとなった。3人のなかでは最年長、28歳の遅咲きの新人ニック・デ・フリースには、アルファタウリの新車について、そしてチームメイトの角田裕毅に関するこんな質問が飛んだ。


Q:先週のプレシーズンテストでは、アルファタウリのペースがなかなか読めませんでした。
デ・フリース:勢力図を明確に読み取るのは難しいと思う。トップグループはかなり明確に決まっていると思うけど、中団勢は本当に接近しているからね。そのなかで自分たちがどこにいるのかを知るのは難しい。それに加えて週末ごとに、コース特性によって、勢力図はシャッフルされる。土曜日の夜にはバーレーンでの順位がわかるだろうけど、次のサウジアラビアでは、少し違う場所にいるかもしれない。でも、どこでも競争力があることを期待しているよ。


Q:先ほど角田に取材したところ、あなたがチームに与える技術的なフィードバックは、角田がクルマで感じること、クルマに求めるものとかなり違っていると話していました。それはドライビングスタイルの違いか、あるいは新車へのアプローチの違いもしれない、と言っていました。
デ・フリース:まだ新車で走り出したばかりだけど、裕毅が言ったことに同意する部分もある。いずれにしてもチームとして、全員で取り組むべき領域があるのは明らかだ。中団グループの争いが熾烈だろうから、なおさらにね。今週末のバーレーンは、今年の僕らのパッケージにとって必ずしもベストとは言えないかもしれない。でもそれもゲームの一部だから、これからも改良を続けてもっとよくしていきたいね。

2023年F1第1戦バーレーンGP ローガン・サージェント(ウイリアムズ)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)


 この7月に42歳となるアロンソは2001年にF1デビュー。今年で20シーズン目を迎える。ちなみにルーキーのひとり、オスカー・ピアストリ(アルピーヌ)は、アロンソのレースデビューの1ヶ月後に誕生した。


Q:自分がF1デビューした時にまだ生まれていなかった青年と、こうして一緒にレースをするのはどんな気持ちですか?
アロンソ:まだF1で戦えていることは、素直に嬉しいね。年齢的な心配は、全然してない。ただたとえば運転中に今までしなかったミスをするとか、旅に出る意欲がなくなるとか、朝起きてトレーニングをめんどくさく感じるとか、そういうことをを感じるのは、おそらく僕が最初だろうね。でも今のところは、最年長であることのメリットしか感じていない。クルマもタイヤもわかっている。今年走ることになるサーキットも、多くはすでに走ったことがあるからね。


Q:チームが変わることで、新たなモチベーションも生まれる?
アロンソ:新しい人たちに出会い、新しいレース哲学や、クルマのデザインへの取り組み方などに触れられるので、常に新鮮だよ。でも同時にゼロからすべてを学ばなければならないし、新しいシートも作らなければならない。同じチームにいれば、冬はもう少しリラックスできるものなんだけどね。


Q:2001年のデビュー以来、ずっとあなたを見てきました。これだけのキャリアを経て、今も毎日健康で若々しくいるための秘訣は何ですか?
アロンソ:自分でもわからない。ただ競争へのモチベーションは、今も保ち続けているね。2018年にF1をやめようとしたときでさえ、結局はWECやダカール、インディなど、毎週末違うレースに出ていたしね。そしてF1に再び戻ってきたときは、これから人生の他の部分を犠牲にして、このスポーツに自分を捧げなければならないと覚悟した。それが3年なのか、あるいは5年、7年か……。とにかく秘密はない。自分の情熱に、人生を捧げるだけだ。そして自分の体のことをよく知ることで、よりよいトレーニングをし、よりよい食事ができる。そうすれば、キャリアを長く続けられる。


Q:それは純粋に運転が好きなのか、それとも競争への愛ですか?
アロンソ:(キッパリと)競争だよ! だからテストでは、これ以上走りたくない(笑)

2023年F1第1戦バーレーンGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)&フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)


 なぜアロンソがF1でこれほど長いキャリアを築き、しかも常に一流の走りを披露できているのか。今回の会見はアロンソ自身がその秘密を率直に語り尽くす、非常に珍しい機会となった。


 若さの秘密を問われたアロンソは、レースへの愛があるからこそと即答した。だからこそ、たとえ優勝を狙えない位置にいても、純粋にレースを楽しみ、モチベーションを失わないということなのだろう。



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