インディカー2025年シーズン開幕。王者パロウ、新スペックタイヤ駆使し逆転勝利/第1戦決勝
2025年3月3日(月)14時4分 AUTOSPORT web

3月2日、アメリカ・フロリダ州にあるセント・ピーターズバーグ特設コースにて、2025年NTTインディカー・シリーズの第1戦『ファイヤストン・グランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ』の決勝が行われ、チップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウが優勝を飾った。
いよいよ幕が開けた2025年シーズン。第1戦は恒例となっているセント・ピーターズバーグにある滑走路と市街地を繋ぎ合わせた特設コースで100周のレースが行われる。今年は、昨年導入されたハイブリッドシステムを使って行われる初のフルシーズンとなっており、さらにこの開幕戦からはタイヤにも新スペックが投入されている。とくにソフト寄りのオルタネートタイヤが、グリップ力を高めた一方で摩耗による劣化がより進みやすいものが採用された。
決勝前日に行われた予選では、最速タイムである59秒4624をマークしたスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がポールポジションを獲得。そこにコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・W/カーブ・アガジャニアン)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング)が続くトップ3になっている。
いよいよ晴天のもとでグリーンフラッグが振られると、隊列を率いるスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がスタートを華麗に決め、早くもリードを広げながら1コーナーへと飛び込んでいった。
しかしスタート直後の3コーナーにて、後方の3台が絡むクラッシュが発生した。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン)のリヤをプッシュしてクラッシュし、そこにルイス・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も巻き込まれて今シーズン最初のフルコースコーションが導入となる。
このコーションの間、オルタネートタイヤでスタートしていたハータ、パロウ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)らが続々とピットへ向かい、装着義務を済ませたオルタネートから、ハードよりのプライマリータイヤへ早々に交換する。一方で、先頭のマクラフランや2番手ローゼンクヴィストらは、プライマリーでスタートしていたためステイアウトすることになった。
7周目にリスタートが切られると、マクラフランを先頭に、ローゼンクヴィスト、マーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング)と隊列が続く。レースはこの後クラッシュなく進行し、マクラフランを筆頭とする先頭グループは最初のルーティンピットへ。ここで、装着義務の残るオルタネートタイヤを装着し、先行ピット組のハータらに続く。
そして、プライマリーを履くハータらも近いタイミングで2度目のピットインを行い、隊列は再シャッフルされることに。しかしハータは、タイヤ交換でロスが生じてポジションダウンし、先頭争いからは脱落してしまった。
ここからは、最初のコーション以降にプライマリーを連投するニューガーデン、ディクソン、パロウらと、劣化の激しいオルタネートタイヤの装着義務を消化するマクラフラン、アームストロング、ローゼンクヴィストらのペース差が徐々に開いていく展開となる。ここでギャップを築いたプライマリー組はそのままレース後半にかけてさらにリードを広げ、70周を超えたころには最後のルーティンピットへ。
ここでパロウがオーバーカットを決め、ニューガーデンや無線トラブルに手を焼いていたディクソンを鮮やかにパス。75周目にはマクラフランらも最終ピットへ向かったことで、パロウが首位に立った。
この時点でパロウは5秒ほどの差を築いていたが、ニューガーデンとディクソンは2番手を激しく争いながらもギャップを縮めてくる。最終盤には、パロウが周回遅れの選手に詰まり始めたことでトップ3が一気に接近した。
2番手ニューガーデンも、一時はパロウの0.5秒後方まで詰めることができたが、それでもパロウは攻め入る隙を見せず。そのままパロウがトップチェッカーを受け、最高のシーズンスタートを飾ってみせた。その背後では、2番手ニューガーデンの後ろで余力を残していたディクソンが、若干タイヤの垂れたニューガーデンをファイナルラップでパス。チップ・ガナッシ・レーシングが開幕戦をワン・ツーで締め、ニューガーデンが表彰台の最後の一角を手にした。
2025年インディカーシリーズ第2戦は3月23日、カリフォルニア州パームスプリングス郊外にあるサーマル・クラブにて『ザ・サーマル・クラブ・インディカー・グランプリ』が開催される予定だ。
投稿 インディカー2025年シーズン開幕。王者パロウ、新スペックタイヤ駆使し逆転勝利/第1戦決勝は autosport webに最初に表示されました。