井上尚弥戦が迫るネリは“ヒール扱い”に何を思う? 母国で語った日本への特別な想い「俺は歓迎なんかされていない」

2024年3月3日(日)6時0分 ココカラネクスト

井上戦に向けて準備を進めているネリ。彼自身は日本を嫌ってはいない。(C)Getty Images

 かつて日本のボクシングファンを向こうに回したメキシコの“悪童”だが、東洋の島国に特別な感情もあるようだ。

 元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)は、来る5月6日にスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)とのタイトルマッチが決定的と見られている。2月26日には、JBC(日本ボクシングコミッション)が2018年に下されていた活動停止処分とライセンス申請資格の回復を承認し、いよいよ開催は秒読み段階になったと言える。

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 昨年にスーパーバンタム級で2戦2勝を挙げ、11月のWBC年次総会で指名挑戦者となったネリの実力は、井上も「順を追ってちゃんとこなしてきている」と認めるところではある。一方で彼を忌み嫌うファンは少なくない。

 2017年8月と18年3月に実施した山中慎介氏との試合でドーピング違反と大幅な体重超過を犯した29歳は「悪童」のレッテルを貼られた。実際、井上との試合が決定的となった報道が出た際にはネット上で反発の声が噴出。「(井上が)わざわざ相手にする必要性はないのではないか」と論ずる者も少なくなかった。

 彼の犯した愚行を考えれば、必然ではあるものの、完全に「ヒール扱い」を受けているネリ。ただ、彼は自身が毛嫌いされる日本を尊重する想いを秘めている。

 意外とも言える一面が見えたのは、今年1月に母国のポッドキャスト番組『Un Round Mas』に出演した際の一コマだ。日本での自身の立場について「俺は歓迎なんかされていない。それは分かっている」と話したネリは、こう続けていた。

「日本では個人的に良い時間を過ごせたと思っている。美しい国だし、あそこで試合をできることは純粋な喜びでもある」

 さらに「観光はできるけど、イベントには変装でもしない限りは入らせてもらえないんだ。俺は好まれていないんだよ」ともネリは漏らした。もっとも、東京ドーム開催が有力視されている今回の決戦に向けては、WBCがJBCとの協同で事前計量の厳格運用とADA(ボランティア・アンチドーピング機構)による抜き打ちドーピング検査とドラッグテストを義務付けてもいる。ゆえに6年前のような横暴をすれば、ボクシング界からの完全追放は免れられない。

 自ら「美しい国」とリスペクトを示した日本でネリはいかに井上と戦うのか。まずは正式な試合開催決定の知らせを待ちたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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