今季大ブレイク間違いなし!注目のドリブラー6傑【J2リーグ2025】
2025年3月3日(月)16時0分 FOOTBALL TRIBE

サッカーにおいて「ドリブル」とは、ボールを保持しながら運ぶことでありサッカー選手にとって基礎的技術の一つである。近年、日本人選手はドリブラーが増加傾向でありドリブルを武器に海外で活躍する選手の姿も多く見受けられる。代表的な選手として、イングランド1部リーグのブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンに所属するMF三笘薫やスペイン1部リーグのレアル・ソシエダに所属するMF久保建英などが挙げられる。
ここでは、2025明治安田J2リーグに所属する選手にフォーカスを当て、今季ドリブラーとして大ブレイクを遂げるであろう6選手を紹介する。

MF笠柳翼(V・ファーレン長崎)
1人目はV・ファーレン長崎のMF笠柳翼。群馬県の名門・前橋育英高校出身で、3年次に出場した第100回全国高校サッカー選手権大会では優秀選手に選出されている。卒業後の2022シーズンにプロデビューを果たしたが、U-19日本代表の練習試合で負傷し同年J2リーグでの出場は2試合に留まった。翌2023シーズンは19試合出場で2ゴール2アシスト、2024シーズンには34試合出場3ゴール7アシストを記録と徐々に頭角を現した。
笠柳の特徴といえば、緩急をつけたドリブルや初速の速さで相手を置き去りにするなど個で打開できること。サッカーIQも高く、最適な判断を瞬時に下すことが出来るアタッカーである。今シーズンもここまで3試合すべて先発で出場しており、3月1日に行われた第3節のジュビロ磐田戦(1-0)では決勝ゴールを挙げるなど順調なスタートを切っている。

MF角昂志郎(ジュビロ磐田)
2人目は筑波大学から今季J2のジュビロ磐田に入団したMF角昴志郎。身長166センチ体重66キロと小柄ではあるが、ドリブルをはじめ足元の技術は折り紙付きである。昨2024シーズンは筑波大学に在学中ながら特別指定選手として登録され、第28節の北海道コンサドーレ札幌戦(0-2)でJリーグデビューを果たすと早速その特徴を発揮。この試合で角は、右サイドでこぼれ球を拾い中央までドリブルで駆け上がると効き足ではない左足でミドルシュートを放ち、積極性と存在感を見せつけた。
今シーズンも開幕節の水戸ホーリーホック戦(3-2)や第2節のサガン鳥栖戦(1-0)で途中出場を果たしている。相手サイドを切り裂く角のドリブルに是非注目してほしい。

FW新川志音(サガン鳥栖)
3人目は今季開幕直前にサガン鳥栖のトップチームへ2種登録加入が発表された17歳のFW新川志音(鳥栖U-18)。今冬の沖縄キャンプにも帯同していたが、2種登録されたことでJ2などトップチームの試合にも出場できることになった。新川は2月8日に行われたFUJIFILM SUPER CUP2025「NEXT GENERATION MATCH」(U-18Jリーグユース選抜VS日本高校サッカー選抜)にもJユース選抜チームに選出され出場。キレのある仕掛けを見せていたのが印象的だった。
そんな新川は2月22日に行われたJ2第2節のジュビロ磐田戦(0-1)で後半33分から投入されると、自らの仕掛けからPK獲得に貢献するなど早くも頭角を現している。鳥栖でスタメンを張りコンスタントに活躍が出来れば、10代のうちに海外クラブへステップアップ移籍を遂げる未来もそう遠くないのかもしれない。

MF吉田源太郎(ジェフユナイテッド千葉)
4人目には今オフにJ3のカマタマーレ讃岐から完全移籍でジェフユナイテッド千葉に加入したMF吉田源太郎を挙げる。四国学院大学在学中の2022年4月に特別指定選手認定および2023シーズンからの讃岐加入内定が発表され、翌月にはJ3リーグ第9節のテゲバジャーロ宮崎戦(0-0)に出場しJリーグデビューを飾った。吉田は2024シーズンまでの3年間でリーグ通算82試合出場8ゴール4アシストを記録。緩急やスピード、フィジカルを活かした縦への突破力はJ3リーグで群を抜いていた。
この活躍もあり、今シーズンからはJ2の千葉へ移籍。いまのところ公式戦での出場はないものの、MF椿直起やMF岩井琢朗らとのポジション争いを制するポテンシャルを秘めている。まずは限られた出場時間の中で結果を残し序列を上げていきたいところだ。

MF横山夢樹(FC今治)
5人目は昨シーズンのJ3リーグで優秀選手賞に選出されたFC今治のMF横山夢樹。実父は横浜FCなどで活躍した元プロサッカー選手の横山博敏氏であり、実兄は現在ベルギーのヨング・ヘンクでプレーするFW横山歩夢とサッカー一家で育っており、元日本代表の中田浩二氏や名古屋グランパス所属のMF稲垣祥ら数多くのプロ選手を輩出している名門の帝京高校を卒業している。2023シーズンの特別指定を経て2024シーズンからはFC今治に加入している。
プロ1年目の昨シーズンはJ3リーグで29試合出場6ゴール4アシストと早速結果を残した横山。シュート精度の高さやパスセンスはもちろん、特徴は何といっても「緩急をうまく使い分けたドリブル」である。ギアを上げ一瞬で相手を置き去りにするプレーが魅力だ。今シーズンのパフォーマンス次第では早々にJ1や海外クラブへの移籍が実現するかもしれない。

MF松澤海斗(V・ファーレン長崎)
最後はV・ファーレン長崎からMF松澤海斗を挙げる。「技巧派ドリブラー」として呼び声が高い松澤は、サッカー王国である静岡県の富士市立高校から名古屋経済大学を経て2023シーズンに長崎へ加入。同シーズン第27節のモンテディオ山形戦(1-5)でプロデビューを果たすと、翌節のロアッソ熊本戦(4-1)では、ボールを握った松澤が相手2選手をエラシコ(※)で抜くドリブルを見せるなど、長崎サポーターに大きな衝撃を与えた。
今シーズンも開幕節(ロアッソ熊本戦3-2)から圧巻のプレーでスタジアムを沸かせた。1点ビハインドの後半14分に左WGの位置に入ると、直後の同17分に左サイドでボールを握りボックス内に侵入。右、左と2回切り返してファーサイドにクロスを供給しMFマテウス・ジェズスの同点ゴールをアシストする。さらに同19分にも左サイドの低い位置でボールを握ると、細かいボールタッチで相手DFをいなしてペナルティエリア中央付近までボールを運ぶ。相手選手3人を引き付けた状態で味方選手にパスすると、その流れからFWエジガル・ジュニオの逆転ゴールが生まれており、この日のマン・オブ・ザ・マッチに相応しい活躍ぶりを見せている。
この活躍ぶりにはSNSでも「まるで三笘(薫)のようだ」「世界にばれる」などサッカーファンたちからの反響も大きく、J1のみならず世界中から熱い視線が注がれそうだ。
※ドリブル中、ボールを外側へ押し出した直後に逆側へ切り返して相手をかわすフェイント技術。
以上、今季大ブレイクを遂げるであろうJ2所属のドリブラー6選手を一挙紹介した。なかでも、長崎のMF笠柳翼やMF松澤海斗は別格ともいえるパフォーマンスを見せており、国内だけでなく海外からも注目を集めるだろう。年齢的に更なる成長にも期待がかかる。