中日、正捕手争いはしばらく続く? 1軍キャンプ完走の「4人衆」中心に展開か

2025年3月4日(火)16時30分 ココカラネクスト

経験と実力で言えば最有力なのは木下だろう(C)産経新聞社

 プロ野球開幕まであと1か月を切った。中日は春季キャンプを打ち上げ、本格的に実戦に入っていく。3月1〜2日には開幕戦を戦うDeNAとの“前哨戦”が行われるなど、周囲のボルテージは徐々に上がっていくことだろう。

 本稿ではポジション争いに着目。その中でも正捕手争いについてまとめたい(※数字は3月1日現在のもの)。

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■絶対的正捕手は不在

 中日の捕手事情を軽くおさらいしておくと、昨季は加藤匠馬がチームトップの82試合でマスクを被った。次いで木下拓哉の71試合、宇佐見真吾の53試合と続いている。

 絶対的な正捕手がいなくなって久しい中、前述の3人はいずれも30代に突入。井上一樹新監督は「同じ力なら若い捕手を使う」と公言しており、世代交代が行われるか否か、という状況となっている。

 それを踏まえて、捕手陣の現状を見ていこう。

■木下拓哉(33歳):実力者の意地を見せられるか?

 経験と持っている実力でいけば、最有力なのは木下だ。2021〜22年に2年続けて120試合以上出場した実績があり、強肩強打ぶりで一時は正捕手の座を射止めた。

 ただ、以降は度重なる故障と不振に苦しみ、年々成績が低下。FA権を行使した上で残留を決め、もうひと花咲かそうと決意を新たにしている。

 ここまでは特に問題なく調整を進めており、実力者の意地をシーズンでも見せたい。

■宇佐見真吾(31歳):自慢の打撃で突き抜けたい

 打力でいえば、間違いなく宇佐見が一番だ。巨人〜日本ハム時代から定評のあったバッティングに磨きがかかり、昨季は後半戦の主戦捕手に。規定打席未満ながら、打率.303、OPS.752と好成績を残した。

 課題は守備で、2月23日の阪神戦(北谷)でパスボールを記録。リード面は問題ないのだが、ブロッキングに関してはやや劣る印象だ。

 とはいえ、ベンチに置いておくにはもったいないほどの勝負強さと長打力。自慢の打撃でレギュラーへ突き抜けたい。

■石橋康太(24歳):有望株から脱皮なるか

 持ち前の強肩強打ぶりで、12球団屈指の有望株と目されていた石橋も、気づけば7年目を迎えた。

 高卒新人で1軍デビューを済ませ、以降も1軍と2軍を行き来しながらキャリアを積むが、6年間で先輩たちの牙城を崩せず。昨季は1軍で11試合出場に留まっている。

 停滞感も否めないが、救いがあるとすれば、監督とバッテリーコーチ(大野奨太コーチ)がいずれも2軍から持ち上がりで昇格したこと。生真面目さと溌剌さは誰もが認めるだけに、有望株からの脱皮を果たすかは今季にかかっている。

■石伊雄太(24歳):新人でいきなり開幕スタメンも

 今回の春季キャンプで最もホットだった選手のひとりは、ドラフト4位・石伊だった。

 名門・日本生命で揉まれた実力は本物で、強肩を活かしたスローイングは1軍の中でもトップレベル。練習試合、オープン戦を通して盗塁阻止の場面が見られ、守備面はおおよそ問題ないように感じる。

 打撃は練習試合とオープン戦で10打数1安打と結果が出ていないが、しぶとさや小技の面で存在感。今後の動向によっては開幕スタメン抜擢もあり得る。

■「チームの勝利」を一つでも多く

 基本的には、ここまでで挙げた4人の誰かが正捕手を務めるだろう。彼らが1軍キャンプに選ばれ、そのまま完走したからだ。しばらくは固定せず、調子の良さや投手との相性を考慮していくのではないか。もちろん、2軍で過ごした加藤匠や味谷大誠、山浅龍之介、育成の日渡騰輝も虎視眈々とその座を狙っているはずだ。

 一つ言えるのは、誰が扇の要になっても「チームの勝利」が唯一にして最大のミッション。より多くの勝利をもたらすための「サバイバル」はこれからが本番だ。

[文:尾張はじめ]

ココカラネクスト

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