なでしこ長谷川唯、マンCで絶好調の背景とは。月間MVPノミネートも

2023年3月4日(土)18時0分 FOOTBALL TRIBE

マンチェスター・シティ MF長谷川唯 写真:Getty Images

サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)で活躍するMF長谷川唯は、2022年9月にイングランドFA女子スーパーリーグ(FAWSL)のマンチェスター・シティ・ウィメン(以下シティ)へと移籍。日本から遠く離れた土地でも常にパワフルで、ストイックに自己の成長に磨きをかけ続けている。


その輝きは徐々に際立ち始め、今年1月と2月にはリーグの月間最優秀選手賞にノミネートされるという実績も得た。今をときめく長谷川と、シティでの活躍、また同クラブの現在地について紹介していこう。




日本代表 MF長谷川唯 写真:Getty Images

長谷川唯のこれまで


小中学校から才能を開花:日本国内ユース時代


1997年生まれの長谷川は、埼玉県で小中学校時代を過ごし、のちに日本大学の体育学部へと進学し学業と並行しながらサッカーとの二重生活をスタートさせる。サッカーは実の兄の影響を受けて小学校時代から地元のユースクラブに参加。その後、2009年から所属した日テレ・東京ヴェルディメニーナ時代(2009-2015)に特に抜きん出た才能を発揮し、全日本U-18女子サッカー選手権大会ではクラブを優勝まで導く活躍を果たした。


拠点を国外へ:海外クラブ歴


長谷川は24歳にして初の海外移籍を決断。2021年1月にミラン・ウィメン(イタリア1部)に加入し、約7ヶ月という短期間の所属ながら9出場3得点の成績を残した。同年8月にウェストハム・ユナイテッド・ウィメン(イングランド1部)へと活躍の場を移すと、約1年間で17出場。自身で決めた2得点以外にも勝利へと導くための重要なサポートをし、クラブは2021/22シーズンに過去最高6位の座についた。


好調な勢いのまま長谷川は、2022年9月に現在のシティへと移籍。直後10月のリーグ戦レスター・シティ・ウィメンとの試合で、美しいロングシュートを見事に決め、チームメイトや会場のサポーターを盛大に沸かせた。現在まで多くのスタメン出場を果たしながら、サポーターには驚きを与え、クラブメンバーを魅了している。その詳細は後半にも詳しく紹介しよう。


若干15歳で代表入り:日本女子代表


さらに日本女子代表としては、ユース時代真っ只中の2011年にU-16代表に選出され活躍の場を広げることになる長谷川。翌2012年、U-17女子W杯アゼルバイジャン大会に出場を果たした時は若干15歳(中学3年生)だった。2013年には、U-19代表として異例の若年齢(飛び級)参加も。


その後の2014年、実年齢枠でU-17女子W杯コスタリカ大会に出場した長谷川は、日本を大会初優勝へと導いた最優秀選手としてシルバーボール賞を受賞した。引き続き、国内にとどまらず世界中から代表としての活躍も注目されている選手の1人とされている。


マンチェスター・シティ MF長谷川唯 写真:Getty Images

新天地マンCでの絶好調ぶり


現在所属するシティでの長谷川の活躍は素晴らしく、前述の通り2023年1月と2月のFA女子スーパーリーグ(FAWSL)月間最優秀選手賞にノミネートも果たした。しかしながら実際に受賞したのは、1月はエバートンDFガブリエル・ジョージ、2月はアストン・ヴィラ・ウィメンMFジョーダン・ノブスとなっており、年内中の長谷川の受賞を是非とも期待したいところだ。


長谷川についてシティの専属ジャーナリストは「クラブの中核を握っていて非常に重要な選手となっている」と言及。特に試合中のパスの正確度については、リーグに所属するどのMFよりも高い水準だと注目されている。


もちろんシティのガレス・テイラー監督も長谷川を大絶賛している1人。特に素晴らしいポイントとして「精神的な安定感があり何事にも動じない強さがある選手として、加入してくれたことでクラブ全体のレベルが底上げされた」と、感謝の声をあげる。なお同監督は、FAWSL月間最優秀監督賞を2月に受賞した。


クラブの公式トレーニング動画でも、他選手たちと和気あいあいと練習している長谷川の表情が確認できる。自然と溢れでる笑顔や、触れ合いなどの様子から、お互いの信頼関係の強さが見て取れた。長谷川がここまでに伸び伸び生き生きとプレーをしながら好調をキープ出来ている背景には、メンバーや監督など周囲を取り囲む人々との関係性が功を奏していることが挙げられるのかもしれない。




マンチェスター・シティ・ウィメン 写真:Getty Images

マンCウィメンの現在地は?


そんな長谷川の所属するシティは、FA女子スーパーリーグ2022/23シーズン中盤にして、現在総合ランキング3位。日本時間2月11日に行われたアーセナル・ウィメン(現4位)とのリーグ戦も2-1で勝利し、3ポイント差をつけている。トップを保っているマンチェスター・ユナイテッド・ウィメンとの差は、わずか3ポイントという距離感である。


次のリーグ戦ではトッテナム・ホットスパー・ウィメンとの対決(3月5日23時キックオフ)を控えている。長谷川とは日本女子代表同士でもあり、仲良しコンビとしても知られているFW岩渕真奈との対決となるため、サポーターにとっては見逃せない試合となりそうだ!


さらに、シティはFA女子カップでも好調を見せる。2月26日に行われた第5ラウンドではブリストル・アカデミー・ウィメン(イングランド2部)に対し、8-1という大差で勝利。準々決勝の舞台へと進み、3月19日にアストン・ヴィラ・ウィメンとの対決を控えている。


昨2022年末からのクラブ成績を辿ってみても非常に好調な成績が続いているシティ。今シーズン終了までに、青(チェルシー・ウィメン)と赤い壁(マンチェスター・ユナイテッド・ウィメン)を可憐に叩き破れるかどうかに注目したい。


引き続き、女子サッカーから目が離せない日々が続きそうだ!

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