井上尚弥から「逃げていない」 ピカソがラスベガス決戦に“本音” 陣営はネリ戦実現に動きも「いろいろな憶測が飛び交っているけど」
2025年3月6日(木)17時0分 ココカラネクスト

井上戦の最有力候補だったピカソ。(C)Getty Images、(C)Lemino/SECOND CAREER
渦中の男が、話題となっていた大一番の行く末に関して口を開いた。
現地時間3月4日、ボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と、来る5月4日に米ラスベガスのT−モバイルアリーナで対戦予定だったWBC世界同級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)が、WBCの定期イベント「コーヒー・チューズデー」で登壇。そこで「僕は逃げていない」と釈明した。
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合意間近だった試合が流れ、“敵前逃亡”とも揶揄されたピカソ。しかし、本人にはそれなりの言い分があるようだ。
当初、ピカソは井上のラスベガス再上陸となる次戦の最有力候補だった。5月4日はボクシング界屈指のビッグマッチが組まれるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」の一週間でもあり、国内外での注目を集めていた。
しかし、機運が高まる中で陣営が挑戦辞退の申し出たために、今回の井上戦は実現せず……。陣営はもちろん、ピカソに対する衝撃も広まった。
もっとも、あくまで井上戦を辞退したのは「陣営だ」というのがピカソの主張である。メキシコの放送局『Azteca TV』が伝えたところによると、「コーヒー・チューズデー」に出演した24歳は「いろいろな憶測が飛び交っているけど、第一に自分は逃げていない。今もあの試合(井上戦)を望んでいる」と強調した。
「『試合が近づいている』と自分のSNSに投稿したけど、契約は結ばなかった。“これと、これ”というような正式な契約書をもらったことがない。だから、どうして、僕が辞退したというニュースが流れたのかわからない」
自身が井上戦に向けた交渉において“蚊帳の外”であったことを困惑気味に語るピカソ。さらに「メキシコの東大」と言われるメキシコ国立自治大の医学部に在学している若きエリートは、「逃げたわけじゃない」と断言。さらにこう続けている。
「イノウエとの試合はタイトルや、お金だけでなく、自分の人生を試すものなんだ。今も5月4日にイノウエと戦いたいと思っている。皆さんの前で卒業し、自分からも卒業し、自分に何ができるかを知る機会でもあるから」
もっとも、すでに対戦相手はWBA2位のメキシコ系米国人であるラモン・カルデナス(米国)への変更が決定的な情勢ではある。井上本人も3日に行われたWOWOWの番組収録後の取材で「カルデナスの映像はチェックした?」との問いに「チェックはした。映像は見ている。以上! あとは察してほしい(笑)」と返答。現時点でピカソとの再交渉がないことを示した。
井上とのビッグマネーをも掴む一世一代のチャンスを逃した感が否めないピカソ。『Azteca TV』によれば、同陣営は、元世界2階級王者の“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)との対戦を目指すとしているが、果たしてどうなるか。井上の次戦の行方を含めて正式発表が待たれるところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]