エクストロームやマクレーが出場辞退。豪州“7冠”ウインカップの代打には2023年RSC王者を抜擢/RoC

2025年3月7日(金)17時45分 AUTOSPORT web


 この週末にオーストラリア大陸はシドニーで初開催される第33回『Race Of Champions(レース・オブ・チャンピオンズ)』の2025年大会を前に、直前のドライバーラインアップ変更が発生。マティアス・エクストロームとマックス・マクレーが病気や怪我のため欠場し、RSCレプコ・スーパーカーチャンピオンシップで“7冠”を誇るジェイミー・ウインカップは、同国東海岸への“トロピカル・サイクロン(台風)”接近により、参戦見合わせを余儀なくされている。



 モータースポーツ界でもっとも多彩な男として、同イベント通算4勝を誇る言わずと知れた“マルチタレント”ことエクストロームだが、会期を目前にして「レース・オブ・チャンピオンズ2025から撤退しなければならないのは、とても残念だ」と自身のSNSを通じて声明を投稿した。


「シドニーでのレースを本当に楽しみにしていたが、残念ながらまだ最高レベルで競えるほど体調が良くないのが現実だ。シドニーで皆が素晴らしいレースをし、最高のチャンピオンが勝つことを願っている!」


 同じく手首の負傷のため欠場を決めたラリー界の次世代スター候補も「手の怪我が続いているため、今週末のレース・オブ・チャンピオンズには出場できないことを残念に思う」と綴った。


「そのため父がデビッド・クルサードとともに僕のポジションに就く。チームGBはきっとうまくやってくれるはず。関係者全員の幸運を祈り、楽しい時間を過ごせることを願っている。レース・オブ・チャンピオンズ、この機会を本当にありがとう」


 この直前の変更により、ネイションズカップのラインアップはRSC通算24勝で、シリーズ最大の祭典『バサースト1000』でも2勝を挙げているチャズ・モスタートが急遽エクストロームの代役を務め、こちらもWorldRX世界ラリークロス選手権“7冠”のヨハン・クリストファーソンとタッグを組むことに。


 これでチーム・スウェーデンはチーム・オールスターズに改編され、2014年と2018年のレース・オブ・チャンピオンズ勝者でもあるクルサードは、新たにマックスの父で故コリン・マクレーの弟でもあるアリスターとチームGBのペアを組む。


第33回を数える『Race Of Champions(レース・オブ・チャンピオンズ)』の2025年大会は、オーストラリア大陸はシドニーで初開催される

「シドニーでのレースを本当に楽しみにしていたが、残念ながらまだ最高レベルで競えるほど体調が良くないのが現実だ」とエクストローム

現在はERCヨーロッパ・ラリー選手権のジュニア部門に参戦するマックス・マクレーも、手首の怪我の影響で出場を断念することに

 一方、地元開催としてスーパーカー・チーム、オフロード・チームと合計2チーム4名の編成が許されていたチーム・オーストラリアは、後者がエクストリームE初代チャンピオンのモリー・テイラーと、こちらも言わずと知れたダカールラリーの大スターであるトビー・プライスのペアで変わらないものの、現RSC王者であるウィル・ブラウンと組む予定だったウインカップは、クイーンズランド州南東部に迫る台風“アルフレッド”の影響を受け、イベントからの撤退を決断した。


「今週末、アコー・スタジアムでレースをしたい気持ちは山ほどあるが、サイクロン・アルフレッドが近づいているため、ブリスベンで友人や家族の面倒を見なければならない」と2012年のバンコク、2014年のバルバドスに続いて、RoCで3回目の出場を果たす予定だったウインカップ。


「参加するドライバーには素晴らしい週末を過ごしてもらいたいと思うが、もっと大切なのは、母なる自然が力を発揮するのを待つ間、ニューサウスウェールズ州北部とクイーンズランド州南東部の皆の安全を願うことだ」


 そのウインカップ不在の穴を埋めるべく、代打には2023年のスーパーカーチャンピオンであり、昨季2024年にはバサースト1000を制覇したブロディ・コステッキが起用され、2021年から2023年までエレバス・モータースポーツでチームメイトを務めたふたりが、このRoCでふたたび共闘することになった。


 主戦場たるRSCでは、今季より名門ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)に移籍を果たしているコステッキは「フレドリック(・ジョンソン会長)からRoCシドニーに招待されたときは、正直驚き、少し現実離れした気分だったよ」と明かした。


「出場選手は決まっていたし、金曜と土曜の夜は家にいてテレビ中継を見てオーストラリアのチームを応援するつもりだった。でも、それが今や参加することになったなんてね。レース・オブ・チャンピオンズは象徴的なイベントだし、地元の観客の前でオーストラリア代表として競う唯一のチャンスかもしれない」


「ジェイミー(・ウインカップ)は嵐を乗り切るよりもシドニーに居たいと願っていると思うが、彼が下した決断に異論はない。今週末の参加を許可してくれただけでなく、この機会に熱心に協力してくれたシェルVパワー・レーシングと代表の“DJ”(ディック・ジョンソン)にも感謝している」


 この新コンビを含め、ネイションズカップにはチームUSAのトラビス・パストラーナとカート・ブッシュ、チーム・ジャーマニーのセバスチャン・ベッテルとミック・シューマッハー、チーム・ノルウェーのペターとオリバーのソルベルグ親子、チーム・フランスはセバスチャン・ローブとヴィクター・マルタン、チーム・フィンランドはバルテリ・ボッタスとヘイキ・コバライネンが参戦し、さらに初出場チーム・ニュージーランドからはヘイデン・パッドンとルイーズ・シャープの面々が覇を競うことになる。


ジェイミー・ウインカップは、同国東海岸への“トロピカル・サイクロン(台風)”接近により、参戦見合わせを余儀なくされた

代役のブロディ・コステッキ(中央)は、現RSC王者ウィル・ブラウン(上段右)とひさびさの共闘に。チャズ・モスタート(右端)も急遽エクストロームの代役を務める

現地では金曜と土曜の競技が予定されており、すでに個人戦とネイションズカップの組み合わせ抽選が完了している

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