スーパーフォーミュラ・ライツ参戦のエンツォ・トゥルーリ「トップ5、優勝も狙っていきたい」

2023年3月8日(水)15時22分 AUTOSPORT web

 3月7〜8日、三重県の鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の合同テスト。2023年シーズンに向け11台が参加しているテストだが、2023年にシリーズに参戦するエンツォ・トゥルーリが、初めてのテストながら速さをみせている。トゥルーリに日本を選んだ理由、そして今季の目標を聞いた。


 エンツォは、かつてプロストやジョーダン、ルノー、そしてトヨタでも活躍した元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリの息子。レーシングカートを経て、2021年に四輪デビュー。UAE F4でチャンピオンを獲得すると、スーパーフォーミュラ・ライツと同じダラーラ320を使うユーロフォーミュラ・オープンに参戦した。


 このシリーズはモトパークが非常に強力なシリーズではあるが、そんななかでエンツォは途中チームを変更しながら戦い、表彰台も獲得。2022年はFIA-F3に戦いの場を移すが、シーズン前にシート決定が遅かったことによるテスト不足もあり、苦戦を強いられた。


 そんなエンツォだが、以前から日本での戦いを検討していたという。ただコロナ禍による渡航制限の影響もあり、なかなか実現してこなかった。2023年に向けてようやくそれが叶い、名門TOM’Sへの加入が決まることになった。


 なぜ日本、そしてスーパーフォーミュラ・ライツなのか……? という疑問に対し、まだ今年18歳になるばかりのエンツォは「クルマも良いし、他のフォーミュラと異なりダウンフォースも大きいからね」という。


「今回、TOM’Sにチャンスをもらってチームに加わることができてすごく嬉しく思っているよ。この鈴鹿でクルマを改良し、タイヤに対して理解を進めることができている。ここに来られて嬉しく思っているし、今後も続けられればと思っているよ」とエンツォ。


 すでに1月には富士スピードウェイで初めてのテストをこなし、シート獲得にこぎつけることになったが、鈴鹿サーキットを走るのはエンツォにとって初めてのことだ。もちろん、父ヤルノがF1で戦ってきたコースでもある。「鈴鹿は本当にアメージングだね。もうお気に入りになったよ」とエンツォは笑顔をみせた。


「鈴鹿は次に来るのはレースになるけれど、今はトラックを覚えることに集中しているんだ。セクターごとに難しいところがあるけれど、毎ラップごとに慣れてきているよ」


 関係者によれば、多くの外国人ドライバーとは異なり、あまり観光をしたりということもなく、自らが早くチームとクルマに慣れ、スピードを発揮するためにストイックに集中しているよう。ただそんななかでも、「楽しんでいるよ。文化も好きだし、接する人たちもすごく親切にしてくれるから」と日本の文化もエンジョイしているという。


 食事についても「肉が大好きなんだけど、いろんな肉を楽しんでいる」とお気に入り。ちなみに今回の来日時、イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤにも行ったそう。「すごく安いのに美味しかった!」とエンツォ。


 2023年のスーパーフォーミュラ・ライツは、TOM’Sのチームメイトとなった野中誠太、平良響、古谷悠河、ライバルのB-MAX RACING TEAMからは木村偉織、デビッド・ビダーレス、イゴール・オオムラ・フラガ、TODA RACINGからは小出峻、Rn-sportsからは堤優威が参戦予定で、接戦が予想される。


 そんななかでも「今年はいつもトップ5で戦えるようにしたいし、優勝も狙っていきたいね。将来のためにコースもしっかり覚えていくことが今年の目標だよ」とエンツォは上位を目指していく。そんなエンツォを後押しするかのように、父ヤルノ同様、すでにスタンドには声援を送る横断幕も掲げられている。


「嬉しいよ! ピットに入るごとにスタンドに僕の名前があるのは気持ちがいいね」と多くの後押しを得て戦うエンツォが、2023年に日本の舞台でどんな戦いをみせてくれるだろうか。

2023全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権鈴鹿合同テスト エンツォ・トゥルーリ(TOM’S)
2023全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権鈴鹿合同テスト エンツォ・トゥルーリ(TOM’S)
2023全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権鈴鹿合同テスト エンツォ・トゥルーリ(TOM’S)

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