坪井加入で期待される相乗効果。チームタイトルも切望【2024全チームプレビュー/VANTELIN TEAM TOM’S】

2024年3月8日(金)6時45分 AUTOSPORT web

 いよいよ3月9〜10日に迫った2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕。前年王者こそ不在ではあるものの、FIA F2王者から“現役女子高生ドライバー”まで、話題の注目ルーキーが参戦するほか、メーカー・チームを移籍したドライバーも多い。また、共通ダンパーが導入されることなどにより、これまでの勢力図が動く予感も漂う注目のシーズンとなりそうだ。


 ここでは2月21〜22日に鈴鹿サーキットで開催された公式合同テストを前にした『メディアデー』でのドライバー・監督らの発言をもとに、今季体制の変更点や注目ポイントなどをチームごとにまとめ、連載していく。


 今回は、2023年に宮田莉朋がドライバーズタイトルを獲得したVANTELIN TEAM TOM’Sだ。


■VANTELIN TEAM TOM’S 2024年スーパーフォーミュラ参戦体制


・ドライバー:坪井翔(No.36)/笹原右京(No.37)
・監督:舘信秀
・テクニカルディレクター:山田淳
・エンジニア:小枝正樹(No.36)/大立健太(No.37)
・エンジン:トヨタ/TRD 01F


・公式サイト
https://www.tomsracing.co.jp/

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)


■王者・宮田離脱後の“プレッシャー”


 昨シーズン、ドライバータイトルを獲得した宮田莉朋はFIA F2参戦のためチームを離脱。代わって昨年3度の2位表彰台を獲得した坪井翔が加入し、36号車でドライブするVANTELIN TEAM TOM’S。昨シーズン途中からレギュラーシートを得た笹原右京は、2024年は37号車でフル参戦を果たす。


 新加入となる坪井は「スーパーフォーミュラでは優勝から長らく遠のいているので、そろそろ勝ちたいですし、参戦を開始して結構な年数(6年目)が立っているので、チャンピオンも欲しいなというところです」と今季の抱負を語る。


 TOM’Sに関しては、スーパーGTでも在籍しているチームということで、特に違和感はないようだが、スーパーフォーミュラでは昨年ドライバータイトルを獲得したチームということもあり「僕が入って結果が悪くなった、とならないように、しっかりチャンピオンを目指して頑張っていきたいと思います」とプレッシャーは少なからず感じている様子だ。


 スーパーGTを含め、TOM`S加入2年目となる笹原は「まずはこのチームで1勝やポールポジション獲得など、(目標を)ひとつひとつ達成していきたいなと思います。あと、今年はTOM’Sが50周年なので、花を添えられるような結果を残したいなと思います」と、今年にかける想いは強そうだ。


 チームとしては、今年はドライバーだけでなくチームタイトル獲得も狙っている。昨年のチームタイトル争いではTEAM MUGENに大きくリードされたが、山田淳テクニカルディレクターは「(チームの)レベル的には充分に整っていると思っています。やっぱりレースをしているといろいろイレギュラーなことがたくさん起きます。そこで足をすくわれているような感じに見えていますので、それをクリアすればおのずと結果はついてくるのかなと思っています」と引き締める。


「長い時間かけて、そういうチームづくりをしてきているつもりですし、昨年はその土台というところでは完成の領域というか、高いところに持って来れていると思います」と、山田氏は自信を滲ませた。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト 笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)


■一番のライバルはTEAM MUGEN


 テスト前のメディアセッションで「今季警戒するチームやドライバー」について聞かれたドライバーは、大半がTEAM MUGENと野尻智紀の16号車パッケージを挙げていたが、当の野尻が警戒する相手として真っ先に挙げたのが、坪井&36号車のパッケージだった。


 そのことを記者から聞かされた坪井は「照れますね」と答えたものの、今季のライバルについては「全員」だと語る。


「SFは誰が勝ってもおかしくないドライバーが集まっているので、(特に警戒しているドライバーが)誰という感じではなくて、毎戦コンディションが微妙に変わっていく中で、本当に誰が勝ってもおかしくない、レベルが高いレースだと思っています」


「本当に全員がライバルですが、例年の流れを見ていると、TEAM MUGENと野尻選手のパッケージは強いと思います。今年は岩佐(歩夢)選手が入ってきて速いと思いますし、そもそものポテンシャルでTEAM MUGENは強く、そこが一番のライバルになるのではないかなと思います」


 他チームからも警戒される坪井と36号車のパッケージ。それを一番近くで見られる笹原は、自身のレベル向上のためにも、坪井から学びたいと意欲を見せる。


「(昨年は)シーズン途中からの参戦というところもあって、全然理解が進んでいない部分がたくさんあったなという印象でした。ドライビングの面やクルマの面も含めて、昨年末のテストでいろいろと見出せたのかなと思っています」


「昨年の宮田選手がそうでしたけど、やっぱり強い選手がチームメイトにいるということはすごく大きな財産というか、一番比較できて学べるポジションにいるので、すごい新鮮な気持ちで学ぶことができそうかなと思います」


 坪井の加入により、良い相乗効果が生まれそうなTOM’S陣営。新天地で坪井がどのような走りを披露するのか、また2022年に2勝を飾った笹原が再びトップに返り咲くレースが見られるのか。目が離せない2024シーズンとなりそうだ。

2024スーパーフォーミュラ鈴鹿合同テスト メディア囲み取材の様子


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