Juju、ピットレーン速度超過も新チーム初完走に笑顔。「バトルもできてペースも悪くない」/第1戦鈴鹿
2025年3月8日(土)20時43分 AUTOSPORT web

3月8日に鈴鹿サーキットで行われた2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦。新チームのHAZAMA ANDO Triple Tree Racingとともに挑む初のレースを戦ったJujuこと野田樹潤は、午前の予選で18番手グリッドを獲得して決勝へ臨んだ。
迎えた27周のレースでは、ピットレーンでの速度違反を理由にドライブスルーペナルティが課せられたために後退。最終的に17位フィニッシュとなったが、ペナルティに反省しつつも新チームと挑んだ初レースを無事に完走したことを喜び、笑顔のサムアップを見せた。
■初戦は完走が最大の成果に。「目標はクリアできた」
レース後にJujuは、ピットレーンでの一件について「頑張りすぎちゃった結果でした。ちょっと、気持ちが先走りましたね」と事情を明かす。
具体的には、ピットレーンの出口付近にて速度リミッターを早めに切ってしまったために速度超過が起きたのだという。この一件によってJujuはドライブスルーペナルティを受け、正式にはトップと58.825秒差の17位となった。
ただ、Jujuを擁するHAZAMA ANDO Triple Tree Racingは、1月のチーム立ち上げから2カ月余りという過酷なスケジュールのなかでクルマを間に合わせ、決勝レースで完走。速度超過のミスはあったものの、セーフティカー(SC)導入時に全車が同時にピットインする波乱の展開のなかでも、チームは初のルーティンピットを大きなミスなくこなした。
Jujuは、こうしたチームの仕事について重要さを強調し、「今回はレースを走らせる上では大きなトラブルもなく、クルマに対しては不安もなく走らせてもらえました。本当にこの2カ月で、さらに言えば前回のテストではクルマのトラブルもあったので、そこから2週間という時間のなかで、しっかりクルマを作り上げてきてくれたチームの皆さんに感謝しています」と心境を言葉にする。
前日のフリープラクティス後には、「走れただけでも合格点」と開幕戦へ挑むチームの目標を語っていただけに、まずは荒れた展開となったデビューレースを完走したことが、10号車陣営のひとつの達成となった。
そんなチームの状況のなかでも、18番手からスタートしたJujuは、入り乱れるライバルと1〜2コーナーでサイド・バイ・サイドのバトルを展開。直後に導入されたSCランが開けた後は、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max)と野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、さらにレコノサンスラップでコースオフがあったイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)を従えながら決勝レースを戦うことになった。

チームとの初レースながらも多くのライバルと競り合う展開となった決勝について、「バトルもできてペース的にも悪くなかったので、本当にポジティブに捉えています。明日に向けた感触も悪くないですし、良いイメージを持って第2戦に挑めます。その後も結構荒れた展開になって、何台もリタイアしていったにもかかわらず、チームにとって一番最初のレースでちゃんとチェッカーを切れたので良かったですね」と27周の戦いを振り返った。
「まだしっかりと今日のデータを見ることができていないので、ここから新たにわかってくるところもあるとは思います。ただ、レースの流れとしては、ペナルティのようなミスがなければもっとしっかり戦えたのかなと感じています。スタートに関しても初めてにしては悪くなかったですし、さらにもう少し詰められるかなと。ほかにもそういった部分を少しずつ改善していくだけでも、さらに上が見えてくる」と、10号車での初レースに確かな手応えを抱いた様子だ。
第1戦のフィードバックを活かして臨む日曜日へ向けては、まず迎える午前の予選にフォーカスし、「路面温度はすごく低いと思いますが、それでも今日、『1台でも前に』という目標はクリアできた。なので、今日もこれからできることはしっかりやって、また1台でも食えればいいなと思います」と意気込んでいる。
新体制で挑むドキドキの開幕レースを終え、これまで感じていた不安が少しずつ自信へと変化している雰囲気のJuju。明日のレースは勢い余って痛手を負うことなく、実力を発揮して自己ベスト12位を上回るレースを見せることができるだろうか。
