10得点・佐藤淑乃「もっと高める」金子監督「打ち負けるな」…古賀紗理那さんの背番号2を継いだ若きエース
2025年3月9日(日)5時0分 スポーツ報知
第2セット、スパイクを決めるNEC・佐藤淑乃(カメラ・清水 武)
◆バレーボール大同生命SVリーグ女子▽第18節第1日 NEC 3—0(25—21、25—23、25—15) 姫路(8日、東京・大田区総合体育館)
リーグ3位でチャンピオンシップ進出を決めたNECがホームで5位の姫路をセットカウント3—0で下し、26勝目(9敗)を飾った。ミドルブロッカーの島村春世が両チーム最多15得点と躍動し、177エース格の佐藤淑乃は10得点を挙げた。試合後の記者会見では「チームはオフェンス面が強みなので、試合の出足から発揮できるように、ディフェンスでも簡単に(球を)落とさないようにと準備してきた。ストレートで勝てて良かったですし、試合の内容としてもチームとしてやってきたことを出せたと思います」と納得の表情を見せた。
若きエースが奮起した。NECは23歳の佐藤が第1セット(S)15—10からサーブで2連続得点。相手コートにはパリ五輪代表で得点力の高い井上愛里沙が立ちはだかる中、金子隆行監督は「そこにチャレンジしないといけない。打ち負けるな! 」とゲキを飛ばす。島村、パリ五輪代表の山田二千華のクイックがさえた中、佐藤はレフトからブロックアウトを狙ったスパイクで得点を重ね、サイドだけでなく後衛からのアタックも随所に光った。開幕から約5か月でリーグ初対戦の姫路に対し、NECは高い攻撃力で押し切った。
昨夏のパリ五輪限りで現役引退した古賀紗理那さんがチームで着けた背番号2を受け継いだのが、23歳の佐藤だ。今季開幕から主力を張り、現在リーグ得点ランキングで日本人選手トップの679得点と成長中。それでも指揮官は「成長してきたと思うが、本当の勝負師の強さを今、作っている段階。まだ弱いところはあるので、経験を強さに変えていけるように。常に高みを目指して欲しい」とさらなる奮起を促す。佐藤も「1つ武器を持てたのはバックアタック。もっと高めていく」と決意を込めた。
2日のA山形戦を3—0で勝ち、上位8チームによるチャンピオンシップ(CS)進出を決めた。チームとしては4月中旬から始まるCSを見据え、攻守の精度を高めている。「サーブが効果的に入っていったのは良かった。CSが決まったからと言って、やることは変えずに、チームの完成度を上げていく」と金子監督。前身Vリーグからの3連覇&SVリーグ初代女王に向けて勝負の終盤戦。若きエースのさらなる躍進が1つカギを握りそうだ。