王者SVGが開幕ヒートを制覇。雨のレース2はチャズ・モスタートが勝利/RSC開幕戦シドニー

2022年3月10日(木)17時53分 AUTOSPORT web

 南半球オーストラリア大陸を代表するツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの2022年開幕戦『Beaurepaires Sydney SuperNight』が3月4〜6日にシドニー・モータースポーツパークで開催された。


 そのオープニングレースでは、2021年に自身2度目の戴冠を果たしたレッドブル・アンポル・レーシングのディフェンディングチャンピオン“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)が勝利を飾り、続くレース2はTCRオーストラリア2代目王者チャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)/ホールデン・コモドアZB)が制覇。これがラストイヤーとなるホールデン陣営が快勝発進を決めている。


 近年の大改修で近代的ナイター設備を備えたかつてのイースタン・クリークに、今季も全25台のスーパーカーが集結。来季2023年からの新車両規定Gen3導入に併せて『シボレー・カマロZL1』へのスイッチが発表されているホールデン(GM/ゼネラルモータース)陣営にとっては、その長い歴史の一部となった“ダウンアンダー”での最後のシーズンが幕を開けた。


 最初のセッションとなる金曜プラクティスからいつもの顔ぶれがトップ10を占めるなか、ホールデンのホモロゲーション登録担当チームであるトリプルエイトは静かな立ち上がりを見せ、フォード陣営の宿敵ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)勢や、WAUのモスタートらに最速を譲り、今季初のトップ10シュートアウトでもシェルVパワー・レーシングのアントン・デ・パスカーレ(DJR/フォード・マスタング)にポールポジションを譲る展開となる。


 しかし迎えた土曜現地19時過ぎの今季オープニングヒートでは、フロントロウ2番手からスタートした現役王者SVGが貫禄のレースを披露。77周の決勝で3ストップ戦略を最大限に活用し、シェルVパワーマスタングを終盤に撃墜し、キャリア通算55回目の勝利でシーズン初戦を制して見せた。


「正直に言えば、この最初のレースはやっかいな重荷のように感じていたんだ」と語るのは、2021年限りでフルタイムのレースシートを後任に譲り、トリプルエイトの監督業に専念することになった“セブン・タイムス・チャンピオン”のジェイミー・ウインカップ。

今季初のトップ10シュートアウトはシェルVパワー・レーシングのアントン・デ・パスカーレ(DJR/フォード・マスタング)がポールポジションを獲得
ディフェンディングチャンピオン“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)が戦略もあり首位を奪取
ホールデン陣営移籍のアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)は、トーマス・ランドル(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)と絡む場面も
「レースの途中で何が起こっているのか、把握し切れてはいなかったが、これはチームの勝利だ」とレース1勝者のSVG
「今季のチームにはいくつかの大きな変化がもたらされたが、最適なスタートが切れた」とジェイミー・ウインカップ


■日曜レース2はドライからウエットへ。モスタートが大逆転勝利


「やはりシェーンは素晴らしい仕事をしたね。非常に多くの異なる戦略があり、誰もがレースの異なる段階で(今季から導入の)スーパーソフトタイヤを装着したが、それを誰よりもうまく使いこなしたのがチャンピオンだった、というわけだ」と、長年の僚友に賛辞を送ったウインカップ。


「まだ土曜が終わっただけだが、チームを率いるマネージャーとして、レースで優勝するのはこれ以上ないほど幸せだね」


 明けた日曜は伏兵ブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアZB)がポールを奪取し波乱の展開を予感させると、天候もそれを演出するかのようにレース2は雨絡みの展開に。


 ドライで始まった77周のスタートでは2番手発進のパスカーレがポールシッターを出し抜き、3番手にレッドブル・アンポル・レーシングの新鋭ブロック・フィーニー(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)を従えるも、7周目にはトラック上に早くも雨粒が落ち始める。


 グリッドに並んだほぼ全員がスタートからスーパーソフトを選択していたものの、土曜勝者SVGが最終コーナーでグラスエリアを滑走し、すぐさまレインに換装したことから、他陣営も雪崩を打つようにピットロードへと向かう決断を下す。


 しかし、ドライ/ウエットのチェンジオーバーに関して判断が難しい状況が続き、SVGがラップダウンを喫するなどレースが大荒れとなるなか、ダンプ路面で輝きを放つドライバーが。この日、7番グリッドから挑んだWAUのエースであるモスタートは、終始トップ5圏内でレースを進めると、最後に予定されていたピットストップでスーパーソフトタイヤにスイッチ。


 遅いレインシャワーと3回目のセーフティカーの介入により、残り3周時点でリスタートが切られると、コステッキとパスカーレを退けトップチェッカー。4位にキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)、5位にアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアZB)と続き、前日から一転、苦難の77周を走破したSVGは6位までカムバックしてレースを終えている。


 一部で日程未定のまま幕を明けた全13戦の2022年RSCシーズン、続く第2戦は3月25〜27日に、タスマニアのシモンズプレイン・レースウェイでスーパースプリント戦が開催される。

日曜は雨が落ち始めた難しいシュートアウトながら、伏兵ブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアZB)がキャリア初のポールを獲得した
目まぐるしく路面コンディションが変化し、2014年王者マーク・ウインターボトム(チーム18/ホールデン・コモドアZB)もアクシデントに巻き込まれる
前日と一転、スピンオフからレインタイヤへのスイッチタイミングも見誤るなど、SVGには「完全にプア」な日曜に
デビュー戦から肉弾戦を演じた19歳のブロック・フィーニー(トリプルエイト・レースエンジニアリング/ホールデン・コモドアZB)は9位、11位の結果に
土曜3位、日曜勝利で連続表彰台発進のチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/ホールデン・コモドアZB)「なんて最高のスタートだろう!」

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