キャデラック初の電動SUV『リリック』が上陸。右ハンドル仕様と先進のeAWDで航続510kmを実現

2025年3月12日(水)17時31分 AUTOSPORT web


 ブランドの未来を切り拓く重要なモデルとして、120年以上の歴史を誇るキャデラックから誕生した、ブランド初の電動SUV『LYRIQ(リリック)』が日本に上陸した。


 待望の右ハンドル仕様としつつ、本国アメリカでは92件の特許を取得。BEV(バッテリーEV)専用プラットフォームにデュアルモーターeAWDシステムを搭載することで、エネルギー効率に秀でるパワフルさとフル充電で510km(社内測定参考値)という航続距離を両立し、3月8日より国内での販売が開始されている。


■往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいデザイン



 北米大陸では2023年の発売開始以降、キャデラックの名にふさわしい唯一無二のデザインや、かつてないドライビングフィールと極上の快適性が高く評価され、海を渡った欧州でもドイツのラグジュアリーカー・オブ・ザ・イヤーをアメリカ車として初受賞するなど、この新型BEVはブランドの軸でもある“ラグジュアリーカー”の新たなスタンダードを確立してきた。


 キャデラックのヘリテージを受け継ぐ、新世代のデザイン言語を採用したフロントフェイスは、ブラックの“クリスタルシールド”の中央に位置するクリアタイプのキャデラッククレストに、近代キャデラックの象徴とも言える縦長のLEDヘッドランプを配置。上部のスワイピングLEDウインカーとともに、存在感のある美しいワイド&ローのスタイリングを際立たせる。


 ルーフラインや流れるようなAピラーとウエストラインに、3mを超えるロングホイールベースと標準装備の21インチホイールが優美で流麗なサイドシルエットを演出。往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいリヤエンドでは、1967年型『エルドラド』へのオマージュとしてデザインされたテールランプ形状を採用した。


 クラストップレベルの広さを誇る電動サンシェード付きガラスルーフを搭載し、差し込む光が美しいインテリアでは、キャデラックが先鞭をつけたと言える湾曲型の33インチアドバンスドカラーLEDディスプレイを搭載。9Kにも匹敵する解像度と右ハンドル仕様に合わせたレイアウトが直感的な操作をサポートしつつ、宙に浮いているかのようなセンターコンソール、リアルなウッドパネルが上質さと未来的な印象を生み出す。


 ドアパネルには業界初のレーザーエッチングバックライトを配し、きらめくような光の動きを生み出す“KOMOREBI(こもれび)”が、キャビン全体に温かみのある空間を演出する。ロータリーコントローラーには高級感あふれるローレット加工が施され、シートにはロングドライブでも快適に過ごせる新開発の高密度フォームを採用し、レザーに代わる動物由来ではないサステナブルな素材、インタラックスを標準装備としている。


往年のキャデラックを彷彿とさせる美しいリアエンドでは、1967年型『エルドラド』へのオマージュとしてデザインされたテールランプ形状が採用された

3月16日までの期間限定で展開される「ローンチキャンペーン」では、早期購入者だけが選ぶことのできるカラーとオプションも設定

ドアパネルやフットウェルなど好みに応じて照明色を選択できるアンビエントライトは126色を用意。室内をドラマチックに彩る

■次世代のノイズキャンセリング機能を搭載


 そんな世界観を支える車体骨格には、パフォーマンスの効率化を実現する新アーキテクチャーとして、新開発の電気自動車専用プラットフォームを採用。出力タイプを選択できるモーターを筆頭に、電力の変換や制御、供給を統合したパワーエレクトロニクスとバッテリーセルを組み合わせた独自のモジュラーシステムで構成される。


 前後それぞれの車軸にモーターを搭載したデュアルモーター仕様の”eAWDシステム”により、最高出力はシステムトータル384kW(約522PS)、最大トルクは610Nmを発揮。その前後モーターを独立して制御することで4種類のドライブモード(ツアー、スポーツ、スノー/アイス、マイモード)に準じたトラクションと安定性を確保し、通常はエネルギー効率を優先して電費を抑える一方、必要に応じて前後の駆動トルクの配分を最適化する。


 加えてフロントサスペンションにはマルチリンク式を採用したほか、車両の下部に沿って路面と水平に配置されたバッテリーをホイールベース間に収めることで、低重心による安定性の向上と構造上の強度を確保。前後重量配分も理想値といわれる50:50を実現しつつ、ステアリングシステムにはトルクオーバーレイ(STO)を導入して精密な制御や補正を行うことで、つねに正確なハンドリングを実現している。


 また回生ブレーキ機能により、アクセルペダルだけで加速から停止まで行えるスムーズなワンペダルドライブを可能とし、回生ブレーキは3つのレベルから選択可能に。ステアリングパドルを使用した操作も可能で、パドル操作のみで完全停止まで制御でき、2モーター仕様では一般的な電気自動車のほぼ2倍もの最大0.4Gの回生ブレーキ機能が得られ、回生されたエネルギーはバッテリーに送られることで航続距離の伸長に貢献する。


 前述のとおり床下で低重心化に寄与するバッテリーは、容量を95.7kWhとして1回の充電での走行距離は510kmを達成。自宅で通常使用する100Vで充電できるほか、外出先では急速充電(日本仕様ではCHAdeMOに対応)を利用し、充電時には希望の充電終了レベルを設定することも可能となっている。


 また、あらゆる部分に吸音材や制振材を施したボディは、フロントやサイドの二重ガラスはもちろん、リヤガラスには5mm厚の強化ガラスを採用。さらに次世代型のアクティブノイズキャンセレーションが車体四隅に配置した3軸加速度センサーでタイヤからの振動を検知し、キャビン内のマイクセンサーで検知したノイズと合わせて不快な侵入音を打ち消している。


 これらの相乗効果によりハイレベルな静寂性を追求したうえで、マイクとヘッドフォンの世界的なブランド『AKG(アーカーゲー)』製の19スピーカーが全方位から立体的でナチュラルな音響空間を演出する。


 そのほか、バッテリーシステムから発する余分な熱を活用して車内に送り込んで温めるヒートポンプシステムや、前席ヒーター&ベンチレーションや後席シートヒーターに加え、寒冷地での走行に対応するワイパーヒーターを搭載。キャデラックとして初めて搭載したサイドバイシクルアラートなど、最新の安全運転支援機能を備える。


 基本のボディカラーはアージェントシルバーメタリック、ステラーブラックメタリック、そして有償のクリスタルホワイトトライコートの3色が用意されるものの、3月16日までの期間限定で展開されるローンチ・キャンペーンでは、特典の2.4%低金利ローンに加えてオプレントブルーメタリックや有償のラディアントレッドティントコートなど、インテリアのブラックサントリーニブルーアクセントなどを含めて早期購入者だけが選ぶことのできるカラーとオプションも設定し、価格は1100万円(税込)となっている。


キャデラック公式HP:http://www.cadillacjapan.com
GMジャパン・カスタマー・センター:0120-711-276


後席のレッグルームはクラス最高レベルの広さで、電動開閉式のテールゲートを備えたラゲージスペースは通常793リッター、最大1722リッターの容量を誇る

床下で低重心化に寄与するバッテリーは、容量を95.7kWhとして1回の充電での走行距離は510kmを達成

デュアルモーター仕様の“eAWDシステム”により、最高出力はシステムトータル384kW(約522PS)、最大トルクは610Nmを発揮する

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